【瓦版】酔っ払いからの電話を考える。
なぜだか知らんが、酔っ払いからの電話をよく受ける人生だ。
それは深夜の2〜3時あたりによくかかってくる。
仲良しの度合いは、弱〜強まで幅広いグラデーション。シラフではそこまで仲良くなくても、酒が入れば旧知の友のようになってしまう。
私が夜型というのがバレているから、きっと酔った人たちが「あいつって、深夜のなんかしらの窓口だったよな」と思い出してしまうのだろう。
深夜の電話は、まず迷惑になるだろう人にはかけないと思う。私も深酒をしそうになると、LINEのトークリストを非表示にしまくって、予防に努める。電源を切ることもある。
昔、酔っ払うと大好きな先輩に鬼電をして安否の確認をしたくなってしまう病にかかっていた。
「先輩、大丈夫ですか!?生きてますか?」を言いたい。
私が心配しなくても先輩は吉祥寺方面でグッスリと寝ていたので、それはそれで悲しかった。たしかに吉祥寺はかなり平和である。
翌朝、懺悔の気持ちにかられるので、やめようと誓った。
私が酔って人に電話をかけなくなると、なぜか着信が増えた。
どういう宇宙のはからいなんだろう。カルマって本当にあるんだろうか。吉祥寺がキレてお返ししている可能性もある。
さて、着信があると私も気が弱いのでつい出てしまう。
電話の無視は、心がいたい。
だいたい酔っ払いからの電話の内容は以下のとおり。
①私が元気かどうか
元気に決まっている。うそ、元気じゃない時もあるけど、おおかた元気で暮らしている。元気だよ、というと本当かな?と煽られるので注意が必要。どう思う?と聞いた方が先方は喜ぶ。もう答えが用意してあるクイズ大会に参加させられているのだ。楽にこなそう。
②飲み会でのおもしろかったこと
きっと印象に残ったことを酔うと忘れてしまうから、私をハードディスクとして代替利用している感じだ。断片的に語られるメモ達には、被せ気味で笑っておこう。チャンジャが美味しいというような話はちゃんと聞こう。チャンジャに罪はない。
③テンションアゲアゲからの急な落ち込み話
酔っ払いは常に笑っている。しかし、急に哀愁を電話越しに出してくる場合がある。「だめだ、もう俺(私)。全員敵だよ」と急にトーンが落ちる。たぶん吐きたいけど吐きたくないな、この胸のざわめき、もしかしてストレス?とかいうような思考になっている。そういう時は「あなたの敵、全員わたしが始末しといたから」と言う。君はとんでもないパワーや権力を持っていることを伝える。そして信じられないくらい頼りになる奴に電話してきてますよ?あなた?と、自分を推しておこう。
ぐるぐると同じ話も繰り返しするので、こちらの合いの手もリズムが出て楽しい。
会話の合間に、「私のこと天才って言ってみて」とかお願いしてみるとスンナリ言ってくれたりするのも良い。
テンションあげあげで褒めてくれる酔っ払い達は、かわいい。
しかし急にこの彼らが安全な場所から電話をかけてきてるのか心配になるので、一応聞いておく。
真剣なトーンで聞くと、またクイズ大会が始まってしまうので歌うように聞く。
家まで何メートルでーす!
駅まで歩いてまーす!
公園になぜかいまーす!
分からんけど、大丈夫だよ!
さまざまな答えが返ってくるので、とりあえず自販機へ誘導してみる。
水を飲ませたい。
酒を飲んだあとの水が1番うまい、という感動も味合わせたい。
どこまでおせっかいなんだ、わたしは。
自分でも呆れてしまうけど、深層意識で私に電話をかけてきたのも何かの縁と思いたい。
「水って、え!酒よりおいしいな!」
この返事が返ってきたら、もう電話を切る。
水ゴール。
「おやすみなさいー!」
と明るくオフ。
翌朝、謝りのLINEが届くことを予想しながら私も眠る。
酔っ払いたちよ、なるべく深夜にはかけてきて欲しくないけれど、何かつらくなったら私にかけてきてくれ。最近勉強している石の話をしてあげよう。ラピスラズリが最高なんだよ。
そしてまた、一緒に水ゴールをきめよう。
思いっきり次の執筆をたのしみます