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【#出会った日】

彼女と出会ったのは、大学4年生の夏休みでした。

大学のある岡山県から地元広島に帰省していたとき、たまたま参加したボランティア活動。

彼女は福祉系の大学2年生。

肩までの髪が良く似合う、かわいらしい子でした。

その日の活動が終わるとき、彼女から「もう少し話をしませんか?」と声をかけてくれました。

近くのファミレスに移動し、ドリンクバーで2〜3時間は話していたのではないかと思います。

お互い福祉系の大学なので、関心のある分野や実習のこと。就職先のことや、福祉に関係のないことまで…。

彼女は県外出身で、大学で初めて広島に来たそうで。

連絡先を交換して、「次は宮島に行こう!」と約束してその日は別れました。

当時の僕はお付き合いしていた人と別れたばかり。

日々メールをやり取りしながら、宮島に行く日を楽しみにしていました。

そして迎えた宮島の日。

ボランティア活動の動きやすい服装とは違って、ワンピースで現れた彼女にドキドキしました。

僕の中では、出会った日に電話番号を交換して、次に会う約束ができたことに確かな手応えを感じ、

「彼女も自分のことを好きに間違いない!」と確信していました。



が…

その日に彼女から告げられたのは、「地元に彼氏がいる」という事実でした。


その日は平気な振る舞いをしていたように思いますが、内心は乱れてましたね…

「退屈しのぎだったのかな…もうこれで会うのも終わりかな…」

そんなことも考えていたと思います。

意気消沈した僕の気持ちを知ってか知らずかはわかりませんが、「次は、ご飯食べに行きませんか?」と誘ってきたではありませんか。

「まぁせっかく仲良くなったんだしね」

と、僕も割り切って約束しました。


数日後の再会の日。

8月の終わりだったと思います。

初めてお互いお酒を飲みながら話しました。

会って話すのは3度目。

お互い気が合うことは彼女も感じていたのかもしれませんし、少しお酒の勢いもあったのかもしれませんが。

お店を出て、並んで歩きながら彼女は言いました。


「9月に地元に帰って、彼氏と別れてくる」


その言葉の意味を確かめることはしませんでした。


その代わりに、彼女を強く抱きしめていました。


彼女が地元に帰省していたのは約1週間。

あれほど長く感じた1週間はありませんでした。

もしかして、「やっぱり別れられなかった…」と言われるんじゃないか…

そんな悪い想像もしていました。


広島に帰ってくる前日。

「彼氏と別れた。明日、○時に広島駅に着くから待ってて」とメールが来ましたが、つらい思いをしたことは想像できました。


広島駅で再開したとき、彼女は満面の笑みではなく、泣き笑いのような表情でした。

どうやら彼氏も、ここ最近の彼女とのやり取りがうまくいかないことに疑問を感じていたいたようです。

彼氏と別れるのをやめようかと…

ちょっと思ったんだよ、と。

やり取りの全部は教えてくれませんでしたが、ひどい言葉も言われたようでした。


君を守るためそのために生まれてきたんだ
失ったものはみんなみんな埋めてあげる 

このときほど、ライオンハートの歌詞が沁みたことはありません。

このストレートな歌詞が、2人とも大好きでした。


大きな苦難を乗り越えた僕らにとって、僕が卒業して広島に戻るまでの期間はあっという間でした。

「これからは毎日会えるね」

「○○(彼女)が卒業したら、一緒に暮らそうか」

そんな会話をしていた僕の社会人1年目が、最も充実していた時間でした。


その時間がわずかに変化してきたのは、彼女が「留学」という夢を叶えようとした頃からだったと思います。

大学を休学して、留学資金を貯めるために地元に帰った後に、1年間留学したい。

彼女から夢を打ち明けられたとき、

僕の返答は、もちろん Yes でした。

僕のせいでやりたいことを諦めてほしくなかったのと、1〜2年間会えないくらいで2人が別れるはずがない!

そう思ってました、けっこう本気で。


いま思えば、ちょっとくらい引き止めてほしかったのかな…とか、

「行くな!離れたくない!」って反対すればよかったのかな…とか思ってしまいます。


僕はちょうど就職して2年目を迎えるとき。

覚えなくてはならないことが多く、毎日のように残業でした。

当然、彼女からメールが来てても、仕事が終わった後の夜になります。

地元に帰って会えない寂しさから、何通も送られてくるメールに対して、僕の返信は夜の1つのみ。

よほど我慢ができなくなったのでしょう。

泣きながら電話してきて、「元彼と会う!」と言われたこともありました。


すれ違いが亀裂になり、その亀裂が修復不可能になるのに、そんなに時間はかかりませんでした。


もしあの時、強く引き止めていれば。

後悔していないと言えばウソになりますが、時間の経過とともに冷静に振り返ることができるようになりました。


その後の彼女の行方はわかりません。

今はただ、幸せに暮らしていることをねがうのみです。




今回の記事は、コッシーさんの企画に参加したものです🖐️

奥さんとは職場恋愛で、ドラマチックな展開があったわけではないので…

この機会に、前々から文章に残したいと思っていた「真夏の出会いから別れ」までの思い出話を書かせてもらいました。

コッシーさんの企画のおかげです、ありがとう😆

長い文章に最後までお付き合いいただき、ありがとうございました🖐️