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すべりこめ、玉手箱

二〇一七年二月四日土曜日

晴れ

こどもと、こどもを信じたおとながつくったお祭り。廊下を歩いていると、「六年二組来てくださーい」と看板を持って歩く男の子と女の子とすれ違う。と、すすすーっと「四年二組来てくださーい」と看板を持っている袖の長い黒いトレーナーの男の子が落ち着きなくひとりで宣伝している。階段には、二人でいっしょにダンボールの看板を持って歩く二年生の男の子と女の子。なんにも持たずに「_年_組やってまーす。来てください。(何年何組か忘れてしまった)」とぼそぼそ言いながら飄々と歩く男の子もいた。(彼のことがなぜだかなにより印象に残っている)

放送室のまえを通ると、さっきの二年生の子たちがどっちにいこうかときょろきょろしている。放送室のとびらをひらいた高学年のおんなのこが「PRタイム出る?」と声をかける。「え?いいの。」「いいよ。みんなやっているよ。おいで。」「うん。」PRをしたいひとは来てくださいと放送委員による番組も行われていた。

宇宙を表した三年二組。赤いトレーナーを着た男の子が「なんて言ったらいいんだろう。なんて言ったらいいんだろう。」とぽつりぽつり言っている。彼は案内係なのだろう。目が合うと、(窓いっぱいに貼ってある波ダンボールにあいているあなからそとのひかりが入り、星のようにみえる)窓を差しながら、「これは星にみえるように鉛筆であなをあけて工夫しました。」とおしえてくれた。「どこがたいへんでしたか。」と訊ねる。(黒い模造紙または布に白い絵の具で星座などが描かれているものが、ロッカーなどに貼られている。)ロッカーを指差して、「これを貼るのがたいへんでした。」と言った。ほかにも銀河鉄道、おおきな段ボールロケット、衛星、望遠鏡、黒板に描かれた惑星、時間のかかっただろうところなどはたくさんあったけれど、彼にとってはロッカーに設置するのがたいへんにかんじることだったのだ。こどもに訊いてみないとわからないことがたくさん。のんさんのおむつ替えなどとかさなって、あまりこどもにインタビューできなかったのは惜しいことをしたなと思うけれど、その男の子と話せただけでもよかった。

校長先生にその男の子のことを話すと、至るところに学びがそうやってあるんだよね、と。声をかけるのに成功する、一度でも成功できたら得るものがあるかもしれない。そういった可能性がたくさんあることがいい。と話されていた。こどもの学びの部分、すっかり欠如していたなあと校長先生のその言葉があたまのなかをめぐっていた。お客さんとしても、学びの機会を渡すことはできたのだなあ。


夜ごはんは、おむすび二つ。

朝ごはんにとつくった三つのおむすび。たべるタイミングを逃して、残った二つ、のんさんの夜ごはんのタイミングでぱくりとたべる。帽さんは打ち上げ。寝かせてから、別にごはんをつくってたべようと思っていたけれど、気がついたらいっしょに眠っていて、帽さんがふとんに飛びこんできたタイミングでほんの一瞬目が覚めまた眠った。

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