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アンジュルム コンサート2020 〜起承転結〜 船木結卒業スペシャル「私に泣かない魔法はかからなかった」と泣く顔が愛おしい

本当だったら今年の3月に卒業するはずだったのが、延期に延期を重ねて12月まできた。このまま年を越してもいいのになと思いながらも、本人的には年明けから心機一転、新しい人生を歩みだしたい気持ちもあっただろう。

なんとか開催することが決定した舞台は武道館だった。

寒くなってコロナの状況も悪化している中で、どこまで以前のようなコンサートが出来るのだろうかという一抹の不安もあったけど、結果的に「今できること」を全力で表現した素晴らしい卒業コンサートになったんじゃないだろうか。

アンジュルムのことが「大好き」ということを120%伝えるために船木結が選んだ曲は『帰りたくないな。』だった。

敬愛する先代リーダー和田彩花の卒業に合わせて、つんく♂さんが書き下ろしたアルバム曲が『帰りたくないな。』である。彼氏と離れたくないという乙女心を綴っている歌詞なのだが、なぜか僕らはアンジュルムのメンバーたちが手を繋いで帰宅している後ろ姿を思い浮かべる。

愛とか よく分かんないけど
安心 勇気とあたたかさ
いっつも 君からもらうたくさん
私の宝物

大好きだな

ひと言では言い表せないたくさんが詰まった「大好き」という言葉が、だから船木結からのアンジュルムへの全てなんだと思う。そして、ずっと観続けている僕らヲタクも同じように、なんだか疑似メンバーのような気持ちになって想うのだ。

最後の手紙でも彼女は溢れ出るありったけの「大好き」をメンバーに贈っていた。今まで卒業する子たちは明るく笑っていたけれど、船木結は違った。

「私に卒業していく人たちのような泣かない魔法はかからなかった」

そう、泣きながら話す彼女が最高に愛おしかった。

紡いでいく新たな想い

船木結の卒業とともにアンジュルムには新メンバーが3人加入した。

武道館でのお披露目はどんな感じになるかと思っていたが、まさかのスマイレージ『学級委員長』を3人で歌いだしたのに感動で震えた。近年なかなか歌われない『学級委員長』だが、初期スマイレージの可愛さの結晶のような曲で特に天性のスマイレージ声である松本わかなちゃんには初期スマの亡霊たちも宿主を見つけられたのではなかろうか。

そして、もう一つ演出として驚いたのが船木結とひとりずつメドレーで歌っていく、伝説の福田花音卒業コンサートを彷彿とさせる16分間だ。圧巻の自己プロデュース能力を見せつけた、まろ卒コンを船木結なりにアレンジして表現した曲選択は見事だった。

船木結がハロプロを知った最初の曲だとインタビューでも答えていたスマイレージ『チョトマテクダサイ!』を、ただ一人となったオリジナルメンバーであるリーダー竹内朱莉と歌う姿に、まず泣きそうになる。

上國料萌衣との『自転車チリリン』は「アンジュルム コンサートツアー2018春 十人十色 + ファイナル」でのメドレーで歌ったコンビの再現だった。

盟友・川村文乃とは「かわむーと言えば『Uraha=Lover』でしょ」という「分かっている」選曲。同期でもある彼女の魅力を存分に伝えてくれていた。個人的にも『Uraha=Lover』を歌う川村文乃が大好きだ。

伊勢鈴蘭と『鏡の国のひねくれクイーン』という選曲がまた、卒業前にバチバチと「やってんな!」合戦をしていた間柄を見事に踏襲してる。れらぴがりなぷのようだった。最近、頓に伊勢鈴蘭が勝田里奈の正統継承者となりつつある雰囲気がビンビン伝わってきている。アンジュルムの2代目オシャレ番長を襲名してほしい。

メドレーのラストは新メンバー3人との『寒いね。』だった。

ついこの前、発表された3人での『寒いね。』にはアンジュルムの可能性が詰まっていた。この3人が加入した新生アンジュルムは新たな「十人十色」を僕らに見せてくれることを断言できる。

現メンバーの魅力も全て伝えていく船木結のアンジュルム愛が具現化された多幸感に溢れる16分のメドレーだった。その行間からも彼女の「大好き」が聞こえてきた。

ありがとう。大好き。これからも応援します。

素敵な卒業コンサートでした。



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