考察:知識がウェブで変わった1/4 紙の本と電子書籍で読む本が違う
僕は紙の本と電子書籍と両方買うことがある。どちらも読むためにだ。気に入った本はよくそうする。電子書籍は13インチのタブレットで読む。
そこで気がつく。紙の方が読みやすいものと、電子書籍の方が読みやすいものとある。また読みやすいことと、頭に入れやすいことは別だと気が付く。読みやすいからといって、しっかり読めたとは限らない。
読みやすければ話を捉えやすい。イメージが浮かびやすい。頭でしっかり捉えられた感じがする時は、文の考えをなぞることができ、自分の考えが浮かぶ場合も多い。
つまり僕の読み方は、一回さっと読んで、雰囲気をチェックする。そして気になったらしっかり読む。
これで自分の頭に入れたいものを、チェックした後に入れられる。読みやすい媒体で読んでから、しっかり捉えられる媒体で読めばいい。たいていはタブレットで読んでから紙で読むことになる。
僕はネタバレに動揺しないし、なんならそれを聞いて、じゃあ自分でも確かめてみるよと思うタチだ。これを自分だけでやっているようなもの。知っていても、もっと知ることは面白い。
おおよその話だが、電子書籍で読みやすいものと、本で読みやすいものとどう違うのかわかってきた。
電子書籍で読みやすいもの
文が難しい表現ではない
一つの文が一つの物事を指す
流れるよう。リズムとか音楽のよう
感じながらイメージを浮かべる
どこか知っているような感じ
紙媒体で読みやすいもの
少し難しい文
一つの文の中で複数の意味などを接続する
つど一つの文で、文法的にみる必要がある
文と同じように考えながら読まないと捉えられない
未知の内容
簡単にいうと、電子書籍はライトな読み心地のものが読みやすい。紙媒体は頭を鍛えながら読むようなものがいい。筋肉に集中しながらダンベルを上げるような一体感が得やすい。
電子書籍は自分の横幅を広げるような読書に向いているのだろう。紙の本は思考の限界値を高めるような読みに向いている。
また、文章は縦書きと横書きとでも違う。これは媒体の違いよりも、本や電子書籍とウェブ記事との違いが大きくなると思う。
これはどういった違いがあるのかわからない。ただ文章を編集したり推敲したりするときに、縦横を変えてみると直したいところがはっきり見える。捉えられるものが縦書きと横書きとで違うのだ。応用すると、紙の本で難しいくて読めないような時に横向きにすると、読み取りが適当になると同時に難しいかどうかが薄れて、日本語を目にしているといったふうになる。
ウェブ記事をよく読む人でも、本をあまり読まないのなら、捉えて蓄積されたものが何か違うだろう。上記のようなことを考えると、ライトな解釈が積み上がっているのかもしれない。
読み方を一つ加えると、音声がある。
読みたいとは思うものの、読みきれない本がある。知のレベルが合わないとか馴染みのないジャンルだとかで、読む行為が苦痛な場合だ。この場合はタブレットやスマートフォンの読み上げ機能を使って音声で聴く。本の雰囲気がわかる。その後に読書をすると、読める。
耳から入れるというのは負荷が少ない。相当に受け身だ。頭が鍛えられるものではないようだ。耳で聞いた本を後からしっかり読んでみると、頭に入っていなかったのがわかるからだ。
この推論が通っているのだとしたら、紙の本を読んでいると頭が鍛えられやすいという理屈にもなる。すると知の場面では、紙の本を読まずに論理を語ることは、役割的に力不足となる。
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