春泥の子猫と片腕の招き猫
とある雑誌の特集で昔お世話になった動物病院のことを見かけた。保護猫活動もしている病院で、とても雰囲気もよく親身になって相談にも乗ってくれた。でも、ある日を境に足が遠のいてしまった。
もう6年前のことだ。夕方からディズニーにアフター6でも行くつもりで出掛けた時だったと思う。駅に向かう路地で、か細い猫の鳴き声が聞こえてきた。立ち止まりキョロキョロと辺りを見るとボロボロの小さな猫が電柱の隅にいた。
なんだかジッと見つめられ「助けて」という声が聞こえた気がして、僕らは近づいた。そ