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【パワポ研の決算資料探訪20】ニトリ決算説明資料は「凝り」が少なく読みやすく、真似しやすい

企業の決算説明会資料について解説するこのシリーズ。前回大変好評をいただけましたので、おかげざまでこの度シリーズ19回目を迎えることができました(好評だった初回Goodpatch様の記事は以下)。

今回も見どころある企業の決算説明資料について紹介させていただきます。
対象とするのは、「株式会社ニトリホールディングス」。言わずと知れた、インテリアの小売業等を展開する株式会社ニトリやホームセンター大手の島忠を傘下に持つ企業グループの持株会社です。

株式会社ニトリホールディングス 2023年3月期 第2四半期決算説明会
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それでは早速見ていきましょう。

表紙

自社サービスを全面に押し出す表紙は定番です。おそらく、ほぼ商材しか映っていないのではないでしょうか。業態の強みですね。

連結業績概要

文字が大きく、そして余白が極めて少ないです。これ以外のページも、余白がほぼ存在しないスライドが続きます。

余白が少ないスライドは、あまり一般的ではありません。情報過多になりすぎて読みづらくなったりするためです。しかしこの場合は、掲載されている情報はあまり多くはなく、その心配もありません。

連結キャッシュ・フロー

そしてとにかく文字が大きいです。表でこの大きさというのは大変珍しいのではないでしょうか。1つ前のスライドも文字は十分大きいのですが、このスライドはそれを上回ります。

文字を大きくするのは(普通はそうしないため)勇気がいりますが、この通り読みやすさが格段に向上します。

既存店前年比推移

余白が少なくグラフが2本、そして文字が大きめ。おそらく投影することを前提としている資料(一般的な16:9やA4の紙面幅ではなく、4:3の画面に対応した表示であるため)と思われます。その意味では、遠くの席の人からでもよく見えるようなよいスライドと言えるでしょう。

また、グラフ毎に色とマーカー(〇や△のプロット)も明確に分けられており、これも遠目から見分ける工夫です。おそらく、プレゼンの際には「オレンジ色のグラフをご覧ください」などの発表があったかもしれません(全く実態は分かりませんが)。

商品開発

単純に、メッセージに応じた画像を張り付けたのみです。特段の加工などを行わず(おそらく、自社のカタログなどから切り出したもの)、素材をそのまま張り付けています。見た目をもっと調整したい人はいるかもしれませんが、これでも十分にスライドとしては機能します。

アプリ会員数

グラフを用いる場合も、極力文字やグラフそのものの大きさを大きくしています。味気ないように思えますが、濃い緑のハイライトの部分も含め、非常に理解しやすいスライドになっています。工夫が少ないのも、また工夫のうちです。

Nプラス事業

自社で使える画像などがあれば、最大限使いましょう。わざわざきれいな画像を作成することはないですが、もらって使えるものがあれば(そしてそれがきれいであれば)それに越したことはないです。何百の言葉を並べたり、スライドの構成を考えたりするよりも、写真のインパクトは大きいです。

ニトリグループのSDGs

これも潔いスライドのうちの一つですね。SDGs関連では、凝ったスライドが世の中に多いですが、これは上記で紹介したスライドを同じく、左右に写真を2枚配置するに留めています。内容と実態が大事なので、そこまで画面に拘らなくてよいわけですね。

また、左右ともこれもやはり店頭などで使われた画像ですので、完成度は高いです。

まとめ

正直なところ、技術的にかなり優れた決算説明資料かと問われると、答えに窮します。しかし、読みやすく、そして誰にでも真似できそうなものとしては白眉です。パワーポイント資料作成に不慣れな方には、ニトリ社のスライドはとても参考になるはずです。ともするとあまりに簡単に作っていることの度が過ぎて不安になるかもしれませんが、少なくともこの事例に限れば、自社で作成した画像などを上手く活用することで、その印象をぬぐえています。

手の込んだオリジナリティ溢れる資料よりも、少し古く見えるかもしれませんが、今回紹介したスライドを真似するほうが、よほど思いは伝わるでしょう。

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