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中国輸入×資金繰りの教科書~規模拡大に失敗しないための2つのルール~

専業で中国輸入をしているコサットです。

さっそくですが中国輸入をしている方に質問です。

「お金、増えてますか?」

順調に増えてます!という方は今すぐこの記事を閉じて中国輸入を続けてください。

あなたはこの記事の内容をすでに理解し実践されている方です。時間の無駄になってしまいます。

「実は資金繰りに悩んでいます」
「もっと効率よく規模を拡大したいです」
「正直増えてないしむしろ減っています」
「融資を引くしか思いつきません」

そんな方だけ読み進めてください。

では始めます。

突然ですが中国輸入をしているあなたは"経営者"です。

「いやいや、私はまだ法人化してません」

というツッコミはなしです。

法人化してなかろうと個人事業主だろうと副業だろうと主婦だろうと、中国輸入をしているということはあなたはすでに経営者です。

資金を準備し、市場リサーチを行い、ページを用意し、商品を仕入れ、出品して売れたら発送し代金を受け取る。

これが中国輸入、まさに経営の縮図です。

私は中国輸入はしてるけど経営者ではないというのは矛盾しているのです。規模は関係ありません。

1円でも動かしているならあなたは経営を行っているということです。

自分のことを経営者と思ったことがなかったという方はまずは自分が経営者であることを自覚してください。

そうでないとここから先の話が全く頭に入ってこないと思います。

では次の質問です。

「経営者の仕事とは何ですか?」

・・・

まず大前提として売上を上げることですよね。

売上がないと経営はできません。特殊なケースでない限り売上を下げようとする経営者はいないです。

世の中の経営者は売上を上げようと必死に頑張っているのです。

では次の質問。

「なぜ売上を上げなければいけないのですか?」

2秒だけ考えてみてください。

・・・

「利益を出すため!」

と思った人はすでに黄色信号が灯っています。
まさにこの記事を読み進めなければいけない人です。

今のままでは中国輸入で豊かになるどころかどんどんお金が減っていくでしょう。

売上を上げるのは利益を出すためではありません。

利益を出しても倒産する企業はたくさんあります。
黒字倒産という言葉は聞いたことがあると思います。

では売上を上げる目的は何なのか。

・・・

答えは、資金を増やすためです。

書いてみると当たり前のように見えますが実際に「資金を増やす」ことを意識しながら中国輸入をしている人が一体どれほどいるでしょうか。

売上や利益ばかり追っていませんでしょうか。
ましてや発送数に気を取られていませんでしょうか。

利益というのは資金を増やす手段のうちの1つに過ぎません。

利益は手段
資金が目的

経営は資金を増やすことを第一優先に行わなければならないのです。

なぜ?

企業が倒産・廃業に追い込まれる唯一の理由は、「資金がなくなった」からです。

極端な話、どれだけ赤字だろうと資金があれば潰れません。毎年赤字でも潰れるどころか事業を拡大している企業はたくさんあります。

なぜそんなことができるかというと「資金があるから」に他なりません。

つまり経営者であるあなたが中国輸入をする上で考えるべきことは

1.資金がなくならいようにすること
2.資金を増やすこと

この2つです。

今日からこの2つを最大の経営課題として掲げてください。

ノートに書いてもいいし付箋をPCに貼り付けてでもいいのでこの2つを頭に焼き付けてください。

1.資金がなくならいようにすること
2.資金を増やすこと

今回の記事ではこの2つを掘り下げていきます。
限りなく具体的な方法で今日からあなたの中国輸入プレーヤーとしての実力を底上げします。

中国輸入で上手くいっている人とは売上が多い人ではありません。利益が多い人でもありません。

もうお分かりですよね?

資金を上手に増やしている人こそが本物のパワーセラーだと私は捉えています。

どれだけ売上を増やそうと、利益を増やそうと、資金がなければ仕入れもできません。

外注を使うこともできません。レベルの高いデザイナー様に画像作成の依頼をすることもできません。

ましてや自分への報酬を出すこともできません。

経営は資金が全てです。

資金さえあれば経営はうまくいきます。
失敗しても挽回できます。
何とでもなるのです。

一方で資金がなければ何もできません。
資金がなくなれば終わりです。

「なので融資を引いて資金を増やしましょう!」
とかそういうことではありませんよ。

本noteの内容を理解していない限り融資を引いたところでそれはただの

延命措置

でしかありません。
時間がたてばまた資金繰りに困ることになります。

SNSでは派手な人が目立ちます。

「売上○○○万円達成しました!」
「今日の発送は○○○件です!」

全てどうでもいいことです。
何の意味もありません。

分かって発信しているのか本当に凄いことだと思い込んで発信しているのか知る由もありませんが、

本質は「資金は増えているか?」ということです。

見せかけの数字に惑わされず、地味だけど着実に資金を増やしている隠れパワーセラーを目指す方は続きを読み進めてください。

では本編に入ります。

1.資金をなくさないためのたった1つの方法


東京商工リサーチによると、2020年の倒産件数は7,773件あったとされています。

その内、赤字倒産の割合が53.2%に対して黒字倒産は46.8%とのこと。

このことから赤字倒産と黒字倒産の割合はほぼ同じであると言っても過言ではないことがわかります。

思ったより黒字倒産をする企業が多いと思いませんか?
それだけ黒字倒産とは珍しくないということです。

実は黒字倒産という言葉は中国輸入と密接な関係があります。

黒字倒産が起こる兆候・原因にあるのが「資金繰り」です。

仮に利益が出ていたとしても、特に融資を引いている人は手元に資金がなければ倒産します。金融機関に返済ができないからです。

例えばこういうことです。

売上による入金(売掛金)・仕入による支出(買掛金)のタイミングは異なります。

仮に600円で仕入れた商品を、1,000円で販売したとします。


利益は売上高1,000円-売上原価600円=売上総利益(粗利)400円


ですね?

ところがamazonやヤフショのようなモールで販売している場合、売上金の入金日は決められています。

今日の売上が明日に入金されるわけではありません。

よって、現金の収支は掛け売上のため売上時には収入が無く、商品の仕入により手元の現金が600円減ってしまっている状態です。

利益は400円出ているのに、すでに資金が600円マイナスになっているということです。

こういったズレ(資金繰り)が積み重なり、結果として黒字倒産に陥ってしまうのです。

利益が出ているのに仕入れや返済に使うお金がない。

中国輸入の規模を大きくしていく過程で100人いたら100人がぶち当たる悩みです。

この悩みを最も簡単に解決する方法が融資ですが、先述の通りこの記事は融資で資金を増やす重要性を説くものではありません。

もっと本質の部分まで掘り下げていきますのでそのまま読み進めてください。

繰り返しますが中国輸入は資金がなくなったら終わりです。

個人の場合は退場、法人の場合は倒産です。

すでにサラリーマンを辞めて独立している場合は死活問題です。
家族もいる場合は路頭に迷うこともあり得ます。

世の中には資金繰りに失敗して自ら命を絶つ経営者だっているのです。

そんな地獄みたいな状況にならないための考え方は1つです。

・資金2分割法


読んで字のごとく、持っている資金を2分割するという意味です。

資金が50万円の人は使える資金は25万円。
資金が300万円の人は使える資金は150万円と考えます。

資金を2分割し、片方だけを使い、もう片方には手をつけない考え方です。

そもそも資金の半分は無かったものとして捉えます。
持っている資金の半分で経営をしていくのです。

なぜ半分置いておくのか。
理由があります。

まず融資を引いている人は毎月の返済があります。
返済に充てるための資金を残しておくというのは誰しも理解できると思います。

では融資を引いていない人も半分残しておかなければいけないかというと答えはYESです。

中国輸入をしていくにあたり、いつもより多く仕入れなければいけないタイミングが来ます。

例えば5月の労働節(約1週間)、10月の国慶節(約1週間)など、中国にも長期休暇があります。

その最たるものが1月〜2月にある中国最大のお休み、春節です。

カレンダー上ではお休み期間は1週間とありますが、工場から人がいなくなる時期を加味すると最低でも1ヶ月はお休みがあると認識しておく必要があります。

中国輸入をしたことがない方にはイメージしずらいかもしれませんが、中国では休みが明けたからと言って工場が一斉に稼働し始めるわけではありません。

春節明けというのは人によって職場復帰するタイミングが違うのです。

人によっては1ヶ月休む人も珍しくありません。
中には春節と共に蒸発する人もいるのです。

結果的に春節明けの工場には必ずと言っていいほど人手不足が発生します。

春節前後というのはまともに工場は稼働しないというくらいで捉えておいた方が良いでしょう。

これの何が問題かというと、我々のような中国輸入セラーは春節前に約2〜3ヶ月分の仕入れをしなければいけないということです。

ということは?

いつもより多くの資金が必要ということになります。

長期休暇だけではありません。

本noteを執筆している2022年は中国側で1週間単位のロックダウンが頻発しています。

9月の時点で今年はすでに数回のロックダウンがありました。

ロックダウンになると代行業社も止まるので実質仕入れが不可能になります。

ではどうするか。

ロックダウンは急に発生するわけではなく事前に兆候が読めます。

日々のニュースをチェックしていれば中国の情勢も把握しやすいですし、普段から代行業社の担当とコミュニケーションを取っていればロックダウンになりそうということを教えてくれます。

私はこれまでもロックダウンの兆候が見えたらすぐに多めの発注に切り替えて在庫切れを回避してきました。

ロックダウンになりそうだということがわかればいつもより多めに仕入れるしかないのです。いつ仕入れが再開できるかは分かりませんので。

今までの傾向からしてロックダウンの期間は1週間が多いですが、2週間になる可能性だってあるわけです。

長期休暇でもないのにもし急に2週間仕入れができないとなると致命傷になりかねません。
売上が激減するということです。

でも安心してください。

資金2分割法を守っていれば緊急時の仕入れ資金が足りないなんてことにはなりません。

"非常時のためにとっておく"

これが置いておいた半分の資金の用途です。

もし普段から資金をフルで使っていたらどうなると思いますか?

本当に必要な時に資金がないという状況に陥ります。少し上手くいかなくなっただけで融資の返済すら危ぶまれます。

そんな危なっかしい経営は絶対にしてはいけません。

大事なことなので繰り返します。

・持っている資金の半分で経営していく
・もう半分には手をつけない
・手をつけない資金は返済および非常時だけに使う

これが資金2分割法の考え方です。
今日から誰でもできますよね。

「ちょっと資金を使いすぎちゃってる」

あるいは逆に

「資金を寝かせすぎちゃってる」

と思った人はすぐに考え方を修正してください。

規模が大きくなってくると「ここまでは使っても大丈夫だな」というラインが自然にわかるようになってきます。

毎月の仕入額や売上、利益の数字が蓄積されていき統計できるようになるからです。

お金の出入りが見えるようになってくるということです。いわゆる"キャッシュフロー"です。

毎月のキャッシュフローが安定してくると、新規商品を投入して攻める時期や、資金を貯めるために規模の拡大をストップすべき守りの時期がわかるようになってきます。

その経営感覚が掴めるようになるまでは必ずこの資金2分割法を守ってください。

資金がなくなったらゲームオーバーです。

中国輸入を始めて1年以内で退場してしまう人は、資金繰りの方法がわからずお金が減っていって怖くなって退場していくのです。

資金2分割法を守っている限り資金がなくなることはありません。

この考え方が初心者の資金繰りの御守りになるはずです。

2.資金繰りを改善する3つの方法


さて、ここからが本noteのメインになります。

実際、中国輸入で資金を溶かすまで攻める人はそう多くないと思います。

FXをしているわけではないので、中国輸入をしている人にとって

「資金をなくさないようにしましょう」

というのはあまりにもハードルが低い話でしょう。

正直ここまでの内容は"当たり前の話"です。
できている人の方が圧倒的に多いはずです。

但しここから先の内容は意識していない人の方が多いでしょう。

中国輸入をしている方にもう1度質問です。

「お金、増えてますか?」

なかなか増えてませんという人はそもそもの焦点がズレているかもしれません。

中国輸入で資金を増やす方法は3つだけです。

1.出資調達
2.融資調達
3.利益調達

説明します。

1.出資調達

出資調達とは周りの家族や友人、あるいは何かしらのビジネスパートナーなどに資金を出してもらう調達方法です。

私が個人的に仲良くさせていただいている同業仲間には実際に出資調達で中国輸入をしている方もいます。

周りの人からの出資で毎月何十万もの利益を出しているのが面白いところ。

何を隠そう私も親から実家の物置を貸してもらって倉庫として使わせてもらっています。

外部で倉庫を借りようとすると10数万円の固定費はかかってしまいます。その家賃代を出資してもらっていると考えるとこれもある意味では出資調達と言えるかも知れません。

実際に同業者の話を聞くと実家の一部を使わせてもらったり家族に手伝ってもらったりしている人は少なくありません。

単純にお金を出してもらうという捉え方とは少し違いますが、出資調達は中国輸入において決して珍しい話ではないです。

ただ、この出資調達は3つの調達方法の中でも最も天井が低いでしょう。

人に出資してもらうというのも限界がありますし、そもそも選択肢に入らない人も多いと思いますが、検討する価値は大いにあります。

2.融資調達

勘違いしている人も多いですが、中国輸入をするに当たって融資は"必須"です。中国輸入と融資はセットです。

たとえ1000万円以上の貯金があろうとです。

中国輸入は金融機関から融資を引くことができます。これは他の副業にはない大きすぎるメリットです。

自分のお金を使わずに他人のお金(銀行のお金)で仕事ができるというのは資産形成のスピードが加速することを意味します。

加えて低金利のこの時代です。

仕入れが必要な中国輸入において、融資を引くことが許される上に低金利であることから、融資を引かないという選択肢はないのです。

融資を引かない人というのは無借金経営が良いことと勘違いしている人か、単純に怖いからのどちらかだと思います。

前者の場合は無借金の場合と融資を引いた場合の成長スピードを試算してみてください。

ここまで読んでいるあなたならもうお分かりのはずですが、経営の目的は"資金を増やすこと"です。

どちらがより効果的に資金を増やすことができるかは一目瞭然になるはずです。

後者の"怖いから"という人もここまで読んでくださっているなら大丈夫ですね。

資金2分割法を忠実に実践していただければ怖くはないですので。

中国輸入で融資を引かないというのは目的と手段が真逆を向いている状態を意味します。

目的と手段は同じ方向を向いて初めて前に進むものです。

本noteを読んで初めて経営の目的は資金を増やすことということに気づいた方もいらっしゃるでしょう。

もし目的を見失っていた方はすぐに公庫に相談することをお勧めします。

ただし融資にも限界があります。

無限に引けるなら1億だって引きたいと個人的には思いますが、そういうわけにはいきません。

取引できる金融機関も限りがありますし、融資は引けば引くほど返済額が膨らみます。

返済額と事業の成長スピードが合わなければ返済に苦しむことにもなります。

中国輸入において融資調達は必須ですが、出資調達と同じく限界があるのです。

3.利益調達


最後に利益調達です。
聞きなれない言葉だと思います。
私が勝手に名付けただけなので。

利益を出す=資金を調達している
という考え方です。

冒頭で利益は資金を増やす手段だと述べましたが、
この利益調達のことを指していたということです。

利益調達のメリットは、限界がないことです。

いくら調達しても構いません。
無限に調達できます。
限界なしです。

この利益調達こそがあらゆる資金調達の王道中の王道です。

詳しくは後述します。

長い長い前置きはここまでです。

本noteはこの利益調達に焦点を当てて徹底的に掘り下げていきます。

中国輸入でどうやってより資金効率を保ちながら規模を拡大していくかということです。

先に断っておきますが、ここから先を読んだら誰も知らない錬金術のような裏技が出てくるわけではありません。

世の中の経営者は当たり前に知っていることですし、知っていなければいけないことです。

でも、できてない人があまりにも多いのです。
そうでないと世の中にこれほど黒字倒産が多いはずがありません。

なぜ資金繰りに困るのか。

どこをどう意識しながら経営をしていけば上手に規模の拡大ができるのかわかっていないからに尽きます。

ここから先は会計用語も数字も出てきますが、中国輸入で気にしなければいけない会計用語はごくわずかです。

数字については中国輸入をやっていくなら苦手と言ってる場合ではないので腹に落ちるまで何度も読み返してください。

以下の内容を意識しながら中国輸入をしていくかどうかで、何となく雰囲気で中国輸入をしてなかなか成長できないセラーと、確信を持って効率よく規模の拡大ができている本物のセラーに分かれます。

後者になることができればとんとん拍子で成長していけるでしょう。

では本noteのメインテーマ、中国輸入における利益調達の考え方を紹介します。

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