【パワポ研の決算資料探訪26】Feedforce社の決算説明資料におけるイラストはテイストが多様
企業の決算説明会資料について解説するこのシリーズ。前回大変好評をいただけましたので、おかげざまでこの度シリーズ26回目を迎えることができました(好評だった初回Goodpatch様の記事は以下)。
今回も見どころある企業の決算説明資料について紹介させていただきます。
対象とするのは、Feedforce社。気鋭のデジタルテック系の企業です。
それでは早速見ていきましょう。
表紙
今回はイラストにフォーカスしてコメントをする予定です。
個人的には、あれだけイラストを使うのなら表紙も少しイラストちっくにしてもよいのでは……とも思いますが、会社の方針なのでしょうか? イラストがあるところまでたどり着くまで、あえて淡々としたスライドを掲載することで、盛り上がりを演出する意図かもしれません。
連結業績概要
実際、業績を解説するスライドも一切遊びがありません。
連結売上高四半期推移
グラフスライドも、派手にしようと思えばもっと派手にできるはずですが、そうしません。他のスライドも同様です。
ディバイダー
章立てを分けるスライドも同様です。コーポレートカラーのグリーンの中でも、特に濃い系統の色を利用します。
ANAGRAMS
ところが、自社サービス紹介のページになるといきなりこの派手で目立つイラストが用いられます。ちなみに、ここに出ているキャラクターはフィードフォース公式のキャラクター「feedくん」と「forceちゃん」とは全く異なります。グループに新規に参画したサービスということもありますが、結構独自の世界観のキャラクターとイラストです。
正直なところ、このキャラクターがいなくとも、このスライドは成り立ちますし、むしろ文字やサービスイメージ画像などをもっと増やせるという観点では、情報量は少なくなってしまっているでしょう。しかし、こういったイラストがあることで、キャッチーな印象を与え、読み手にインパクトを残します。実際、これまで淡々としたスライドが続いていた中でこのような(コーポレートカラーとも違う)イラスト中心のスライドが出てきて「おっ!」と思いました。作戦成功(?)と言えるでしょう。
ecbooster
引き続きサービス紹介。だいぶテイストの違うイラストです。全くテイストが違うことを見ると、イラスト担当者が違うような気がしますね。おそらくサービス紹介の別資料から引用しているイラストかと思いますが、それを効果的にこのスライドに当てはめていますね。ただし、文字も含めて画像データをそのまま強引にパワーポイントに当てはめている都合上、拡大すると少しジャギジャギして見えてしまいますが、そこまで大きな問題ではないでしょう。
むしろ、ちょっと文字が小さいほうが気になるかもしれませんね。見えなくはないですが、プレゼン資料であれば12ptくらいの大きさは欲しいかもしれません。先ほどのスライドと対比すると、より意味のある画像や文字情報を多く掲載していますが、見ている人の印象に残るのはどちらか……というところです。
dfplus.io
こちらもサービス紹介のスライド。タッチが前の「ecbooster」と似ているような気がします。こちらは少し一部の文字が大きくなり、文字というよりイメージで勝負するスライドになっています。なんとなくサービスの意味は分かりますね。
social plus
大分イラストが減ってきました、というかほぼないですね。文字が小さくて細かい説明に終始したスライドです。これはこれで目的がサービスとビジネスモデルの解説なので、意図にあったフォーマットと言えるでしょう。別段、全てにイラストを使う必要はないのです。
FRACTA
ここでいきなりモノトーンなスライドになってきました。これまでのスライドとあえてギャップを作ったのでしょう。ストレートに申し上げれば(私の理解力が低いせいなのでしょう)イラストの意味は全然分かりませんが、なんとなく格好良いので、それはそれでいいのではないでしょうか。読み手もそんなにイラストの細かい意味まで確認はしないでしょう(誰も「アップルはなんでリンゴのマークなの?」ということをいちいち決算書で気にはしません。
SHIPPINNO
またフォーマットが変わりましたね。左側にサービスの説明、右側に3Dっぽい図(最近流行っています)を備えています。こうしたデジタル系のサービスでは、3Dっぽいイラストが似合います(マトリックスのオープニングのようなデジタルデジタルしているものよりも、最近は本当によく見かけます)。
1つの資料の中にたくさんのテイストのイラストが混在していますが、そこまでごちゃつき感・違和感はありません。おそらく、登場回数が限定されているからでしょう。
Omni Hub
これは商流のイメージを解説したスライドになります。おそらく、プレゼンの際は相当口頭での補足が入るスライドでしょう。ただ、読み手には「どんなサービス」かは伝わりますので、自身のPCで調べてください、という細かい話は割愛するスタンスですね。
どこポイ
これはイラストというよりは、アイコンで主に構成されたスライドになります。これまでとは随分テイストが異なりますが、これなら非デザイナーでも(もしかすると)作れる領域かもしれません。背景の色もこれまでと全く違い、テイストが随分異なりますが、ここまで全てのスライドが異なるフォーマットですと、そういうものだと読者は受け入れやすいです。
まとめ
とにかく色々なテイストのイラストちっくなスライドが登場しました。フォーマットは随分異なるものが多いのに、不思議と読みづらさはなく、むしろ印象に残るものが多かったように思えます。今回紹介した以外の、資料の残り40枚ほどのスライドはあまり主張が強くないので、全体を通じてみると、よりこれらのスライド群の存在感が浮き上がると思います。
イラストを実際に書くことも含め参考にするのは難しいかもしれませんが、時に思い切った構造のスライドを何枚か挿入しても、それほど違和感はないということが、この資料の示唆と思えます。
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