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影にみた希望

未曾有の災害時代を迎えた日本の前に、 どうせすべてが無力だとおもっていた。 哀しむことぐらいしかできなくて、 わたしは、偶然に生きているだけで、 彼らのためにできることなどないと、 沈んでいた。 ある日ふと父と立ち寄った美術館があった。 「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」 美しい夕焼けの影絵をみた。 宮沢賢治の言葉を引いた芸術家は、 その言葉を影絵に打ちつけて、 放射能にまみれながら、 美しい誰かの故郷を描いていた。 そらは黄金色で

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