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夏の日々

カーン、二人のグラスの音が響き渡った
合わさったグラスには海と虹が映り込んでいた
「これからずっと一緒かぁ」彼女は嬉しそうに指輪を見つめている
僕は残りの人生を彼女のために捧げようと心に誓った

彼女と出会ったのは、大学のカフェだったような気がする
遠くを見つめてボーとしていたのが印象的だった
何となく声をかけようかと思ったが、切っ掛けが無くてそのまま・・・
でも、このままじゃと思い切って声をかけてみた

「あの、たしか同じ学年でしたよね」僕は緊張で心臓が張り裂けそうだった
「ええ、そうですね」彼女は笑顔で答えてくれた
その笑顔で僕の緊張は一気に解れた。言葉ではあらわせない何かが襲った
そのあとの事はよく覚えていないが、彼女の事を好きになっていった

あれから、ずいぶんと時間が流れたなぁ。気が付けば僕は彼女を見つめていた
「どうしたの、大丈夫?」彼女は不思議な表情で僕を見ている
「あぁ、大丈夫。よし!もう一回乾杯しよう」「うん、そうだね」
カーン、二人のグラスの音が響き渡った


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