テンプレデッキ 2022 10月ver.

はじめに

 最初に書いておきますが、「これらをやったら~大学に受かれますか?」と言う質問には答えられません。答えないのではなく、答える能力がありません。自分は東大以外の入試に関しては無知に等しいです。
 また、予備校には可能な限り行って下さい。この記事は予備校を不要にするものではなく、あくまで自分の持つ技術体系を参考書で再現するとどうなるかを示すものです。勿論独学の資料として頂いて構わないのですが、「これがあれば予備校に行かなくていい」と言う風に解釈しないで下さい。この記事も万能ではありません。そもそも、参考書を書いていない予備校の先生も沢山いますから、そういった先生方の技術は予備校に行かなければ習う事が出来ません。自分に合ったスタイルの技術が参考書に降りてきているとは限らないのです
 加えて、必ずしもこの記事の通りに進めて行かなくて良いです。なるべくゼロベースで書いてはいますが、当然人によって前提は異なりますし、予備校で自分に合った先生にめぐりあえれば当然ここに書いてある物全てをこなす必要はないです(と言うか本来それが理想です)。必要なところだけ抜き取ったり適宜改造して下さい。自分が見ていないだけで、この記事に書いてない教材にも良いものはありますから
 最後に、この記事を上手く活用するためにも「解説」の項目は必ず読んでください

この記事の記号について

+:両方を組み合わせて使って欲しい場合に使っています。
/:どちらかを選んで欲しい場合に使っています(勿論両方やっても良いです)。
+α:デッキに入れていないが、共通テスト対策などサブ的な立ち位置で非常に有用だと感じる教材を提示するときに使っています。

国語

テンプレデッキ(現代文)

現代文読解の基礎講義+現代文読解力の開発講座

+α きめる!センター現代文

解説

 自分が現段階で「これ」と言えるものは基礎講義と開発講座の2冊です。『現代文読解の基礎講義』では、文章の修辞的な特徴に着目し、筆者の主張が強く表れている、筆者の主張の中心となる文を特定するミクロの視点を、『現代文読解力の開発講座』では、文章の内容同士がどう関連し、どう繋がっていくのかと言うマクロの視点を身につけます。基礎講義でパーツを抜き取る技術を身に着け、開発講座でそれらを上手く繋げる技術を習うと考えてください。基本的には基礎講義の方からやる事を推奨します。また、この2冊を使う場合は片方だけ使うのも自分はあまり推奨しません。ミクロとマクロは両方揃ってこそです。
 +αとして『きめる!センター現代文』をあげているのは共通テスト対策のためです。『きめる!共通テスト現代文』の方ではなく、買うなら旧版のセンター現代文版を入手してください。

テンプレデッキ(古典)※後日補充予定

数学

テンプレデッキ

網羅系

東大100問テキスト/ハイ完/マスト160

鉄緑数学実戦講座問題集

+α 入試数学の掌握 各論練磨編

解説

 網羅系の部分は正直自分に使いやすければ何でも良いです。文系の数学重要事項完全習得編と実戦演習編でも、Type100/60と最高の演習160/90でも青茶でもFocus Goldでも何でも良いです。とにかくきちんとインプットしてください。
 その次の東大100問テキストについてですが、100問テキストが手に入ればそれを使ってください。ただ手に入らなかった時に実戦講座問題集までの実力強化に使える繋ぎとしてあまり良い物が見つかりませんでした。強いて言うならハイレベル完全攻略(通称ハイ完)シリーズと『理系数学マスト160題』と言うところです。ハイ完ですが、やや解説に天下り的な部分があります。解説でも解法の整理はされているのですが、その解法をいつ使うのかと言う発想法の部分の説明が手薄です。ハイ完を使うのであればインプット用の教材と割り切ってしまって良いと思います。マスト160は問題自体はそこまで難しくは無いのですが、解説に天下り的な部分が少なく、「発想法に基づき使う解法を自力で特定する」と言う姿勢を体感できます。数学がただの解法丸暗記だと思っている人には良い刺激になると思います。
 最後に、数学実戦講座問題集の部分ですが、これは代用できる教材が無いです。手に入らなければ予備校行って下さい。正直、馬鹿みたいに難しいので自力で出来ない人も多いでしょうそういう場合は下手に無理をせず予備校に行って下さい
 +αの入試数学の掌握の青ですが、軌跡・領域の部分は実戦講座問題集よりも突っ込んだ説明をされていますし、二文字から二文字の掌握など実戦講座問題集であぶれた(年度によるかもしれません)問題も扱われています。余裕があったら補強に使うと良いかと思います。

英語

テンプレデッキ(英文解釈)

英文読解入門 基本はここだ+富田のビジュアル英文読解 基本ルール編

富田の英文読解100の原則

富田の英語長文問題解法のルール144

英文読解の透視図/ポレポレ英文読解

解説

 最初に言っておきますが、英文解釈と言うか英語と言う科目は先生によってスタイルがかなり変わりますし、そのスタイルの種類も非常に多いです。正直自分のデッキの汎用性や普遍性が一番低い科目ですあまり自分の提示するものに拘り過ぎないでください
 まず、最初の基本はここだとビジュアル英文読解ですが、やるなら基本はここだからスタートする事を推奨します。ビジュアル英文読解は解説が割とシンプルにまとまっている分、いきなり取り組むと人によっては上手く理解しきれない人も出ると思います。なので基本はここだである程度読める、ルールがわかるようにしておく事を推奨します。ここでわざわざビジュアル英文読解を入れてあるのは、ルールを「きちんと」意識できるようにするためです。基本はここだはわかりやすいですし、説明のバランスも非常に良いのですが、扱う文章がまだ難しくない事に加え、説明のバランスの良さゆえに、返って本来意識しておくべき事をあまり意識せずに乗り切れてしまう可能性があります。それを防ぐのがビジュアル英文読解の役目です。覚えておくべき部分、意識すべき部分をはっきりと、言い切る部分は言い切って説明されており、意識の仕方は定着させやすい教材だと思います。そのビジュアル英文読解ですが、時制の部分の説明は非常に抽象的で難しいです。ここだけは一旦飛ばしても良いかもしれません。
 二段階目の富田の英文読解100の原則ですが、正直好き嫌いがかなり分かれます。文法から構文を特定するプロセスがこれでもかときちんと説明されているのに加え、日本語の作り方が詳しかったりと意味論的な部分にまで踏み込んでおり、自分は非常に好きなのですが、提示される原則について例外が説明され切っていないものがあったり、説明の詳しさゆえに返って簡単には理解、吸収しにくくなってしまっています。かなり使用者の理解力に依存する教材と言って良いと思います。どうしても合わなければ他のを使ってください。また、上記の理由から、富田の英文読解100の原則をエンド教材にするのは推奨しません
 次の富田の英語長文解法のルール144はタイトルは「英語長文」ですが、中身としては構文の本です。正確には単語、文法、構文をまとめ上げ、英文を読むときにそれらをどう運用していくかを学ぶ教材です。富田の英文読解100の原則を「構文把握のミクロ視点」とするのであれば、こちらは「構文把握のマクロ視点」と言えます。構文だけでなく、文における因果関係の捉え方や単語の意味の推測法まで扱っており、意味論的な部分も学べます。富田の英文読解100の原則をやった人であれば絶対にやって欲しい一冊です。ただし、長文の現代的な読解法、要するにどこが筆者の主張でどこが解答根拠になってと言うような部分はかなり富田先生の地頭頼りであり、客観的なプロセスや切り口が明示されていません。そこについてはあまりあてにならないと思います。あくまで構文までを扱う教材だと割り切って取り組みましょう。

テンプレデッキ(英語長文)

標準問題特訓リーディング

英文精読へのアプローチ

情報構造で読む英語長文

+α 東大英語が教えてくれる英文正読の真相55

解説

 英語長文は基本的に予備校で習って下さい。上に書いた三冊はお勧めですが、正直英文精読へのアプローチはいきなり取り組んでホイホイと理解、吸収できる代物では無いですし、ではそこにステップアップする教材として良いものがあるかと言われると無いです。実はあるかもしれませんが少なくとも自分が色々探した結果まだ見つかっていません。標準問題特訓リーディングと結んでしまってますが、特訓リーディングやったらいきなり精読へのアプローチ理解できるレベルに達しているかと聞かれるとかなり難しいでしょうし、だからと言ってアプローチを飛ばして情報構造で読む英語長文に取り組んでも、ハイレベルな読解において現代文的な側面で意識する事がわからぬまま演習に突撃する事になるので、余り効果的、効率的な勉強になるとは思えません。そうした現代文的な読解技術はもはや予備校以外で習うのは難しいと思います。繰り返しになりますが英語長文はまず予備校に行って下さい
 東大英語が教えてくれる英文正読の真相55は市販教材の中では東大英語1Bの対策がきちんと載っている数少ない教材です。そこで困っていたら読んでみると良いかと思います。

理科

テンプレデッキ

入試標準問題集[物理基礎・物理]
為近の物理ノート難関理工医系対策編
難関大入試 漆原晃の 物理[物理基礎・物理]解法研究
新物理入門問題演習
原点からの化学
入試標準問題集[化学基礎・化学]
化学標準問題精講
新理系の化学問題100選

+α はじめて学ぶ物理学

謝罪

 デッキと言っといてなんですがデッキの体を成していません。これではただのおすすめ教材の羅列です。色々探しては見たのですが、デッキを組めるほど揃えられませんでした。特に物理も化学もインプットでこれと言う物がほぼ無く(原点からの化学は存在が奇跡みたいなもんです)、正直予備校に行っていただくほかないです。もう一度言いますが予備校に行って下さい

解説

 まず、重要問題集や良問の風ではなく、物理も化学も入試標準問題集を推奨します。重要問題集よりも解説が詳しく、物理の方に関してはより数式ベースの解説で、定性的にだけでなく定量的に見る訓練になると思います。
 また、物理の方で標準問題精講ではなく為近の物理ノート難関理工医系対策編を推奨するのにもいくつか理由があります。一つには問題設定がシンプルである事です。標準問題精講は問題設定自体がかなり入り組んでいる、、、と言いますか、かなり特殊なものが目立ちます。特殊だからと言って悪いというつもりは無いのですが、まず訓練としてはシンプルなものをきちんとシンプルに見る訓練をした方が良いのではないかなと言うのが自分のスタイルです(ここに関しては個人差があると思います)。標準問題精講は敢えて特殊な設定の問題を扱う事で、そのような状況でもなおかつ成立する物理法則の普遍性を意識させる狙いがあるのではないかと思います。標準問題精講が好きという事であれば、そちらを使っていただければと思います。加えてですが、標準問題精講は基本的に高校物理の範囲内で解説され、微積等はほぼ使われないのに対し、為近の物理ノートは(こちらも基本的に高校範囲での説明ですが)発展事項として微積での考え方、解き方も説明されています。苑田先生等に習っている人はその方が使いやすいのではないでしょうか。また、為近の物理ノートも物理標準問題精講も何故か穴埋め式の問題が多いです。本番の物理では穴埋め式の問題が出るとは限らないので、リード文が無くてもその考え方の流れを自力で捻り出せるように訓練しておく必要はあると思います。
 難関大入試 漆原晃の 物理[物理基礎・物理]解法研究ですが、問題をより上手く解く為の視点(重心系の利用など)や微積を使った説明など、良問の風等を使っていると盲点になりがちな発展的な説明が豊富です。特に波動の部分は読んでみて損はないと思います。個人的な感想ですが、読んでて苑田先生っぽさを少し感じました。
 はじめて学ぶ物理学は高校物理について、大学範囲に飛び出すべき部分は飛び出してきちんと導出や原理から説明されている本で、入試用では無いみたいですが自分は好きです。ただ、いきなり初学者がこれを読んで理解して勉強進められるかと言うとかなり怪しいです。

最後に

 「ここはこうしてはどうか」「この教材が上手くここにハマりそう」などの意見があれば是非質問箱やDMに投げてください。機会があれば提案集、改造例としてnoteの記事にしてみたいと考えています。


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