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心理学コラム⑥人の態度


ある対象に接すると、間もなくそれに対する最初の態度が形成されます。
その最初の態度は、表面的に見える幾つかの側面によってのみ形成されます。

人は、思考内容の一貫性を高めようとする傾向が強いので、最初に形成された態度を支持する事柄は重視されますが、それとは一致しない側面は無視されるか、逆の方向に再解釈されます。

そのようなプロセスを繰り返すうち、最初にもった態度をさらに強くなっていき、心理学者のテッサーは「態度の自然発生的極化」と呼びました。

初見で魅力的に見えた人は、その後もますます魅力的に見え続ける。その逆もまたしかり。

人は第一印象が大事と聞いたことがあると思いますが、このような人間の思考の特性が働いているためだと考えることもできます。

良い面ばかりを見る、逆に悪い面ばかりを見る傾向が人にはあります。

一歩引いて見る、逆の視点から考える。情報の氾濫した現代社会を生きる上で不可欠な力だと思います。

参考文献)
岡本浩一(1986)社会心理学ショート・ショート・実験で解く心の謎,新曜社.


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