スライドの基本形 ~スライドって何で出来ているんだろう~
みなさんこんにちは。
資料デザインのリサーチや分析に取り組むパワーポイントのスペシャリスト、パワポ研です。
本日はスライドの「基本要素」をご紹介したいと思います。というのも、日々色々なスライドを見る中で、「ちょっとこれは見づらいな……」というようなスライドが散見されるためです。ワードではなくパワーポイントを使ってプレゼンするのはいいのですが、ある種のルールを守らないとワードより余計に見づらくなってしまいます。
そこで今回は、スライドを作成する際、万人が採用すべき基本的な「型」を解説していきます。もちろん、スライド作成でも応用系というのはありますが、これに関しては次回以降に解説できればと思います。それでは早速見ていきましょう。
スライド作成に必要な要素
さて、そもそもスライドを作るにあたって、必要な要素を考えてみましょう。といっても、普段作成する際には無意識的にこの要素を入れていることが多いと思います。しかし、無意識的では全てを毎回網羅することは難しいため、ここで改めて必要な要素を洗い出します。
メッセージ:スライドで伝えたいこと
タイトル:スライドを”一言で”まとめたサマリ
ボディの説明:メッセージを支えるボディの説明
ボディ:メッセージを支えるボディ(グラフやイラスト、ワード等)
脚注・出典:ボディ等の注釈や、ボディの出所を記載
意外に少ないと思われるかもしれませんが、この5つでいいんですね。それぞれ実際のスライドでざっと確認していきましょう。
スライドの基本フォーマット
ある架空の企業の会社説明資料から抜粋したスライドになります。今回はこちらをベースに解説していきます。
まず、スライドのメッセージ。一番目立つ部分に記載しています。スライドのフォーマットによっては、一番上の水色の部分にメッセージを記載しているものもありますが、この場合はあまりお勧めできません。文字が小さくなるからですね。また、メッセージは白地に黒に近い文字で書くのが常套手段でしょう。もし一番上に配置したい場合は、文字を大きく(24 ptくらい)にして、目立つようにするべきでしょうね。
また、メッセージは体言止めにした方が分かりやすいです。例えば、この文章が「ヘルスケア・飲料・食品の3区分で構成する売上は継続増加している」と書かれていた場合、この「している」という部分は何も意味を持たないワードになるので、メッセージが濁ります。もっと言えば、余計な装飾が入ることで文字の大きさを小さくせざるを得ないかもしれません。体現止めは日本語技法として強調表現であるとともに、文字数を少なくすることが出来るという意味で、メッセージにふさわしいと言えます。
スライドタイトルは、前述の通りスライドの上部に配置しています。実際のところ、スライドタイトルというのはそこまで重要ではありません。資料全体のストーリーの骨組みがしっかりしているかつ、ボディのタイトル(後述)がしっかりしていればここはなくても資料としては成立します。最悪スペースが不足した場合は削ってしまってもやむを得ないかもしれません。あったほうがいいのは間違いないですけどね。
ここもメッセージ同様簡潔な表現を目指しましょう。できれば、というより確実に単語、あるいは複数の単語であるべきです。ここで「文章」の形態をとることの意味は全くありません。
ボディの説明です。ここもタイトルと同様に、基本的にはシンプルに単語を並べるだけに留めたいですね。一口に単語を並べる「だけ」と言っても、限られたスペースで端的に説明できるような単語を選ぶのは、それなりに手の込んだ作業になります。このスライドはそこまで難しくはないのですが、もっとボディが複雑になると、この「端的に」ということの難しさを知ることになります。
さて、ボディです。スライドの面積の7割くらいがボディに相当するので、ボディこそがスライドの本丸かと思いますが、あくまでここは”メッセージを支えるもの”という位置づけです。なので、メッセージに沿うようなものが備えられているかが、そしてそれに必要十分かという目線で要素を確認しましょう。
ボディは上述の通り、グラフであったり図であったり、あるいはワードであったりします。例のスライドでは、左側がグラフ、右側がワードですね。いずれも、必要十分な情報量になっております。情報が”不足”しているということは、一般にはあまりありません。むしろ、情報過多という状況の方が多く見られますので、そういった目線で確認した方がよいでしょう。例えば、左のグラフに営業利益や営業利益率が書き込んであれば、それはメッセージに対するノイズになるので、取り除かなくてはなりません(あるいは、メッセージを変更するか)。そういうさりげない情報過多は、結構な頻度で見られます。
また、右側は簡単な各事業の説明ですね。正直なところ、何かを言っているようで何も言っていないに近いワードになっているように見えますが、ここの3セクションの詳細は次頁以降で確認することなので、一旦は(このスライド上では)これでOKです。情報量の少なさに怯える必要はありません。
このスライドは、左右の2パネルに分割して表現されていますが、これが分割がない場合もありますし、3つ4つに分かれている場合もあります。一般には2つが書きやすいフォーマットかと思いますが、場面に応じて最適なものを選択すればよいでしょう。
最後に、脚注と出典ですね。これに関しては特段コメントはありませんが、一つだけお伝えしたいのは”いつも同じ場所に配置すること”です。スライド毎に右にあったり真ん中にあったり……というのは、見ている側として気が散るでしょう。本来脚注や出典は、情報としては必要がないものであるはずなので、端の方で目立たない形にしておくのがよいのではないでしょうか。時折、何行も脚注が書かれているスライドがありますが、その場合は脚注を解説するスライドを一つ起こしたほうがいいと思いますね。多分、その中にもメッセージはあるはずなので。
なお、出典は可能な限り記載するべきです。意見を述べるときや自社商品の紹介などは別ですが、基本的にはスライドは何かを説得するためにあるので、その根拠は分かりやすく示されて然るべきでしょう。無論、大体的に表記しろという訳ではありません。「ちゃんと根拠がありますよ」ということを示せば十分なので。
まとめ
スライドの構成要素について、基本的な解説をしました。返す返すになりますが、この基本を守ったうえで、破って、離れていくというのが常套です。この基本より効果的な表現技法がある場合に、そうした+αの手段を用いるべきですが、ビジネスにおいてそういった場面はそれほど多くないと考えてよいでしょう。少し見た目が退屈だから、といった「なんとなく」な理由で、いたずらに基本系を崩すべきではありません。
今後、上記を踏まえた上での応用系のスライドも解説出来ればと思います。お楽しみに!
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