東大京大新高1高2総合方針

 こんばんは。ポジハメです。こちらは東大京大志望の新高1生、新高2生を対象とし、これからどういう姿勢で勉強していけばいいのか、勉強における基本的な考え方と方針を示して説明していこうと思います。段階ごとに分けて書いてありますが、最初の頃の勉強においても入試に向けて意識しておいてほしい事はありますし、内容のまとまりを考えた結果、そうした部分を後の文章で説明している箇所もありますから、必ず一度通しで読んでください。一応レベル的には東大京大志望の高校生を対象としてはいますが、他の大学志望の方も参考に出来るように説明します。尚、時間的余裕のある高校生を対象としますので、僕が先日書いた「東大京大新高3総合方針」より厳しめになっている箇所もあります。

東大京大新高3総合方針(1~3月編)

はじめに

 各科目の方針について、順を追ってやって欲しい内容を①からの番号で順番に並べ、段階に関わらず勉強を通して特に意識していて欲しい内容やその他全体を通しての補足説明をαからのギリシャ文字で並べました。そして上にも書きましたが、必ず一度通しで読むようにしてください。

勉強の前提となる考え方

◎物量は正義
 何だかんだやった量が多いに越したことは無いです。質を犠牲にして量を増やすのは良いとは思いませんが、質が保てるなら量は多くすべきです。

◎演習は頭を使う事
 物量は正義といきなり書いといてなんですが、きちんと頭を使って自分の弱点、不足している視点などを考え、反省しながらやらないと効果は大幅に落ちます。それをせずにただただ解いては忘れて同じ間違いを繰り返すのでは無意味に等しいです。自分の脳や思考に蓄積されてこその物量です。頭から抜け落ちていたらやってないのと同じです。

◎自分に合った復習法を見つけるべし
 上にも書きましたが、勉強は解いて忘れてそのままでは意味無いです。繰り返しになりますが、勉強内容が自分の脳や思考に蓄積されなければ無意味です。忘れるのは仕方ないですが、定期的に復習をして記憶を復活させ、短期記憶から長期記憶へと変えていく必要があります。ただ、どのタイミングでどれほど復習したら良いかは個人で違ってきます。時間のある高1高2のうちに、自分にとってベストなタイミングを見つけて下さい。

◎様々な意見を見比べた上で自分に合ったものを取捨選択すべし
 ここまで書いといてアレですが、自分の意見だけを盲目的に信じるのはやめて下さい。まず自分の説明する勉強法を試して頂ければとは思いますが、勿論中には自分の勉強法が合わない科目等が出てくる人もいると思います。そういう時は、思い切って他の人の意見を取り入れてみるという事をして下さい。

◎適度に予備校に頼る事
 結論から言いますと、東大京大レベルとなると、対応できる参考書が巷に出ていない(あったとしても絶版になっていたり)場合が多いです。実は大手予備校で東大京大クラスをメインで担当している講師の先生方の大半は、あまりor全く参考書や問題集を執筆していないです(青木先生、苑田先生、小林先生、雲先生、林先生etc.)。執筆していたとしても、それが東大京大対策のための直接的な教材では無い場合もあります。つまり、そういった講師の先生方の技術は予備校に行かなければ吸収出来ないという事になります。また、教材だとどうしても、「読み流す」という事が出来てしまいます。参考書を執筆した先生方が必要だと判断して載せた説明でも、こちら側がその重要性を理解せず勝手に取捨選択してしまう危険性があります。授業であれば、重要なところは敢えて生徒の注意を引き付けたり、説明する際に「ここは特に重要」と言ったり、説明に「緩急」をつける事が出来ますが、文書化するとどうしても均質な文字となってしまうため、そういった事が上手く出来なくなってしまう場合があります。また、図を実際に書きながら流れで理解させる説明や、言葉による情報量の多い説明は授業ならではの物です。参考書だと説明する側が図を描きながらと言うのは不可能ですし、ページ数の関係で説明や問題が最低限にまとめられてしまっている場合もあります。参考書学習で上手くいかない際はこれらの可能性を考慮し、その部分に関しては予備校の授業を取ってみるというのも大切な判断です。

数学の方針

①初手の理解
 そこそこの中高一貫校の人であれば学校の授業でこの部分はクリアできると思いますから、いきなり②に行ってもらって大丈夫です。それ以外の人は学校の授業の進みも遅いでしょうから、先取りするには初手の説明の補充が必要になってくると思います(勿論出来るならいきなり青チャートとかやっても良いですが)。自分の周りで評判が良いのはマセマの初めから始めるシリーズですね。他にも授業動画付きの書籍(数学のトリセツシリーズ、長岡亮介講義シリーズ等)もありますから、そこら辺を上手く使ってください。

②解法暗記
 解法暗記と言っても丸暗記はダメです。一つ一つの作業が何を目的目的としているのか、どういう方針で解き進められているのか極力理解しながら覚えて下さい。そんなに難しく考えないで大丈夫です。三角関数の中身(θの部分)を揃えるために倍角や反角を使うとか、共有点の座標を求めたいから直線と曲線の方程式を連立させるとか、要はその数式によって何をやっているのか、何がしたいからその数式を使うのかが分れば良いです。このッステップでは青チャートかFocus Goldを使う人が多いと思いますが、例題の下の部分に指針が軽くではありますが書いてあると思います。そこもきちんと読んでください。

③入試レベルの問題を解く考え方を身に着ける

 基本的な解法暗記が済んだらいよいよ本格的な演習に入るわけですが、ただひたすら演習していてもダメです。覚えている解法を問題のパターンごとに整理し、どれを選択し、どう使うかと言ったアルゴリズムを常に頭の中で考えて下さい。受験数学において、考えるというのはただただウンウン唸っていたら天から閃きが舞い降りてくるというような物では無いです。覚えた解法を頭の中で思い起こし、出来る限りどれが使えそうか考えて選んでみて、それがだめなら別の解法を試してみる、これがまず基本です。ですが、このアルゴリズムを0から自分で構築出来る人は決して多くは無いと思います。自分一人ではわからないと思ったら、素直に予備校の講座を受けてみてください。もし予備校をあまり使いたくないのであれば、鉄緑会で生徒に配られる自習用問題集「高2数学実戦講座問題集」を買ってやってみてください。これは本当に凄い問題集です。これをしっかりやっておけば東大理系数学でも安定して半分くらいは取れるようになります(勿論それ以前の基礎は出来てる前提ですが)。それ以外にも、市販教材になりますが、「入試数学の掌握」や「世界一わかりやすいい京大の理系数学/文系数学」などは、問題を解くだけでなく、解法選択の考え方の習得の方にも重点を置いた教材になります。問題集で演習して自分で考えるだけでは限界が来ると思いますから、その時は視野を広く持って、こうした「考え方」系の教材や予備校の講座に目を向けてみてください。

α. 数学的な論理に気を付ける
 ざっくり言ってしまうときちんと必要十分条件とか同値条件とかを意識しましょうという事です。同値ではない部分を同値記号で結んでしまったり、同値では無い式変形で解いてしまったために答えが必要条件になってしまうと言った事は受験生でもあります(特に軌跡とか)。ただ、まだまだ青チャートとかをやってる段階だと難しいかもしれません。それに、これにきちんとフォーカスした受験教材は残念ながらほとんど無いです。一応、「総合的研究 論理学で学ぶ数学」と言うのがあるのですが、恐らくこれを自力で読んでいくのは厳しいです。ここも予備校の講習等に頼るのが得策かと思います。東進であれば長岡先生の数学ぐんぐんや青木先生の数学の真髄を受講して貰えれば恐らく大丈夫なのですが。(段階ごとの方に入れようかとも思ったのですが、最初の段階で解くレベルの問題でも論理を疎かにして良いわけでは無いので、こちらに入れました。)

β. 記述答案として綺麗に書けるよう訓練する
 国公立二次試験のほとんどは記述式です。問題を解いた過程をきちんと自分で書かなければなりません。解答スペースは限られていますし、細かい式変形やら途中計算やら何から何まで書いていたらそもそも時間が足りなくなります。普段の勉強から、ノートにおいて途中計算や解法の試行を書く部分と、きちんと解答を書く部分は分けて、記述答案として出せるものを書く訓練をしておくべきだと思います。

γ. 解き方は極力問題ごと頭に入れておく
 解法を覚えても、それを未知の問題へ当てはめることが出来なければ役に立ちません。ここで意識して欲しいのは、「問題と解法をセットで頭に入れる」という事です。こうすることで、その解法を「どういう時に使うのか」と言うのが物凄く考えやすくなります。要は、初見問題に対し、今まで解いたことのある問題を思い浮かべられれば、見たことのある問題に帰着させるという作業が非常にやりやすくなります。問題文を一字一句覚えろと言うわけではありませんが、どういう問題でどういう内容を聞かれていたかくらいは覚えておいた方が良いと思います。

英語の方針

①英文を読むための道具を揃える
 まず単語、熟語、そして文法を叩き込みましょう。基本的な単語をあらかた覚えたら、後は鉄壁を一冊仕上げてしまえば単語に関しては大丈夫だと思います。熟語は少し補強したほうが良いかもしれません。自分の周りの人だと解体英熟語とかで補強してましたね。文法は学校から総合英文法書とそのワークが配られると思いますから、きちんと一度は総合英文法書を読んだうえでワークをやりこんで定着させていきましょう。総合英文法書は配られなかったらエバーグリーン買っとけばハズレは無いです。何故こう言っているかと言うと、読解においても英作文においても文法を理解し、かつそれに乗っ取った読解、英作文が出来なければお話になりません。最初はわからないとは思いますが、文法書には節のでき方や品詞の役割、動詞の型などなど、読解や英作文で必要となる考え方のパーツが盛りだくさんです。と言うか、そもそも文法と言うのは非ネイティブが英語を読み書きするために作られた体系ですから、これを疎かにするのはNGです。読解や英作文の勉強をするときにきちんと英文法をチェックして立ち返れるようにするためにも、一冊は手元に総合英文法書を持っていてください。

②英文解釈の技術を身に着ける
 文法が身に着いたら次は英文解釈(一文一文の精読)です。英文解釈は大きく分けると、「英文の構造が分かる」と言うのと「綺麗な日本語に直す」と言う二つのパートに分かれます。前者は意識出来ている人が多いのですが、後者をきちんと意識せず、変な直訳のままでしか書けなかったりする人が多い印象を受けます。名詞構文にしろ無生物主語にしろ、綺麗な日本語に直す技術はきちんとありますし、英文解釈の教材にも書いてあります。英文解釈の勉強をする時は、構文を取って言っている事が分れば終わりではなく、きちんと紙に自分で日本語訳を書いて、なるべく綺麗な日本語訳を書けるように訓練してください。

③英語長文を国語的に読むルールを知る
 まず長文読解に移る時に身に着けるべきは基本的なパラグラフリーディングの技術です。パラリーと言うと勘違いする人がいますが、決してパラグラフの最初と最後だけ読んで内容をざっと把握するやつの事では無いです。河合出版の「パラグラフリーディングのストラテジー①読み方・解き方編」を見て頂ければどのような物か分かると思います。逆説の後に主張が来ると言ったような現代文でも扱う技術の英語版です。長文の国語的な読み方と言っても講師の先生方や志望校の傾向によってスタイルがやや異なりますが、少なくともパラリーのストラテジーに書いてある程度の事はスタイル関係なしに普遍的に成り立つと思います。ここより先は今書いた通り講師の先生や志望校の問題傾向によってスタイルも分かれてきますし、一概に言うのは避けておきます。とにかく、まずはパラリーのストラテジーに書かれている技術が使いこなせるくらいに長文演習を積んでもらえればなと思います。

④基本的な例文を理解し、暗記する
 まず、これに関して、数字は④となっていますが、③とほぼ並行して初めても良いです。ただ、何故④にしてあるかと言うと、まず英文を読んで実際に使われている形で文法やら構文やらをある程度吸収してからでないと英作文の勉強をするのは難しいと考えるからです。そもそも暗記する例文がきちんと理解出来ないで暗記しても応用効かないので。本格的な自由英作文の練習をするのであれば③も終えてからの方が良いのですが、そもそも自由英作文やるなら和文英訳がきちんと出来てからなので、英作文の勉強自体は③と並行して初めても良いかなと考えました。具体的に教材名を出すと、「英作文のストラテジー」の暗記例文150文だったり、「竹岡広信の英作文が面白いほどかける本」の原則の所に載っている例文(例題のことでは無い)くらいは書けるようにしてほしいです。他にも、「150パターンで解く英作文」「英作文基本300選ー英語的発想の日本語をヒントにして覚える」「これが英作文」等、基本的な例文を扱った教材はあるので、余裕があればガンガン取り組んでおいて欲しいです。特に英語において物量は本当に正義です。

α. 英単語・熟語に関しては段階的にでも
 
英単語と熟語を①の段階に書きはしましたが、「英単語を覚えきってから英文解釈に行かなければならない」とまでは思わなくても大丈夫です。英語の勉強を進めるのに英単語をある程度知っていなければいけないので①にしてありますが、あくまで文法、英文解釈、英語長文それぞれの段階で困らない程度に徐々に覚えてもらっても大丈夫です。鉄壁を使っていると出来ないかもしれませんが、レベル別に並んでいる単語帳であれば、その時取り組んでいる文法、解釈、長文の教材で必要なレベルまで覚えるという風にしてもらっても大丈夫です。

β. 余裕があれば是非リスニングを
 特に段階別の部分では書きませんでしたが、志望校でリスニングが出る場合、余裕があれば少しずつでも構わないのでリスニングの練習はしておいてください。とは言いつつも、読めないものを聞いて理解できるはずもなく、読解がある程度出来るようになるまでは本格的なリスニングは中々厳しいものがあるので、下手に焦らず、まずはしっかり発音を耳で覚えて行ってください。市販の物ですと「英語耳」ですとか「あいうえおフォニックス」等、発音の仕方から学べる教材もありますから、余力があれば時間のあるうちにこういう部分はやってしまっておくと良いと思います。共通テストになってリスニングの比重が上がり、東大二次のリスニングも難化傾向にありますから、リスニング対策も従来の受験生よりやっておく必要性は高いと感じます。

γ. ①~④は高2までには
 上に書いた①~④は少なくとも高2の間にはクリアしておいて欲しいです。高3以降の勉強については、やはり志望校によって対策が大きく変わってしまうので、ルートの記事等で別途説明しようかなと考えています。

現代文の方針

①自分に合った教材/講師を見つける
 正直あまり現代文に関してはここでは書くことは無いんですが、自分に合った教材や講師は探しといてください。自分の参考書ルートを参考にしてもらっても良いですが、正直苦手な人は最初は授業を受けたほうが良いと思います。国語についてはまた今度ぜんこう君に詳しく書いて貰おうと思います。

古典の方針

①基礎知識を入れておく
 正直これもそこまで書くこと無いです。古文単語、古文文法、古文常識、漢文の基本句形あたりの基礎知識を入れておいてくれればなあと言う感じです。

②センターに入る前の基礎読解演習
 一つだけ教材を紹介しておくと、古文上達基礎編は良いです。文法の確認から基本的な読解演習へスムーズに移行できます。まあ学校の授業でも読解くらいはやると思いますし、自分が強いて言えるのはこのくらいですかね。別の記事でも書きましたが、優先すべきは英語数学です。

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