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【マネしたい】かっこいいパワポの表紙10選

皆さんこんにちは。日々パワポの研究をしているパワポ研です。

突然ですが、「ジャケ買い」という言葉をご存じでしょうか?

"ジャケ買い(ジャケがい)とは、レコード、CD、DVD、本などのメディア商品を内容を全く知らない状態で、店頭などで見かけたパッケージデザインから好印象を受けたということを動機として購入すること。 ジャケット買いとも。 同様の過程を経て借りるときにはジャケ借りという言葉が使われている"(Wikipediaより)

要するに、CDや本などを、ジャケットや表紙の印象で「これいいじゃん!」と言って買うことです。もちろん、ふたを開けて「これはちょっと……」と思うことをあります。しかし、売る側からすればとにかく買ってもらうことが大事なので、ジャケ買いしてもらえるように、クリエイターは創意工夫を凝らしています。

例えば、ビートルズのアビイ・ロードのジャケットはあまりにも有名ですね。横断歩道のジャケットだよ、と言えば多くの人がイメージできるのではないでしょうか。

一方で、パワポ作成において、表紙をあまり重要視することは少ないでしょう。作る際にも、そこまで表紙には気は配りませんよね? ビジネスなので、もちろん中身が圧倒的に大事です。

しかし表紙がイマイチの場合、やっぱり中身も期待しづらいと思う方はビジネス界にも一定数います。特に、株主向けの決算報告資料では、まず社長なり喋る方が登壇して、表紙を画面に投影してプレゼンテーションを始めます。ともすると、社長が登壇するまで5分も10分も表紙が投影され続ける、ということもあるかと思います。すると待っている人は否応なしに表紙を眺め続けることになり、その印象が多少なりともその後のプレゼンの感想へと繋がるということは、少なからずあるのではないでしょうか。

ということで、本日はジャケ買いならぬ表紙読み(?)を狙うべく、良い表紙の作り方を解説していこうと思います。

良い表紙の作り方

さて、まずは表紙に必要な要素を以下に列挙します。

・企業名(企業ロゴはマストではない)
・掲載時期(例えば決算説明会資料の場合は、決算期 等)
・資料名(会社紹介資料、株主向け決算説明資料 等)

この3つでしょうか。思いの他少ないですね。情報がごちゃつくのは表紙として芳しい結果を生まないので、最低限これだけあればOKでしょう。


そしてあったほうがいいかもしれない、あるいはあってもよいかな、という項目は以下になります。

・企業ロゴ
・メッセージ(特に、提案資料等の場合)
・キャッチーなイラストor写真
・執筆者orプレゼンター名

こんなところでしょうか。いずれも、マストではありません。前述の通り、あまりごちゃつくのは避けたいので、スペースなどが許せば、というところです。

さて、上記の情報を盛り込んでよい資料を作ろうとするとどうするかというと……

既存のよさそうな資料を参考にしてください!

ということに尽きます。

はっきり言って、表紙を作るというのは他のスライドを作るよりも奥が深く、工夫の余地は無限大です。グラフィックデザイナーの持ち分であることが多いので、一介のビジネスパーソンが手を出すと、直ぐに深みにはまって、結果的に妙に独特な、「うーん、これは……」というものが出来上がります。下手の考え休むに似たり、の典型例になってしまうでしょう。なので、素直に前例に従えば、120点を出すのは難しいですが、70点の表紙を作ることは、そこまで難しいことではありません。

もちろん、丸っきりコピーするのは著作権的な文脈で問題があります。しかし、フォーマットを参考にすることは、誰も文句は言わないでしょう。そもそも、世の中のパワポ資料の表紙で、それほど独創的なものはありません(ZOZOの決算説明資料のように独特なものもないわけではないですが……)。ほとんどの表紙が何かの模倣に近い状態になっているので、構図を参考にすることは全く恥ずかしいことではありませんし、また何かに抵触することもほとんどないでしょう。言い出してしまえば、あなたが今作っているようなスライドでも、無意識的に何かの模倣になっているかもしれません。

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(ZOZO社の決算説明資料の表紙。流石にこの構図をそのまま拝借すると、何かしらのお咎めが発生しそうです)

ということで、残りの紙面では参考にしやすく、また見栄えもよい表紙をご紹介します。

良い表紙の例

KDDI社

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シンプルでいいですね。通信系企業というブランドイメージを右側の大きな図に託しており、どういう企業なのか、そして今後どういった未来にしたいのかが一目でわかります。情報も必要十分記載されています。

前章で”参考にしましょう”と言ったのは、例えばこういうように左側に必要な情報を寄せて、右側に写真を貼る、という構図です。当然写真をそのまま拝借してしまっては問題になるでしょうが、構図を参考にする程度では誰も怒りはしないでしょう。

2020年3月期決算説明会資料より引用

グッドパッチ社

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以前個別記事で紹介した通り(リンク)、決算説明資料の出来栄え全般に素晴らしいGoodpatchですが、表紙も多分に漏れず素晴らしい出来です。特に、イラストと背景が青系統に統一されているので境界があえて曖昧になっているのがよいですね。そうすることで、白抜きハイライトで諸々の情報が記載できるので、他社と差別化が図れる表紙になります。また、境界があいまいなことで、違和感なくイラストも溶け込んでいます。写真がドン、と配置してあると、場合によっては受け手は目がちかちかするかもしれないので。

2020年8月期通期決算説明会資料より引用

Link-U社

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前述のGoodpatch社の項目で、白抜きは文字が目立つと記載しましたが、このLink-U社も同様に白抜きの文字を活かすように背景を橙にしています。コーポレートカラーの赤系統の色を上手くつかっているのがよいですね。また、橙のバックグラウンドではロゴが埋もれてしまうので、外周を灰色系統で一周し、そこにロゴを配しているのもワンポイントと言えるでしょう。

2020年7月期第4四半期決算説明会資料より引用

三井住友フィナンシャルグループ

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こちらの記事でも紹介した通り、三井住友FGも資料全般素晴らしいです。特に表紙は、Link-Uと同じくコーポレートカラー(緑系)を上手く使っている印象です。また、左側の緑や黄色のラインは格好良いです。ですが、こちらは少し真似するのは難しいでしょう。同行は、デザイナーを上手く起用して良いデザインにしているはずです(それ自体は悪いことでは全くなく、真似るのが難しいな、ということです)。

2019年度投資家説明会資料より引用

ソフトバンク社

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黒白黒のボーダーラインは同社のブランドロゴそのままですね。表紙に上手く活かしていると思います。坂本龍馬が率いた海援隊の旗印がモチーフ、と同社HPに記載してあるとおり、同社にとって意義深いブランドイメージを表紙に盛り込んでいるのは、見る人には好印象を抱かせるでしょう。

2019年3月期決算説明会資料より引用

トピー工業社

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上記ソフトバンクと似た構図の表紙です。ここから分かるのは、ソフトバンクのようなブランドイメージがなくても、3つのボーダーで表紙を構成するのはそれほど悪い選択肢ではない、ということです。欧州国旗などでもよく見かける構図ですね。

なお、同社は上段にロゴ、下段には独特のフォントで企業名を記載しております。こういったワンポイントの工夫があると、更に良い表紙と言えそうですね。

2019年3月期決算説明会資料より引用

イグニス社

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スライド全体から伝わる力強さいいですね。パワーポイントのテンプレートのような表紙ですが、手がかからないというコストパフォーマンスを鑑みると、よい表紙と言えるのではないでしょうか。もちろん、何の会社か分からないなどの問題はありますが、あくまで株主向けの決算説明資料なので、分からずとも問題はそこまでないでしょう(これが、プロダクト説明資料や転職者向けの企業説明資料だと大いに問題アリですが)。デザインだけ見ると、OK! という表紙です。

ちなみに、イグニス社は主な事業に「マッチング」「エンターテック」を抱えている、テクノロジー系の企業です。

2019年9月期決算説明会資料より引用

メタップス社

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これもシンプルでいいですね。手が(それほど)かかっていなくて、かつ必要な情報は見やすい。イラストというのはとっつきやすい印象を与えるので、CGや写真よりも柔らかい一枚になります。上述のイグニス社の表紙もシンプルなものでしたが、与えるイメージは結構違います。

特に、イラストでは透過度の高い色を用いて、文字を阻害していないのがポイントです。ともすると、イラストを挿入する場合は「せっかく書いたから、見せなきゃ!」と思いがちですが、あくまで補助的なものということを、改めて実感できます。

ちなみに、メタップス社はマーケティング関連事業、ファイナンス関連事業をアジア圏で展開する企業です。

2020年12月期第2四半期決算説明会資料より引用

いちご社

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四角四面、というと表現が悪いですが、不動産関連事業を主として展開している同社では、このくらいのカチっとした表現がふさわしいと思います。余計なイラストや写真は完全に排して、必要最低限の情報のみを記載しています。だからといって、別に悪い表紙だとは誰も思わないでしょう。頭を悩ませすぎて、表紙の装丁に迷ったら、このパターンを採用してもよいかもしれません。

また、右下のESG関連のロゴがワンポイントとして、表紙に色どりを添えています。なければ、もっと殺風景なものになっていたかもしれません(それでも問題はないのですが)。

2021年2月期第2四半期決算説明会資料より引用

NTTドコモ社

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おそらくドコモ単独としてはこれが最後の株主向け説明会資料になるでしょう。ほぼこのフォーマットで通してきた同社ですが、これもシンプルで必要十分ですね。ポイントは、コーポレートカラーの赤色で、上段の当期や枠線を記載していることでしょうか。これが黒色だと、少し地味すぎて印象は悪くなっていたかもしれません。デザイナーの粋ですね。

2020年度第2四半期決算説明会資料より引用

まとめ

全部で10例示しました。株主向け説明会資料の表紙と言えども、思いのほかバラエティがあるな、という印象ではないでしょうか。はっきりいって、正解はありませんので、冒頭に述べた通り「これは!」と思う表紙を参考にして、同様に作成するのが費用対効果の面で優れていると思います。

もちろん、真似すると今一つ、という例もあります。ここで挙げるのは憚られるので、以下に特徴だけ列挙しておきます。

・そもそも文字が見づらい
・スペース(空白)が余り過ぎている
・事業や決算そのものと関係がない画像(従業員の集合写真等)
・画像が粗い
・日付など、必要な情報が不足している

こんなところでしょうか。他にも、いろいろな表紙を見て「これはダメだな」と感じたものに関しては、反面教師として理解すればよいでしょう。

繰り返しになりますが、自分でゼロから作る必要は全くありません。良いものを真似して、悪いものを反面教師として理解することで、それなりのデザインを作っていきましょう。おそらく、この記事をお読みになっているのは本職のデザイナーの方ではないはずなので、「それなりに」というところを大事にしていただければと思います。たかが表紙、されど表紙ということで、突き詰めればとても深い話になってしまいますので……。

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