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【覚醒】香水専門店Celesによる、パルル モア ドゥ パルファムの「ウェイクアップ ワールド」レビュー

こんにちは。ネット香水専門店でSNS運用を担当している立井です。
前夜祭のフェスも終わり、東京は冷える日も増えてきました。涼しくて過ごしやすい、快適な気候が増えるとありがたくはありますが、玄関の扉を開けるまで服の選択が正しいかわからないのは悩みどころです。ちなみに、私は半袖を選んで後悔しました。

さて、今回も最近Celesでリリースした香水のレビューをお届けします。
前回レビューしたのはル ラボの「パチュリ 24」。スモーキーでお洒落な、大人のみなさん向けの香りでした。気になる方はこちら。

(立井)
(前略)ウイスキーが薬品臭することに驚愕しています。

(阿部)
立井さん、梅酒しか飲めないですもんね。
私もウイスキー愛好家の中ではまだまだひよっこですが、ラフロイグ、アードベック、ボウモア、オクトモアが好きで家に常備しているピート狂いにはたまらん香りなのです。(動悸)
ああ、ジュースの色もアンバーなウィスキーにみえてきた……!!

(立井)
なにか始まっちゃいましたね。

私もダイナモ人生始めたいです

「パチュリ 24」は、好きな人はとことん好きそうですが、香水初心者には少し取っつきづらいかも……という感じの香りでした。少なくとも、まどマギが11年前の作品ということを未だに受け入れられていないような私にはまだ早かったです。

そんな今回は、9/4(日)にリリースしたパルル モア ドゥ パルファムの「ウェイクアップ ワールド」をレビューします。

Parle Moi De Parfum – Wake Up World
パルル モア ドゥ パルファム – ウェイクアップ ワールド)

世界に暗い影を落としたパンデミック。この世界が狂ってしまったかのように思うのはあまりにも簡単です。変化のために多くの犠牲が払われ、私たちは十分に苦しみました。世界的調香師ミシェル・アルメラックのファミリーが創造したこの香りは、私たちに優しく、そして力強く語りかけます、「目を覚ませ」と。苦痛を経て、新たに目覚める世界と人々へ捧げる真新しいフゼアノート。性別を超えて深く肌と心へ刻まれるこの香りは、グリーンアップルにターキッシュローズ、ブルボンバニラ、トンカビーンズ、肌馴染みの良いアンブロキサンで構成されています。無数の試行錯誤が繰り返され誕生した、ハウスの自信作です。

夜空のような暗い色のボトルが美しいですね。推しが重めの闇を抱えがちな私としては、既に概念っぽくて最高です。てか香水名「ウェイクアップ ワールド」ってなに? 人類石化させたろか?
これはいったいどんな香りなのでしょうか。


ブランド説明

まずはブランドのご紹介です。
今回紹介する香水のブランドはParle Moi De Parfum(パルル モア ドゥ パルファム)。パルルと聞くとアイドルしか思い浮かばない方も多いのではないでしょうか。

クロエやディオール、ボンドナンバーナインなど、人気フレグランスを手がけてきた世界的に有名な調香師ミシェル・アルメラック氏とその家族により、2016年9月にパリ・マレ地区に設立されたメゾンフレグランス。

長年の経験と匠の技により、200以上から成る香りの素材を芸術的に組み合わせて、モダンかつ象徴深い香りを生み出しています。
「PARLE MOI DE PARFUM」は日本語で”香りの魅力について語り合いましょう”という意味。
ブランド名にはフレグランスに対する熱い思いが込められています。

アイドルではなかったようですね。parlerはフランス語で「話す」の意らしく、エリザベス・スワンがパイレーツ・オブ・カリビアンで「Parley(パーレイ)」と叫ぶシーンが腑に落ちました(そもそもの由来はギリシャ語らしいです)。こういうのが言語の面白いところですよね。まあ言語学の成績はBでしたが……


レビュー

それでは香水のレビューに入りましょう。


コンセプト

その名の通り、「目を覚ませ!」がコンセプト。2022年に発売されたパルル モア ドゥ パルファムの最新作です。
従来は透明のボトルでしたが、この香水はパリの店舗と同じ深いネイビーのボディになっています。お洒落ですね。ちなみに香水名やロゴは少しざらざらしていて、触り心地がとてもいいです。

さて、パルル モア ドゥ パルファムの香水名の最後にある数字、気になりますよね。
あれは香水を作るにあたっての試作回数を表しているんだそう。たとえば「パルル モア ドゥ パルファム – ミルキー ムスク」であれば39回。ですが「ウェイクアップ ワールド」は、調香師ミシェル・アルメラックが試行錯誤を重ねているため∞(無限)となっています。
∞がついているとはいえ、関ジャニの亜種ではなかったっぽい。残念。(?)


香りについて

アイドルが頻出する中恐縮ですが、そろそろ本編に入ります。

今回レビューするのは、こちらの2人。

フレグランススタイリストのさやかさんです(香水強者)
ラッシーをデロデロに甘くする立井です(香水初心者)

きっとちょっとずつ鼻が良くなってきてるよね……と日々祈る程度の香水初心者が、素朴な感想を香りのプロにぶつけるのがこのレビューシリーズです。結局率直な感想が一番伝わりやすいですからね(必死の自己弁護)。

それでは香りを試していきます。


あれ、意外に清涼感はない? 思ったより目は覚めなさそうですね。


目覚まし時計で目を覚ます瞬間というより、カーテンから漏れ出た光で自然と目覚める感覚のほうが近いかもしれませんね。
トップのベルガモットが、そんなすっきりと目が覚める感覚を表現しています。


なるほど、毎日iPhoneのアラームを大量にかけているような私とは目覚め方が違ったみたいですね。
ベルガモットが入っているそうですが、あまりシトラス感はありませんね。


ベルガモットのあとに出てくる、肌馴染みがいい甘さ控えめのフゼアのせいでしょうか。 個人的には、フゼアがマニッシュ過ぎないのがかなり好印象です。メンズフレグランスだと派手に転びがちなムスキースキンの女性にも受け入れられそうです。


「自分、香りわかるんで^^」みたいに通ぶって話を進めようとしたのに、急にわからない単語が群れで襲ってきてびっくりしています。


流れ変えましょう! ほかにはどんな香りを感じましたか?


花系の甘い匂いがちょっとしました!


おそらくローズですね!
ミドルにはターキッシュローズのエッセンシャルオイルが広がり、バニラとアンブロクサンが残ります。華やかな香りが好きな私には、特にローズが目立って感じますね。


そうなんですね! 私の鼻ではまったくローズっぽさを見つけられず……というか、いわゆる”ローズ香水”っぽいローズっぽさがないのがすごく不思議です。


そこがまた素敵なポイントなんですよ。ローズが決して悪目立ちせず、香り全体にさりげない華を添えてくれているんです。
ローズをまといたい男性の方は候補に入れてみてはいかがでしょうか。


なるほど、逆にそのさりげなさが魅力なんですね。
あと、このうねりがある感じの甘み、どことなくエタ リーブル ド オランジェ – ゴースト イン ザ シェル」に似ている気がします。コンセプトに引っ張られているだけかもしれませんが……。


クマリンでしょうか? 桜餅や練り切りのような、白い餡のような甘さですよね。


(和菓子をほとんど食べないので同意ができない……)
なんというか、モワっとしていて、化学的に甘い成分を入れましたみたいな……そんな甘さを感じます。


パウダリーな感じでちょっと人工的な甘さ……立井さんが伝えたいこと伝わってますよ! 確かに、そういう面では「エタ リーブル ド オランジェ – ゴースト イン ザ シェル」に似ているかもしれませんね。


伝えたいことが伝わるって、こんなに嬉しいんですね……


お祝いの紅白餅


おすすめのシーンや使い方はありますか?


「目を覚ませ!」と呼びかけられている香りなので、仕事や勉強のモチベーションを上げたいときにぴったりです。猛暑の疲れが出ている私の、どんよりしている心と体に喝を入れてくれています。


となると、気持ちがうだりがちな夏向けの香りだったりするのでしょうか。


いえ、そんなことはありませんよ! 季節を選ばないため、集中力を高めたいときの定番の一本としてもおすすめです。


なるほど。お坊さんに棒で叩かれる系ではなく、テストを早く解き終わってひと眠りしていたら、残り10分になって裏面にも問題があることに気付いた系の覚醒を促してくれそうですもんね。
ほかにも、この香水についてアピールしたいことがあればぜひお願いします!


「ウェイクアップ ワールド」は、マスキュリンとフェミニンのどちらにも偏らない、究極のジェンダレスな香水という点も魅力です。ぜひ目を覚ましたいときにお使いください。


ありがとうございました。ぜひ参考になさってください!



おわり

ということで、「ウェイクアップ ワールド」をレビューしてきました。
名前から受ける印象と実際に試してみての印象が(個人的には)かなり違って面白い香りでした。「目を覚ませ」とは肉体的覚醒ではなく、精神的覚醒を指しているような気がします。映画『マトリックス』で赤いピルを選ぶ瞬間のような感じですね。
ぜひ皆さんもこの香りを試してみて、世界の目を覚ましたり世界に目覚めさせられたりしてみてください。


よくある論争に少しだけ首を突っ込みますが、表現された創作物だけを見て創作物を楽しむことってかなり難しいですよね。どういうコンセプト(背景)でそれを創ったのか、どんな素材でつくられているのか、どんな人が創ったのか……そういった情報があるからこそ読み解ける要素もありますし、そもそも創作物というのは創作者の自己表現のひとつの形です。

香水も同じで、どういった思いでつくられたのか、どんな香料が使われているのか、誰が調香したのかを知ることで、より深く楽しめるのではないでしょうか。行間を読むのが大好きな方は香水に向いているのかもしれません。しらんけど(初心者特有の責任放棄)


それでは、次回の記事をお楽しみに。
皆さんもよき香水ライフを!









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