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「5枚のパワポ」でいつでも使える「会社紹介」を作っておこう

みなさんこんにちは。
資料デザインのリサーチや分析に取り組むパワーポイントのスペシャリスト、パワポ研です。

今回は、社会人の皆様なら一度は使ったことがある「会社紹介資料」について簡単に作り方を解説します。
「簡単に」というのは、がっつりした会社紹介資料はおよそ20~40枚あっても足りない、ということもありますが、必要最小限なら5枚程度の資料でも十分な場合なことある、という意味合いの「簡単」です。なので、作るのはややもすると少し難易度が高いかもしれません。

それでは早速見ていきましょう。サンプルとしては、パワポ研謹製の資料を活用します。

1. 企業概要

スライド0

割合情報量が簡素な資料です。このスライドは、種々の資料に汎用的に添えることができる概要資料の典型版と言ってもよいでしょう。ただし、注意点としては「メッセージ」がないため、何かを言いたい場合には不適なスライドであるということです。もしメッセージを打ち出したいなら、別のスライドを作成することをお勧めします。

なお、項目については、「会社名」「設立日」「代表者」「資本金」「所在地」「従業員数」「事業所(店舗)」「取引銀行」「連絡先」「子会社」「主な事業内容」が記載すべき項目で、この中で適宜取捨選択することが望ましいです。

ポイント1:Excel表よりもオブジェクト
このように、一見「表」のようなスライドは、Excelシートを張り付けた方が、確かに早く作成できます。しかし、細かなデザインを少しでも気にしたいのであれば、一つ一つオブジェクトとして記載することをお勧めします。その方が編集の自由度が高いからです。

ポイント2:手の込んだ資料にはしたくない
再三になりますが、このスライドは「メッセージ」がありません。ということは、そこまで重要なスライドではないということです。そのため、このスライドのように最小限の装飾でなんとか処理することで、効率的に作業を終わらせたいですね。手間をかけずに良いスライドを作りましょう。

2. 沿革

スライド1

沿革とは、これまでの事象を時系列で表現したものです。したがって、企業の「これまでの経緯」は企業紹介には欠かせないため、ほぼ必須のスライドになります。このスライドも、前頁と同様に無機質に表現することもできましたが、事実の羅列という同じ様式のスライドが続くことは避けたかったので、ポップな表現を採用しています。この表記では情報量は(文字のみのスライドよりも)限定的になりますが、時系列の流れは追いやすいでしょう。

ポイント1:同じ形式のスライドを続けない
上記でも少し触れましたが、同じようなフォーマットのスライドの連続は可能な限り避けたいですね。なぜなら、人の集中力はそこまで高くないからです。高速道路の運転で眠くなる(人がいる)のは、同じような画面が続くからだというのと同じです。

ポイント2:情報が「多い」のは、常に「善」ではない
なお、青色の吹き出しを「イベント」、それ以外を「ポイント」として情報を区分けしましたが、不要なら中央の青色の吹き出しだけでも全く構いません。情報が多いと読者が迷うこともあります。思い切って削るのも一つの手です。

3. ボードメンバー

【Chap.2】5枚-①

ボードメンバー、つまりは経営層の紹介のスライドになります。実際のところ、このスライドが重視される場面は限定的です。例えば、大企業の場合はボードメンバーの素性はそこまで重要ではありません。一方で、中小企業の場合でも、取引先への会社紹介で、自社の役員の紹介が効果的な場面もあまり想像できないです。このスライドが活躍する場面は、おそらく投資家や就職希望者向けに、メンバーの人となりを紹介する場面が主になるでしょう。

ポイント:紹介するならキャッチーに
上記のように、「人となりを知ってもらう」場面で活躍するスライドです。そのため、丸く切り抜いた顔写真を使ったり、また趣味などを追記しましょう。それにより会談は和やかになることが予想されます(保証はできませんが)。

4. 売上高推移/事業現況

スライド3

1枚で会社の規模感と主な事業を掴んでもらうためのスライドになります。主なメッセージは定量的な数値になるので、あまりくどくどと定性的な話をするべきでないでしょう。定量的なデータは多くの資料で必須であるため、汎用性の高い一枚と言えます。なお、言うまでもありませんが、汎用的なスライドフォーマットを採用する(=テンプレを使う)場合は、諸々の数(この場合は事業の数)に応じて、スライドの構成を変更する必要があります。スライドの枠組みに合わせて情報を曲げないようにしましょう。

ポイント1:いいところだけを見てもらう
このスライドでは売上は伸びているので問題はありませんが、もしも売上が厳しい状況の場合は見せ方を工夫する必要があります。例えば、売上以外の指標に注目するような構成にする、といった手法が考えられます。

ポイント2:定量データは出し過ぎない
こういった形式のスライドでは、併せて「営業利益」あるいは「営業利益率」のデータを掲載したくなるかもしれません。しかしこのスライドでは「売上の拡大」がメッセージなため、他のデータを掲載し過ぎると、メッセージが濁ってしまうため活用には注意が必要です。

5. 主な受賞・実績

スライド4

前のページ(売上推移)を決算に表れる評価とするなら、こちらは決算に表れない評価を記載したスライドになります。IR資料ばかり見ていると売上推移の方が重要に思えますが、例えば営業資料に組み込む会社紹介資料を作成したいなら、顧客にはこういった評価の方が刺さるかもしれません。また、売上推移よりも「堅くない」スライドであるため、画像やアイコンなど、評価を示す適切な工夫を施すべきでしょう。昨今のSDGs的文脈にも沿った、案外汎用性が高い一枚です。

ポイント1:評価される内容はなんでもよい
どのような種類でも、実績や表彰があればそれを記載するべきです。実際のところ、他人が提示してきた資料をまじまじと見ることは少ないです。「なんかよさそう」という事実があれば、閲覧者は外的な評価があることで安心を覚えます。一昔前に流行ったモンドセレクションのようなものですね。

ポイント2:アイコンやイラストは手を抜く
あった方がよいけれど、なかなかスライドに入れ込むのが面倒なのがアイコンやイラストです。自社商材の透過画像などは社内にあることが多いので、ゼロから作り出すことはせずに他人の力を活用しましょう。

枚数を少なくすることに拘り過ぎない
昨今、紙を印刷して顧客に持ち込むことは減った。そのために、強引に少ない枚数にするメリットはほぼ失われたと言ってよい。企業紹介のような「興味がない人は一切見ない」テーマならば、思い切って枚数を増やすのも一つの手だ。その方が資料を構成しやすい場合も多々あるだろう。

全体の流れ

スライドを全て見たこの時点で、位置づけなどを確認しておきましょう。

この5枚は、ごく一般的な会社紹介資料になります。もちろん、前述の通りこの5枚で会社紹介に必要な全てを語り尽くすことはできませんが、営業資料や事業紹介の末尾に追記する程度と考えると、定量・定性情報両面で充実している本資料程度で十分でしょう。定量・定性両面で示す定番の企業紹介
紙面と言えます。

全体の流れとして。まず1ページ目で企業概要を紹介します。そしてその流れで沿革に進みますが、これは企業概要の延長ないし補足の位置づけで、それに続くメンバー紹介も同様です。この3枚で定量的な情報を実例として紹介し、その後は定量的な情報を評価として紹介します。本資料では、売上推移や他社評価を定量情報として紹介していますが、他に紹介すべき情報があれば代替して構いません(例えば、別に営業利益推移でも構わないわけです)。

プレゼンの際の注意点

「メッセージ」を伝えることに注力しましょう。つまり、メッセージがない序盤2枚は軽く流して、メッセージがあるスライドを重点的に解説するべきかもしれません。さもなければ、言いたいことにあわせてスライドを変更したほうがよいでしょう。

ただし、商談やピッチではコミュニケーションがどう転ぶか分かりません。企業概要の所在地で「昔そこに住んでたよ!」で盛り上がるかもしれませんし、また沿革で「そのころからお付き合いがあってねえ……」という回想に突入する場合もあるでしょう。臨機応変に対応するために、この5枚くらいは汎用的な会社紹介資料として、用意しておくと色々な資料に転用できて大変便利です。

総論(資料の特徴や作成上の注意点)

会社概要をフルパッケージで紹介しようとした場合は、前述の通り40枚前後の資料が(よほど中身のない会社でない限り)必要となる場合もあります。その中から(この資料のように)5枚を抜粋するというのは、なかなか難しい作業になるでしょう。もしもロングバージョンの資料が手元にある場合でも、「抜粋」という方法ではなく、自分から5枚全く新しい資料を作成する気持ちでパッケージングしたほうが、ストーリー的にはうまく流れるような資料になるはずです。もしそこで、その40枚の中に「たまたま」あなたが求めるスライドがあった場合には、それを活用するに越したことはないですが、あくまで新しく作ろうという気概が肝要です。なぜなら、資料で提示したいメッセージは毎回異なり、今回のあなたのケースでもそれは例外ではないからです。

なお、枚数を少なくすることに拘り過ぎないことも肝要です。
昨今、紙を印刷して顧客に持ち込むことは減りました。そのために、強引に少ない枚数にするメリットはほぼ失われたと言ってよいでしょう。企業紹介のような「興味がない人は一切見ない」テーマならば、思い切って枚数を増やすのも一つの手です。その方が資料を作りやすい場合も多々あるだろう(無理に3枚とかに盛り込む方が難しかったりします)。

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