しゃかりきコロンブス

小学生の頃によく母親が歌っていた
光GENJIのパラダイス銀河の中にある一節。

「大人には見えないしゃかりきコロンブス」

子供ながらにずっと
しゃかりきコロンブスとは何だ?
と思っていた。

母親なら知ってるだろうと思って
聞いてみたけれど
そんなところ気にならないよと笑われた。

大人になってふと思い出して
考えてみたけれど
しゃかりき→一生懸命な様
コロンブス→未開拓地を見つけた航海者
ということから
コロンブスに例えられた子供達が
一生懸命探して見つけた
自分だけの楽園のことだろうと思った。

けれど数年前に作詞作曲を手掛けた
ASKAさんが解説してましたね。

「しゃかりきになって探したって、
コロンブスさえも発見することができない
夢の島(子供の場所)」

とのこと。

私はあくまでも偉大なコロンブスという人物を
未来を担う子供達一人一人に期待も込めて
重ね合わせたけれど
実際はコロンブスさえ発見出来ない島を
子供達の場所だと考える点が
とても良いと思った。

なんというか偉大な功績を残すことと
一生懸命生きることが対等である気がして
心が少し救われた気がする。

ごく稀に、年に数回あるかないかくらいだけど
自分には何もないと思ってしまうことがある。

本心では何もないわけがない!と思うけど
心の中のもう1人の自分は
突然連絡を絶ってどこか遠くへ行ってみても
誰の人生にも支障はきたさないし
変わるのは私の周りが
物理的に何もなくなるだけだと思う。

とはいえ、
実際にそんなことしてしまったら
少なからず心配をしてくれるだろうと
思える人も私の頭の中に数人いてくれるから
決してそんなことはしないけれど
それでも突然どこか遠くへ
何も情報が入ってこないところへ
行ってしまいたいと思う。

こういう時こそだ。

こういう時こそ、自分の中に
しゃかりきコロンブスを持っていれば。

私ならそこへ行ってから
静かに編み物をしたり
絵を描いたりしたいし、
草原の上を転がってみたり
雲を数えて時間を潰したい。

おいしいコーヒーを飲んで
犬のお腹で眠りたい。

そして一言、
ここが私のしゃかりきコロンブス。
(アナザースカイ風に)

情報さえ遮断すれば
現実でも出来そうなことだから
わざわざ遠くに行かんでも
山とか海とか目指さんでも
心の中のしゃかりきコロンブスで出来るよね。

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