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#マンガ

ジャンルを問わない個人的な2021年『このマンガがすごい! 』10選

今年も『このマンガがすごい! 2022』が発表された。 今年は『呪術廻戦』の藤本タツキ先生による衝撃の話題作『ルックバック』がオトコ編の1位。まあ、わかる。読んだ時の感情の揺さぶられ方はエグかった。モノ作りしている人間には刺さり過ぎて辛くなるくらい。 そういえばここ数年、『このマンガがすごい! 』におけるオトコ編とオンナ編というカテゴリ分けに関して、いろいろ議論が起きている。「いまどき性別で分ける意味とは?」という論争だけど、どこかで「分けることで、より多くの作品を紹介で

華麗に加齢な『47歳、V系』バンドマンの世界

V系、ヴィジュアル系が好きだ。去年までは日常的にライブハウスに通う日々だった。仕事帰りにスーツで高田馬場や新宿、渋谷、池袋へ息を切らせて行っていた。あの頃が、もう今は懐かしい。 2月に行った横浜アリーナでのナイトメア20周年ライブを最後に、もう半年ライブへ行っていない。何時になったら気兼ねなく当たり前にライブハウスに行けるようになるのだろう。あの日常の中の非日常的な空間に身を置く心地よさが、本当に懐かしい。 そんな中、Twitterでまた素敵なマンガに出会った。 若い頃

『夢中さ、きみに。』と『女の園の星』に見る令和時代の新しい“日常系”

最近は書店で新しいマンガに出会うより、Twitterの海で出会うことのが多くなった。これは本が売れなくなったこと、出版社が新刊を宣伝する体力がなくなったことと関係しているんじゃないだろうか。 編集部が(もしくは作者自身が)Twitterを使って1話分まるごとアップすることで“試し読み”の機会を作り出し、そこで話題になれば口コミでそのまま広がってくれるという流れが最近は主流になりつつある。 そう、まず読んでもらわないと始まらない。 その典型的なマンガのひとつが和山やま先生

ガンニバル

姉の友人 / ばったん

「#私を構成する5つのマンガ」で自分語りをしてみる。

「私を構成する」という括りでの5冊なので、僕の血肉になっているマンガを選んでみた。この5冊を骨格である『80年代の週刊少年ジャンプ』の上にまとって僕という人間が出来ている。 ■僕の進む道を決めた『まんが道(藤子不二雄A)』中学二年の時、学級文庫に『まんが道』の愛蔵版があった。もともとA先生のことは好きだったから手に取って読んでみて、その波乱万丈なマンガ人生と「トキワ荘の青春群像」に一瞬でやられてしまった。 『まんが道』が切っ掛けで映像クリエイトな仕事に就きたいと思うように

息が詰まる毎日だけど、息が詰まるような『進撃の巨人』が今、面白い。

『進撃の巨人』が凄い。最新31巻がとんでもない。 多様性なんて糞喰らえだと言わんばかりの排他的な選民思想と差別、排斥、ヘイト、過去の呪縛に正義という名の暴力と負の連鎖。現代社会の闇の部分を剥き出しの状態で見世物小屋のように読まされているような居心地の悪さで吐き気がする。 諌山創という漫画家はとんでもないマンガを生み出した。 30巻で一気にクライマックスへ突入し、その衝撃に惹き込まれ貪り読んでいるのだが、全く心が追い付かない。一周半くらい回って正義と正義がぶつかり合いなが

お薦めWebマンガを多様性の観点から選んでみた

マンガ大賞2020が発表された。 大賞は『ブルーピリオド』が受賞した。まあ、妥当だったんじゃなかろうか。意外と珍しい美術マンガという題材がキャッチーであり、かつ月刊アフタヌーン連載という癖の強さも併せ持っていて僕も大好きな作品だ。 しかし個人的には来年こそ天才・田村由美先生の『ミステリと言う勿れ』が受賞することを願ってる。今年は6位でした。 マンガというよりも舞台演劇を観ているかのような静かな会話劇の作品。ほとんど主人公の久能整(くのう ととのう)くんがひたすら喋ってい