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あなたのパワポはどっち?〜「メッセージ型」と「コンテンツ型」〜

みなさん、こんにちは。
資料デザインのリサーチや分析に取り組むパワーポイントのスペシャリスト、パワポ研です。

今日はパワーポイントの「使い方」に関するお話です。パワポと一口に言っても、プレゼンの際に補助的な役割として使われるものもあれば、後でじっくり読むために資料的な使われ方をしているものもあります。今回は、実際に公開されているスライドを用いながら、その具体的なデザインや目的の違いを解説していきます。

はじめに

パワーポイントを作成する意義は、自分の話したいことを補佐することに集約されます。口頭で全て説明することも不可能ではないですが、プレゼンする相手の納得感を向上させるためにパワポが使われるケースが多いです。どのようなパワーポイント資料でも、この点は共通しているはず(べき)でしょう。

一方で、パワーポイントを作成するうちにその意図がどこかに霧消してしまう、ということを経験したことがある方は多いのではないでしょうか。そしてその霧消する先はおおよそ、「これはもっと情報を詰めた方がよい」「こうすれば見栄えがよくなる」という気の迷いの先にある、「保存して、ずっと使われるような資料を作ろう」という点に集約される気がしています。

そもそもパワーポイントを作る目的は何だったのか。これが明確に定義されない状態で手を動かし始めると、ゴールを見失い、必要以上に作成に時間を要することになります。今回はビジネスで用いるパワーポイントを「メッセージ型」「コンテンツ型」の2つの用途に分類し、特徴を確認していきます。また、ビジネスシーンではあまり利用されませんが、「保存用」スライドについても最後に触れています。
それでは、さっそくそれぞれの例を見てみましょう。

1. メッセージ型パワーポイント

まずは、何枚かスライドをご覧いただきましょう。

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上記で示したのは、ベンチャー企業の採用説明会資料の一部です。ご覧の通り、一枚あたりの情報量はそれほど多くありません。例に上げたようなスライドに共通するのは、

文字が大きくて、見た瞬間頭に入る
図がシンプルで直感的なため、スライドの意図が理解し易い
細かい説明がほとんどないため、詳細を別途理解したくなる

ということです。これが何を意味しているかというと、「大人数を前にした投影型プレゼンに尖った資料」であるということです。つまり、じっくり膝を突き合わせて読み込んでいく資料というよりは、「会話のサポート」に特化した構成の資料であるといえます。
以下に、上記で用いたスライドの全体を示します。個別に解説はしませんが、上記で列挙したような特徴があることが、実際に理解できると思います。

(引用元)
Smart HR (会社紹介資料)
Mirrativ (採用候補者様への手紙)

2. コンテンツ型パワーポイント

一方で、「保存用」と混同しそうなコンテンツ型パワーポイントの例を紹介します。

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前段で示したベンチャー企業のそれと、明らかにスライドの種類が異なることが分かります。その特徴は、以下のようになっています。

・これでもかというほど情報が盛り込まれている
・比較的文字が小さい(最小12 pt程度)
メッセージを読めばスライドに書いてあることが理解可能

特に三つ目の「メッセージを読めばスライドに書いてあることが理解可能」という部分が重要です。単に保存を目的とした資料では、こうはいきません。また、それぞれのスライドにメッセージが確実に存在する、というのも特徴の一つでしょう。

結局、このようなスライドでも「説明したい相手が読んで、その相手のアクションを促す」ことを目的としています。実際に、こういったパワーポイントを使った説明会では、ほとんど「読むようにして」プレゼンを実施します。持ち時間が一時間あるとすると、じっくり40分ほど説明に時間を費やし、その後質疑応答、という流れになることが多いでしょう。

(引用元)
BCG (日本の中長期ビジョンの検討に関する調査)
ATKeraney(リスクマネー供給及び官民ファンド等に関する国際比較調査研究)

3. 「保存用」パワーポイント

ビジネスシーンではあまり利用されるケースはないものの、保存用パワーポイント資料についても簡単に紹介しておきます。

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いかがでしょうか。これでプレゼンをしろと言われると、私は若干たじろぎます。概ね学校の授業などで使った便覧や資料集などの補助教材に近いという印象を受けたのではないでしょうか。その特徴は、以下のようになっています。

・スライドに占める図や数字の割合が多い
・図に説明がないことが多いため、一見するとスライドの意図が分からない
メッセージがないものもある

実際、上記の資料を公開しているシンクタンクなどの業界は、「調査結果を報告してくれ」といった依頼を受けることが多いです。研究者の論文、つまりは調査研究成果に類似したアウトプットになるので、時間のタイトな商談などには向きません。プレゼンが必要であれば、情報を抜粋した上で、あらためてスライドを作成する必要があるでしょう。

もっとも、調査結果だからといって他の資料に劣るというわけではありません。上記のような資料は、「保存版」として多くの人に閲覧されるわけですから、それに耐えうる情報量が必要です。また、あくまで客観的な調査結果なので、必要以上の示唆を出さない、というのも特徴の一つでしょう。

(引用元)
野村総研(日本企業の国際競争力強化に関する調査)
三菱総研(石油産業体制等調査研究)

まとめ

今回、パワーポイントの3つの型を紹介しましたが、ビジネスシーンで重要となるのは「メッセージ型」のパワポ「コンテンツ型の」パワポになります。この二つに優劣はありません。重要なのは、自分がどちらのタイプの資料を作っているか自覚して作成するべきだ、ということです。前者の資料を作っているのに内容を盛り込みすぎたり、後者の資料を作っているのに軽いコミカルなタッチのスライドが出てきたりすると、受け手は違和感を覚えます。

そういった意味で、あらかじめストーリーラインを作成するなどし、それがぶれないような形でスライド作成を行うべきでしょう。
下記の資料作成本などもご参考に。

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