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見積もりって一体なんだろう?〜ウェブデザインにおける見積もり〜

お仕事を相談される中でちょっとやっかいだな、と感じるのがこの「とりあえず見積もり頂戴」ってやつです。

多くのクリエイターがこの見積もるという作業で手間取っているのではないでしょうか?

お仕事をご紹介してくださる方は当然親切で悪気はないと思うのですが、やはりある程度確度の高い案件でもない限り無駄玉(見積もり)が多くなってしまいます。

なぜ依頼主とクリエイターの間でそういった温度差が生まれてしまうのか、簡単に説明したいと思います。


とりあえず見積もり=とりあえず処方箋

よくデザイナーはお医者さんだといったような例えをされる方がいますが、まさにそのとおりです。
別にお医者さんのように偉いということではなく、お客さんの症状に合わせた処方をしないと間違った診断を下してしまうということです。

例えば「先生、膝痛いから(湿布か鎮痛剤の)処方箋出しといて」というやりとり、近所の開業医で旧知の仲の先生ならある程度患者の状態もわかっているので「いつものでええか」で出してくれることもあると思います。
※本当は駄目なんですが。。

しかし「先生、この人(仮にAさん)頭痛いいうてるから処方箋出して」ではまず無理な話ですよね?

Aさんが頭が痛いといっている原因がわからないと、処方・治療は判断できません。
もし命の危機に関わるような重篤な病気の症状であった場合、最初の診断が命取りになることもあります。

Aさんの頭痛の原因は何か、まずは問診をして触診、必要があればレントゲンやCT、MRIなどが使える総合病院への紹介状など、状況に応じて様々な対応が考えられます。ただの二日酔いであれば「水でも飲んで寝とけ」で済むかもしれませんが。

見積もりを出すということは

例えば「膝が痛い」とおっしゃる方には大きく3つの方法があると思います。

  1. 外科的対応(手術)

  2. 一時的な対処療法(ヒアルロン酸などの注射)

  3. 持続的な方法(運動療法)

先の例をホームページに例えるなら

  1. リニューアル

  2. 広告やランディングページ(LP)

  3. SEO対策

にそれぞれが対応しますね。

もちろんこれらの対応を施すまえに膝の痛みであればレントゲンやCT、MRI等を利用した精密な検査をし診断するように、ホームページもお客さんへのヒアリング(問診)やGoogle Analyticsなどを利用して現状を把握・診断する必要があります。

外科的手術はあくまで最終手段であり、まずは持続的な方法(内部のSEO施策=筋力トレーニング)、次に広告(リスティングやLPなど外部からの施策=注射や湿布、鎮痛剤など)となります。

それぞれの内容やそのレベルに応じて見積もりはまったく変わってしまうので、結果として思っていたような価格じゃないとはねられてしまうことに繋がります。

お客さんは〇〇をつく

直接お客さんにヒアリングができるものであれば、見積もりを出す前に一旦お話聞かせてもらえないですか?といった事もできるのですが、第三者が間に入っている場合は少し厄介です。

これは私の体験から言えることですが「お客さんは嘘をつく」これを前提に話を進めないと問題の本質がいつまでたってもつかめないことになります。

なので「とりあえず見積もり頂戴」といわれても、一体どのレベルで本来作成すべきなのか原因がわからないので当てずっぽうなものになってしまい、困ってしまうということになります。

最後に

見積もり1つとっても様々な見方、考え方があります。

お客さんにとっても不幸にならないように、できるだけの情報を事前に集めて、可能な限り現実的な見積もりを出せるよう双方からの歩み寄りが重要なポイントです。

間違えても「とりあえず仕事が取れたらいいや」というレベルでの見積もりは自分の首を絞めるだけなので、そういった依頼は遠まわしに辞退するのがベストではないでしょうか。

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