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本と思い出【奇書の世界史】

こんばんは。
今まで読んできた本について語るシリーズです。

レビューや考察なんかは苦手なので、読んだ当時の自分の事とか、そういう思い出語りみたいなものになると思います。
あらすじも端折ります。話す上で必要な部分だけ説明します。

「怖い絵」の回で「作者の意図するもの、時代背景なんかに惹かれる」と書きました。
作品の出来た当時はどんな状況であったのか、作者がどういった人物で、どのような意図・経緯で作品を世に出したのか。
背景を知ることができたら、その作品についてより楽しめると思うからです。飛躍した話になりますが、様々な人間がどんな考えを持って生きてきたのかも垣間見えると思っています。

その「本」バージョンがこの本です。
「おすすめゆっくり動画シリーズ」のnoteも書いているくらいには、ニコニコやYouTubeで解説動画などを視るのが好きなのですが、著者は奇書について解説するゆっくり動画投稿者でした。

それが書籍化された、ということですね。

この本は「昔は当たり前のように読まれていたが、今の常識ではありえないとされる本」について紹介、解説しています。その逆も然り。
序盤が『魔女に与える鉄槌』で始まるのは、とてもわかりやすいと思います。魔女狩り、魔女裁判が「よくこんなこと許されたよな」というとんでもないものだという認識を、現代に生きる人間の殆どが持っているからです。

世界史や日本史は年号や人などの名称を覚えるのが大変で好きではないのですが、当時の生活環境や価値観には興味があります。
昔は「それが常識」だと思われていた事柄でも、現代では「非常識」「タブー」「忌むべきもの」「実は危ないもの」という認識に変わったものって、結構ありますよね?

今、当たり前だと思っている事柄も、もしかしたら数十年先の世界では「ありえない」「もう廃れた文化」「こんなとこしてたってマ?」と言われているかもしれない…。世界というのは意外と不完全なのかも?と考えさせられますね。

個人的に『軟膏を拭うスポンジ / そのスポンジを絞り上げる』の解説が好きです。武器軟膏という、傷口ではなくその傷を作った武器に薬を塗ることで、治療になるらしいです。えぇ⁉
科学やネットがまだまだ未発達だった時代に、魔法のような話や、神話的なものが信じられていたりした世界があったなんて、よくよく考えてみると驚きじゃないですか?あ、宗教として信じている方はまだいらっしゃると思いますが。

絵画や童話や小説、映画の表現やセリフ回しなんかから。国や時代や環境で、同じ人間なのにこうも価値観が違うのか、というのを知れるのは面白いことです。
んん…昨今のTwitterなんかでは、考え方が違うだけですぐ批判するように噛みついている人をよく見かける気がします。
そういう意味では、もうちょっと寛容に?穏やかに?できないものかと思います。

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