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【アウトレイジャス!!!】香水専門店によるフレデリックマルの「アウトレイジャス」レビュー
こんにちは。ネット香水専門店CelesでSNS運用を担当している立井です。
とある事情でここ3日くらい食事制限をしています。序盤はテレビの「チョットおいしい朝ごはん特集☆彡」みたいな番組がとてもつらかったのですが、3日も続くと一周回ってご飯の画像を見ると気持ち悪くなるようになりました。ゼリーと卵スープしか食べてないんだぞこっちは!!
さて、今回も最近Celesでリリースした香水のレビューをお届けします。
前回レビューしたのはセルジュ ルタンスの「ラルリジューズ」。コンセプトが激重なこともあり、心がモヤモヤさせられる香りでした。気になる方はこちら。
(立井)
なんかどんよりした感じがしますね。埃をかぶった暗室みたいな……
(阿部)
(中略)この香りはすごく不思議で、気分にかなり左右されるように感じます。自分の心の中にある邪悪さが香りにあらわれたかと思えば、愛にあふれている日は清らかに香り立ちます(なにいってんだ)
(立井)
(いま遠回しに「お前は心の中が邪悪だ」と言われた……?)
香水のプロは初心者には思いつかないようなワードで香りを表現されますね。それをうまいこと嚙み砕いて、たくさんの人に伝えられたら立派なレビュワーです。早くそれになりたい。
そんな今回は、8/7(日)にリリースしたフレデリック マルの「アウトレイジャス」をレビューします。
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(フレデリック マル – アウトレイジャス)
キーンと冷たい、ブラジルの国民的なカクテル・カイピリーニャにインスパイアされた香り。トップにはベルガモットとタンジェリン、シナモンに惹き立てられた爽やかな酸味が特徴のグラニースミスのような青りんごが弾け、やがてベースにあるひんやりと肌なじみのよいアンブロキサンがクールな色気を演出します。ビーチ沿いに流れる軽快な音楽とダンス、波の音、若者たちの笑い声と行き交う欲望が溶け合うビビットな感情とエネルギーに支配された「アウトレイジャス=素晴らしい!」。アウトレイジャスは、少しばかり乱暴で逸脱したニュアンスを含むのが若者らしく、フレデリック・マルはこの香りを”クリーンなセックスアピール”と呼んでいます。
黒いラベルに赤いタイトル……目に優しくないですね。ですが「目に優しくないが、俺はこれで行くが?」という強火の主張も感じます。
これはいったいどんな香りなのでしょうか。
ブランド説明
まずはブランドのご紹介。
今回ご紹介する香水のブランドはFrederic Malle(フレデリック マル)。名前が長くて苗字が短い系の名前、スタイリッシュでかっこいいですよね。私もイーハトーヴォ・タテイになろうかな?
数々の名香を創り上げてきたラグジュアリーパルファムの先駆者フレデリック・マル。
そんな彼は編集者として寄り添い、モーリス・ルーセル、オリヴィア・ジャコベッティ、ジャン=クロード・エレナなど世界最高峰の12人の偉大な調香師に、マーケティング戦略や時間・原料・コスト等の一切の制限を取り払って創作させています。
そして生み出された、”真のラグジュアリー”パルファムの世界を鮮やかに蘇らせた芸術作品の数々をお愉しみください。
香水ブランド、ラグジュアリー追求しがちですね(心配しなくても香水はラグジュアリー品だと思うが……)。ともかく、一切の制限を取り払って調香師に創作させるというブランドのスタンスはとてもかっこいい。それで実際に世の中で評価されているのだから、さらにかっこいい。早くこれになりたい。
レビュー
ルサンチマンが暴発したところで、さっそく香りのレビューに入りましょう。
コンセプト(生い立ち?)
「アウトレイジャス」の調香師は、「カルバン・クライン – エタニティ」「イヴ・サンローラン - パリ」「ランコム – トレゾァ」など数々の名香を生み出したソフィア・グロスマン。
バブルの雰囲気がする華やかなイメージの香りが多いですね。最近の香水にはない派手な甘さが特徴的です。香水に詳しくない方は、ダウニー(柔軟剤。RDJじゃないよ)のエイプリルフレッシュの香りを作った方、というとピンとくるかもしれません。ちなみに私はピンときませんでした。
余談ですが、今回一緒にレビューするスタイリストのさやかさんは、香水に目覚めた10代の頃はとても背伸びをしていて、少しでも大人っぽくセクシーに見られたくて「パリ」も「トレゾァ」も持っていたそうです。
「今思うととても恥ずかしいですが、香りに接するだけでグラマラスないい女に近づけると思っていたのです(笑)」
かわいらしいですね。私は10代のころ面白フラッシュと洒落怖にハマっていたというのに……
さて、アウトレイジャスOutrageousとは「無礼な、乱暴な、常軌を逸脱した」という意味の英単語ですが、若者の間ではスラングで「素晴らしい」という意味になっています。アウトレイジャス!!!(スゲェ!!!)香りってわけです。
アウトレイジと聞くと北野武の映画しか思い浮かばないので、「どんな野蛮な香りなんだ……」と内心ビクついています。アウトレイジで一番怖いシーンは歯医者でウィーーーーーーーーンってなるシーンです。
香りについて
これを機にアウトレイジ過去作全部観ようかなと思い始めたところで、そろそろ本編に移りましょう。
今回レビューするのはこちらの2人。
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そういえば明言していなかったのですが、立井は特に香水のプロでも何でもありません。おそらくCelesの利用者より香りに詳しくないです。食べ物が悪くなったにおいくらいしかわからない、ガチの初心者です。
そんな初心者の感想をプロの感想とぶつけるのがこの記事です。感想に優劣はないので、私のような香水初心者の皆さんも臆することなく感想を発信していきましょう!!
それでは香りを試していきます。
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あれ、めちゃくちゃスッキリした香りですね! さっぱりしていて使いやすそうです。
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そうですよね、ブランドイメージとタイトルから想像できないほど爽やかな香りです。けれどただ爽やかなだけではなく、ネロリが華やかさをもたらし、シダーとアンバーがセンシュアルに肌になじんでくれています。
お恥ずかしいのですが、個人的にフレデリック マルは敷居が高いと思い込んでおり、(若いころから名前だけは知ってはいたのですが)本格的に試すのは今回が初めてで……。
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え、そうなんですか! まあかくいう私も初めてですが……。強そうなボトルのイメージとは裏腹にシャンプーっぽい清潔感もあり、性別問わず好印象を演出してくれそうです。
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性別問わず! まさに同じことを感じていました。
この香り、ソフィア・グロスマン調香の従来の香水にはない爽やかなイメージですが、同時にジェンダレスな色気を感じました。
メンズ香水に興味がないソフィア・グロスマンによる、「素晴らしいメンズに近いフェミニンな香水」「好感度が高いのに特別感も得られる」唯一無二の香りでしょう。
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急に饒舌になって内心びっくりしていますが、調香師という観点から香水を楽しむのは香水強者ならではですね。
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驚かせてすみません。(笑)
さておき、立井さんはこの香り、肌にのせてみました? 私が自分の肌にのせたときは意外なほどに軽やかで、香りの変化が美しく感動してしまいました。
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はい! ムエットのときよりも、心なしかグリーンな感じがしますね。水辺で戯れているようなイメージが浮かびます。
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おそらくネロリとオレンジフラワーが出ているんだと思います! 立井さんの心の健全さが出ていますね。
私にとっての第一印象は「クール&セクシー」でした。香りが徐々になじんでくると、若者たちが踊っているような熱気を感じます。羽目を外すというよりも、あくまでもおしゃれに遊んでいるというイメージです。
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おしゃれに遊んだ経験がないので容易には同意しかねますが、確かにパリピ系の若者らしさではなく、どこか精神的なあどけなさを残した若者たちがモラトリアムを謳歌している、というイメージならわかります!
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立井さん、たまに文豪が出ますね。
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おすすめのシーンや使い方はありますか?
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カイピリーニャというブラジルの国民的カクテルがイメージとなっているので、バーでお酒を飲むときにぴったりです。
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すみません、バーに行く文化がない私みたいな方向けのおすすめシーンもお願いします。
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今のご時世、なかなか外出する機会がない方もいらっしゃいますものね。
目が覚めるようにキーンと冷たいミントとライムがリフレッシュさせてくれるので、意外にもオンタイムにいいでしょう。香りも比較的長く持つうえ、残り方が程よいのでおすすめです。
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すごく気を遣われた気がします。
さておき、確かにさっぱりしていながらもカッコいい感じの香りなので、出勤するときの武装アイテムとして使うのもよさそうです。
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また、クールな色気を醸し出すのでデートにもおすすめです!
ちなみに香り自体はひんやりした雰囲気なので、季節は夏がぴったりです。
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まさしく今の季節向けですね。
ぜひ皆さんも参考になさってください!
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おわり
ということで、「アウトレイジャス」をレビューしてきました。
つよそうなボトル・つよそうなネーミングから想像されるイメージとは全く違う爽やかな香りで、なんだか気持ちが大学生の夏に戻りました。ぜひ皆さんもこの香りを試してみて、皆さんにとって一番輝いていた夏の瞬間を思い出してください。
さて、今回はかなり丁寧めにレビューができたのではないでしょうか。とはいっても、「ネロリの香り!」「センシュアルな感じ!」と言われても、香りにあまり詳しくない方はイメージしづらいですよね。そういった方にも届くよう、これからも言葉を工夫して戦っていこうと思います。
けれど、前回の記事でもお話したように、伝わりやすさに全振りしてしまうと繊細な感情・表現は零れ落ちていってしまいます。必ずしも表現技巧にこだわる必要はない、ということを改めて自戒しつつ、今回はここで筆を置きます。
それでは、次回の記事をお楽しみに。
皆さんもよき香水ライフを!
※このnoteは、Celes公式の見解ではありません。
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