見出し画像

本と思い出【スノードーム】

こんばんは。
私の住む地域では、いよいよ雪が降り始めた…という感じです。
冬、雪は、昔から対して好きではなかったですけど、車の運転をするようになってからは本当に嫌になりました。
視界が悪い。滑りたくない。心臓に悪い。

元々出不精なのに拍車がかかり、ゲーム以外何もやることがないので、今まで読んできた本なんかをつらつらnoteに書いていこうかなと。そう思っているわけであります。

レビューや考察なんかは苦手なので、読んだ当時の自分の事とか、そういう思い出語りみたいなものになると思います。
あらすじも端折ります。話す上で必要な部分だけ説明します。

【スノードーム】

中学1年生の頃、なんとなく、その綺麗な表紙と「スノードーム」のタイトルに惹かれました。
スノードーム…。昔、球体の中で雪を模したキラキラの粉が降り注ぐ様を、時間が忘れるほど見ていた記憶がありました。それを思い出しながら手に取ったのです。

タイトルのとおり繊細で美しい話かと思いきや、愛と憎悪の渦巻く深い心の「闇」を覗くような物語。
「えっぐ」と思いながらも読み終え、心に何かを残したまま社会人になりました。
お金の出来た私は、昔学校で読んだ本を買って自分の手元に置こう、と思い立ちます。そして最初に購入したのがこの本でした。

その際にまた読み直し「あぁ、こういうことなのだな」と、心に残したものが何かを理解する事が出来ました。

私はこの作品に登場するエックマンという人物が嫌いです。
彼は自分の見た目が酷いことにコンプレックスを抱え、好意を抱く女性にアプローチするもうまくいかず、他の男と仲良くなってしまった事に怒り、取り返しのつかない事をしてしまいます。
その男の息子を引き取り、自分が「養ってあげている恩人でありよき友人であり父親」のように振る舞い、育てます。
そして、秘密を手紙に残し、歪んではいるけれどある種の「愛情」を持って、死んでいくのです。
彼は、とても可哀想な人です。

好きな人は自分の事になど興味はなく、どう頑張っても他のところへ行ってしまう。ではどうするか。
一人でいる事に何の問題も無いように振舞うが、遠くを歩く家族達の姿に目が離せない。
いいように見られたい。
でも、私もそれが理解できるからこそ、彼が嫌いなのです。

あと創作でも現実でもそうなんですけど、孤独に生きていく人や死んでしまった人って本当に見てて辛い。
私自身が孤独である事に恐れを感じている…というよりは、自分以外の他の人がそういう状態になるのが嫌です。
(ここ、本の感想と関係ない気がします)

最後が後味の悪い…というか、モヤモヤするというか。結局どうなったのか気になる。
どうとでも取れるような終わり方、好きなんですけどね。漫画でこういうのされたら二次創作とか大量生産されそうですよね(安直)。

ちなみに原題は「The Speed of the Dark」らしいです。物語を読んで意味が分かれば何か感じられるものがあるかとは思いますが、私はタイトルに惹かれたところもありますし、スノードームという名前も好きですよ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?