近くなる存在
いつかは独りになる。だから深く干渉しない。
言葉にしないだけで、いつかくるかもしれない「孤独」の恐怖に怯えていた。
あまり近づきすぎると、喪失感でいっぱいになる。そんなの嫌だ。
どこかで距離をとっていた。
だが、
この出来事を境に何かが変わった気がする。死ぬときも、死んでからも独りではないということが分かってから。
それは私だけでなく、彼も感じていた。
たまたま一緒に住み始めたからかもしれないけど、生活に「パートナー」が存在するようになった。ふとした時に、
怪我や病気してないかな、今日は何を食べたんだろう、どっちが帰るのが早いんだろう。(私の頭の中)
今日は大丈夫かな、また抱え込んでないかな、どこに寄り道してくるんだろう、迎えに行った方がいいかな。(彼の頭の中)
以前は「失うかもしれない」という不安要素になっていた互いの存在が「可能な限り一緒にいたい」という絶対条件となりつつある。
もちろん、自分、仕事が大切という気持ちはお互いに変わらない。
けど「お互いの気持ち」を頭の中で少しだけ考えるようになった。それが実生活で占める割合が少し増えた。
これが家族というものかもしれない。
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