昔に僕がやった盤外戦術

1.威風堂々手番誤認待ち
高等学校に通っていた頃の僕は丸坊主にしてアゴヒゲを蓄えており、
友人からは良く「連続強盗殺人犯みたい」と言われておりました。

勝負事というものは精神にも大きく左右されるものですので、僕の風貌を生かして相手に圧をかければ判断を誤るのでは?と考えました。

さぁ、やってきました近隣高校での将棋大会
することは簡単です。
ある程度指した後、自分の手番が来た時にたっぷり時間を使います。
人間は同じところをずっと見続けるのは案外難しいもので、こちらが長考しているような態度を取っていれば いつか必ず”よそ見”をするはずです。

そして、よそ見をした瞬間に指で机を少し叩いてチェスクロックを押したような音を出すのです!
その後は腕でも組んで「もう僕は指したよ 早く指せやオラ」みたいな顔をしていれば相手も段々「あれ…?こっちの手番?」って勘違いして二手指しをするんじゃないか?という試みです。

結果ですが、いつまで経っても相手は騙されずに僕の持ち時間が減り続けるだけでした。
後で気がついたのですが、チェスクロックの表示を見ればどちらの手番なのかは明らかなので騙されてくれる要素はゼロでした。

後で先生に滅茶苦茶怒られました。

2.貴様など早指しで十分よ
相手に反則をさせて勝利するのは非常に難しい事を学んだ僕は精神的に動揺させて悪手を指してもらう程度で満足しようと考えました。

そこで思いついたのは1手指した後に時間ギリギリまで離席することです。
僕が先手でした、初手▲7六歩

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さあ、後はすくっと立ち上がってゆっくりとトイレに行き時間ギリギリで戻るだけです。
持ち時間のほとんどを消費した僕
ここからものすごい勢いで指していけば相手も早指しに釣られることでしょう。

結果、相手はしっかりと持ち時間を使って考えました。
そもそも、相手が早指しに釣られたとしても元々僕は早指しが得意ではなかったのです。

どうしたの?と聞いてくる友人に「いや……お腹が痛くてさ……」と誤魔化すことしか出来ませんでした。

後で先生に滅茶苦茶怒られました。

3.出血スプラッターアタック
持ち時間は大事なリソースです、持ち時間を浪費するのはアドになりません。
僕はハッキリと確信しました、時間以外で相手を動揺させよう!と。

当時の僕は体質としてキーゼルバッハ部位が弱く、ちょっと鼻らへんをゴリッっとやると鼻血が吹き出し、しかも長時間止まらない事を自分でも理解していました。

「対局相手が鼻血を垂れ流しながら指してきたら動揺間違い無しでは?」

これは天啓です。

早速実践した結果
会場はちょっとした騒ぎになり、僕は強制退出で不戦敗になってしまいました。

先生からは怒られず、むしろ心配をされましたが
Yシャツを血だらけにした為に帰宅後 母に激怒されました。

これらが僕が行った盤外戦術です。
如何でしたでしょうか?
皆様も盤外戦術を試みる時は先の事を良く考えてください。

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