生きようと思えなかったせいで彼氏と別れた。

彼氏と別れた。
付き合って1年ちょっとだった。

特に仲が悪かったわけじゃない。
先月だってコロナに気をつけながら映画を観に行ったし、うちに遊びに来てわたしの作ったごはんをおいしいおいしいって食べてくれた。

きっかけは彼の職場が休業になった時だった。
半年前くらいから、毎週決まった曜日に仕事終わりにうちに来て、ご飯を食べて泊まって、次の日うちから出勤するっていうルーティンがあった。
けれど仕事がなかった週は彼氏がうちに来なかった。
わかるよ、わざわざ職場よりも遠いうちまで電車に揺られてくるなんてこの情勢じゃリスクでしかない。わかるけど。

一言くらい連絡くれたってよかったじゃない。

そんな恨み言を言った日から、なんだかギクシャクしてしまった。
ついには電話で喧嘩して、圧倒的な考え方の違いに気がついてしまって「ああ別れよう」としか思えなくなった。

彼は常日頃から、向上心がなくだらしない生活を送っているわたしに不満を持っていたらしい。
たしかに自分でもわかっていた。こんな堕落した生活はよくないと。
わかっていたけど、改善しようと思えなかった。
なんでだろうと改めて考えて、ひとつの結論に行き着いた。

わたしは生きようと思えない。
生きていくことがしんどい。
日本では安楽死が認められていないし、痛いことがいやなので自殺も考えていない。
消極的理由で生きているだけなのだ。
だから、部屋が散らかっていようが、運動不足で太ろうが、
「どうせ人間は死ぬんだよ」
という考えを持ってると、いまこの瞬間が良ければそれでいいじゃん、としか思えない。
片付けたくなければ片付けなくていいし、好きな物も食べたいだけ食べればいい。
どうせ死ぬんだよ。
そう思っていたことに気がついた。

けれど気が付いたところでもう遅くて、泣きながらLINEで別れ話をまとめたあとだったので、この気持ちが彼に届くことはない。
もっと早くこの気持ちに気が付いて、まるっと相談できていたら違った未来があったかもしれないけれど、なにもかも後の祭りだ。
この気持ちを先に彼に分かってもらえていたら、希死念慮をなくしていく努力をしようと思えたのかもしれないけれど、
「どうせ別れたんだしもうどうでもよくない?」
と、わたしの心が言っている。
きっとこの先も、このしんどい思いを抱えながらなあなあで生きていくのだろう。

生きるのがしんどい。



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