柴山順子

柴山順子はペンネームです。山で柴犬と暮らしているから柴山。順子はジャズピアニストの大西…

柴山順子

柴山順子はペンネームです。山で柴犬と暮らしているから柴山。順子はジャズピアニストの大西順子さんから拝借しました。(諸説あります。)よろしくお願いします。

マガジン

  • 君のいる景色 ーYou were meant for me

    全6話。景子の日常を追いながらその時々に見せる「女の顔」をテーマにした小説です。 副題は Lalah Hathaway You were meant for me https://youtu.be/_OybqFwlias より。

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君のいる景色 1

 スマホのタイマーが鳴る。今日は10時から会議がある。遅刻して10時出社しようかな?ムリ、むり、無理……  景子はベッドから抜け出すと、そのままバスルームに向かいシャワーを浴びた。長い髪に入念にコンディショナーをなじませる。シャワーから出ると、全身にボディーローションをつける。肌の弱い景子は香りの強いものは合わない。なるべく香りの少いオーガニックローションを愛用している。  最近は肌の乾燥が気になるようになってきた。髪の痛みも肌の乾燥と関係あるのかな?化粧水ももっとしっとり

    • これまでほとんど利用してこなかったthreadsを非公開にして日記とすることにした。 Xとthreadsをこうして使い分けると確かに便利だわね。

      • 我々は秒速600kmというとてつもない速さで宇宙空間を突き進んでいる――― 過去にとらわれてるヒマなんてない。今を大切に生きなきゃ。しかも、とびっきりHAPPYに!! https://www.businessinsider.jp/post-200606

        • 私がソロキャンプに行くわけ

          最近、相棒(犬)を連れてソロキャンプに行くようになった。 正直に白状すると、キャンプの夜はいつも暗闇の心細さと寒さで「やっぱり家で寝てればよかった」と後悔し、夜が明けて朝日を浴びると「やっぱり来てよかった」と思うことの繰り返し。 なにせ、平日の北海道のキャンプ場なんてほとんど貸切状態。夜、もしクマでも出ようがものなら悲鳴を上げてもサイレン鳴らしてもすぐ助けになんて来てくれないだろうし、なにより寒い。わざわざ氷点下のテントで震えながら寝るなんて、我ながら狂気の沙汰としか思えない

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        君のいる景色 1

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        • 我々は秒速600kmというとてつもない速さで宇宙空間を突き進んでいる――― 過去にとらわれてるヒマなんてない。今を大切に生きなきゃ。しかも、とびっきりHAPPYに!! https://www.businessinsider.jp/post-200606

        • 私がソロキャンプに行くわけ

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        • 君のいる景色 ーYou were meant for me
          6本

        記事

          君のいる景色 6

           金曜日。週末に雄大と出掛ける予定だった景子は、仕事の帰りに美容院に寄った。年末は仕事が忙しくて、ほとんど自分をケアしてこなかったのだ。毛先のパーマは残していつものカラーだけにしてもらっても2時間以上かかってしまった。美容院を出ると家に向かう電車に乗った。 「あと二駅。」 つり革につかまってスマホを見ながらホームの駅名を確認した時だ。  ホームに雄大がいた。隣に若い女性が一緒にいる。雄大がうつむいた女性をのぞきこむようにしてその肩を抱いた時、電車が動き出した。  景子は自分

          君のいる景色 6

          君のいる景色 5

           大晦日。景子は茅ヶ崎の実家に帰った。 「ただいま。」 海に近い景子の実家は、日当たりの良い庭のある二階建ての一軒家だった。 「おかえり。」 父と母が玄関で出迎えてくれた。ラブラドールのハナが大喜びで景子に飛び付いてきた。 「ハナ!会いたかったよ。」  リビングのソファーに座ると、母がお茶を出してくれた。 「お父さん、お土産。」 景子は早速、神川酒造の日本酒を父に渡した。 「景子が日本酒を持ってくるなんて珍しいな。」 「頂き物なの。お正月だからね。結子達も来るんでしょ?」

          君のいる景色 5

          君のいる景色 4

           景子はクリスマスイルミネーションで輝く表参道を小走りに急いでいた。景子の彼、雄大がブルーノートのライブチケットを用意してくれたのだ。  憧れのディーバ、レイラ・ハサウェイのクリスマスディナーライブ。舞い上がる気持ちを抑えようとしても自然と笑みがこぼれてしまう。ブルーノートの入口には今日のアーティスト、レイラの写真が掲げられていた。 「わぁお!」 景子は人目もはばからず撮りまくると、弾む足取りでロビーに通じる階段を下りて行った。ロビーにはフロアのBGMが漏れ聞こえている。雄大

          君のいる景色 4

          君のいる景色 3

           今日は定時で帰れるかと思っていたが甘かった。景子は3時あたりから残業を覚悟した。むしろこうなると慌てず騒がず、かえってのんびり仕事するようにしないと途中でモチベーションが切れてしまう。仕事の能率としては落ちるよな。と、思いながらペース配分を考える。しかもまだ水曜日だ。とりあえず7時で仕事を切り上げた。 「大西さん、ちょっと……」 上司に挨拶して帰ろうとすると、課長が景子を呼び止めた。 「佐野君のことなんだけど彼、来月で退職することになったから。」 「来月ですか?なんでまた

          君のいる景色 3

          私が小説を書こうと思ったわけ

          昨年5月、私は北海道旭川に引っ越して来ました。 ある日いつものように川原で犬の散歩をしていると、ある標識が目に入ったのです。 「クリスタル橋」 え?何?ここ、クリスタルで出来た透明の橋でも架かってんの? 標識の後ろを目を凝らして真剣に探す自分に気づいた時、ギョッとしました。 何やってんの?あたし…頭オカシイ?ファンタジー映画の見すぎ?RPGゲームのやりすぎ?病院行ったほうがいい?脳神経科?いや、精神科? 病院でなんていうのさ?恥ずかしいわぁ…ヤダムリ!いっそこのイカレた頭を生

          私が小説を書こうと思ったわけ

          君のいる景色 2

           お昼休み。景子は同僚の香織とランチに出た。 「いいお天気。気持ちがいいね。」  東京はやっと夏の暑さから解放され、過ごしやすい季節を迎えていた。 「やっぱりコンビニで何か買って行かない?」 香織がいきなり景子をコンビニに引っ張り込んだ。何?景子の視界にヒロキの姿が一瞬写った。  ヒロキは香織の彼氏で、最近香織とモメている。香織はヒロキに二股かけられていたのだ。 「彼、一人だった?」 香織が景子に確認する。 「一人だったよ。大丈夫。」 香織は浮かない顔でサンドイッチを選んで

          君のいる景色 2