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人間はきっと、『夢追い人』と『トラウマ人』の2つに分かれる

PCの右上を見ると、18:59。何とか間に合いました。もらったURLにアクセスして画面を覗くと、人がいます。取材の練習をしようと、19時から約束していたのでした。取材と言っても移動する必要はなく、Wi-Fiとパソコンさえあれば、そこがすぐに取材ルームになります。対面ならではの温度感はあると思いますが、画面上でも表情がしっかり読み取れれば、温度は感じられる、そんな気がします。

こんな時代じゃなければ、Twitterから始まった取材のし合いっこもなかったでしょう。まずは僕が取材をされて、次は僕の番ということで、WORDSで働くとよふくさんに取材をしました。

とよふくさんは、社会人2年目の編集者です。編集者であれば、いや編集者ではなくてもTwitterやnoteをやっている人であれば知っているでしょう。『メモの魔力』、『リーダーの仮面』、『佐藤可士和の打ち合わせ』を生み出した編集者 竹村さんの元で働かれています。(弟子?笑)

取材と言っても、これまで3回くらいしか経験はなく、正直、何を話せば良いのか分からず、緊張していました。しかし、準備し過ぎは良くないと知っていました。とよふくさんから僕の取材をしてもらった時に『箇条書きの質問事項は、絶対ダメと習っているんです!』と話を聞いたんです。なので、質問は用意せず、とよふくさんが書いているnoteを読んで、取材に臨みました。

自分にはない価値観を持っている人と話すことは、ときめきである

現在から過去、そして未来について、聞いてみようと思いました。

今は、どんな仕事をしていて、どんなことが楽しくて、どんなことがしんどいのか。
これまでは、どんなことをしてきて、どんな気持ちになって、どうなっていったのか。

これからは、どんなことをしたいのか、そのためにどうしていきたいのか。

たっぷり、色んなことを聞きました。
すると、人間のタイプが2つに分かれるとすると、とよふくさんは僕と、逆のタイプであるということに気づいたんです。

人間は『夢追い人』と『トラウマ人』に分かれる。

それが僕の結論でした。
とよふくさんは、トラウマ人。僕が、どちらかというと夢追い人。タイプが違うからこそ、新鮮に話を聞くことができて、気づきもいっぱいありました。

『トラウマ人』と『夢追い人』とはどういう人か、整理していきます。

トラウマ人は「過去」から「現在」を生きる人

トラウマ人は、思い出を大事にします。これまでのつながりや経験を大事にして、自分の中で過去から一つずつ学んでいく人です。

とよふくさんは、「就活時の第一志望に通らなかった挫折」「大学受験時に感じた社会に対するやるせない感」「高校受験前に外に飛び出そうと思った決意」など、過去の後悔を消化したいという気持ちがものすごくありました。あの時うまく行かなかったことを、うまくいかなかったままでは自分の中に留まらせないという価値観がありました。

このnoteでもそのことがよく分かります。

そう、トラウマ人のモチベーションは、過去うまくいかなったことを浄化できるチャンスがそこにあるか?ということです。改善の余地があれば自らチャンスを作ります。

トラウマ人は、粘り強い人です。きっと。
過去のトラウマに打ち勝ちたいという想いが原動力になっています。

夢追い人は、「現在」から「未来」を生きる人

夢追い人は、やりたいことが未来にあります。こうなったらいいな、あったらいいなと常日頃から考えている人です。というか、ついつい思いついてしまう人です。(自分の周りにも思い浮かぶ人いませんか?)

思いつくことは、自分の経験がベースにはなっていますが、思考は未来に向かっている人だと思います。夢追い人は、ビジョナリーな人です。または広げ人と言うかも知れません。

夢追い人は、希望を投げかける人です。

だから、多くの人を巻き込むことが出来ます。その時に必要なのは、覚悟と意志。でもそれだけでは、夢を叶えようにもうまくいかないはずです。何より、夢追い人自身が、自分の強みを理解した上で、実力を持っていなければならないと思うんです。

『海賊王に、俺はなる!』とルフィが言っても、ゴムのようにしなるパンチで戦うだけでは、みんなついていかないのです。自らの特異体質を理解して、ギアセカンドやギアサードのような必殺技を編み出し、勝てないと思われるような相手にも勝ってきたからこそ、ゾロやサンジのような、一流の仲間が付いていくのだと思います。

結局、みんな分人だから

noteを書いている中で、ふと思いました。

人は、『夢追い人』も『トラウマ人』も、両方持っているのではないか?


夢追い人の自分にだって、トラウマはもちろんありますし、過去の悔しさをバネに変えていきたいと思うことはあります。

夢追い人とトラウマ人、どっちの思考が強い人なのか。それは、人それぞれだと思います。とよふくさんは、『トラウマ人』の割合が多い人、そう思いました。僕は恐らく『夢追い人』が多い。さらに言うと、以前やったストレングス・ファインダー(自分の才能は何かを分析する診断テストの結果)でも、「未来志向」が上位だったことからも、その傾向はたしかであることが伺えます。

これは、グラデーションの話だと気づきました。

「マチネの終わりに」や「ある男」を生み出した小説家の平野啓一郎さんが分人主義という考え方を提唱しています。

初めてこの考え方に触れたとき、”まさに…!”と鳥肌が立ちました。対人関係や場所、環境によって、自分の中の『トラウマ人』と『夢追い人』のどちらが顔を出すか、代わる感覚があります。
良いとか悪いとかではないですが、自分がどっちの色が濃いのかを理解することは、大事なことだと思います。

”「変わりたい」何度思ったか 妄想だけではなく”

とよふくさんと話して印象的だったのは、他者貢献の姿勢でした。過去を振り返りながら、誰かのために自分がもっと能力をつけたいんだと思っている人でした。一言でいうと、併走力。だれかを貶めるとかではなく、誰かの目標に向かって一緒に走っていく力があります。

僕も大好きなスピッツの「恋する凡人」という歌でこんなフレーズがあります。

恋する凡人 試されている 狂った星の上
やり方なんて習ってない 自分で考える
「変わりたい」何度思ったか 妄想だけではなく

とよふくさんが語る、新卒で入社した出版社営業時代のエピソードと重なりました。相手の社長に惚れ込み、力がないと自覚しながらも想いでぶつかって、受注につながったそうです。

そして、スピッツはその後、こう歌います。

今走るんだどしゃ降りの中を 明日が見えなくなっても
君のために何でもやる 意味なんてどうにでもなる
力ではもう止められない

誰かのために、今を夢中で頑張れる。そんな併走力の歌かもしれません。

実は、併走力こそが編集者に必要な能力でした。

つまり、とよふくさんにとって編集者は天職だという話は次回のnoteで。

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