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本と思い出【13ヵ月と13週と13日と満月の夜】

こんばんは。
今まで読んできた本について語るシリーズです。

レビューや考察なんかは苦手なので、読んだ当時の自分の事とか、そういう思い出語りみたいなものになると思います。
あらすじも端折ります。話す上で必要な部分だけ説明します。

小学校6年生くらいの頃、家にあった本です。
私と姉に「好きな本、1冊買ってあげる」という事で姉が購入し、そもそもあまり読書をしない姉が放置していたものを勝手に読みました。
(ちなみに私はリアル鬼ごっこを買ってもらい、純粋に楽しんで読みました)

前回紹介した「スノードーム」の作者である、アレックス・シアラーさんの小説です。個人的にこの方の本が、なんとなく好きなのかもしれませんね。

手に取ってまず感じた事は、このタイトルについてです。「なんじゃこりゃ」と。長いし、13という数字が何回も使用されている…。どんな本なのかと。
だけど表紙が綺麗でワクワクしました。本はタイトルとジャケットで選んでしまう傾向があるかもしれません。というか、あるんだろうなぁ。

内容ですが主人公である女の子が老婆(魔女)に身体を乗っ取られ、魂が入れ替わってしまった事実を親には「老人の妄言」と信じてもらえず施設に送られてしまう…というものです。
確かにこんな事が実際にあったとしても、私は信じられません。ですが、小説の主人公の視点では起きている。アニメなんかでもよくある展開ですが「誰にも信じてもらえない」というのを、事実を知っている側から視ると、なんとももどかしいものがあります。

中盤で、同じく「身体を乗っ取られた」状況に陥った少女と出会い、妥当魔女のために力を合わせる友情有りのドキドキハラハラするファンタジーになっています。

これ、主人公の視点で語られる「老い」がなんとも怖い。
主人公は少女からいきなり老婆になり、身体的な変化などに戸惑い「なんで私たちが!身体を返して!」という流れになるのですが、いつかは自分自身にもやってくるであろう「年を取る」という事。
思うように動かない手足、迫りくる死への恐れ。
私もこのまま寿命を全うできるまで上手く生きていく事ができたなら、これを感じる日がくるのだろう…そう思いながら読んでいた記憶があります。

私は小さい頃から、死についてなんとなく考える事が多かったように感じます。
母親が病気になり、それからの生活をずっと見ていたからだと思います。
ここらへんはいつかnoteにまとめたいと思っているのですが。

身体を乗っ取って生きていく今作の魔女は、悪役としてどこまでも卑しく残酷に書かれているのですが、寿命が近づいて「死にたくない」と思っていたんだろうなぁ。だとしても許される事ではないけれど。

そんな事をやんわり考えてしまうような作品です。
でもまぁ一番は「相手が自分の話を信じてくれない」という展開は恐ろしいという事ですね。何度も言いますが、アニメなんかでもよく見る展開。
恋愛のすれ違いとか、第4の壁を超えて全てを理解している私たち読者・視聴者がもどかしいと感じる話は辛いです。

そんな登場人物の皆さんには、いつか全てを理解できる日がくる事を願っています。

(バッドエンドもすきなんですけどね)

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