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年末年始に読んでほしい、おすすめの本5選

こんにちは、ぼぼこです。
気がつけばもう12月31日。年末ですね〜。

年末年始は時間にもゆとりができて、家でゆっくり過ごされる方も多いのではないでしょうか。
そんな年末年始にぜひ読んでほしい、私が今年心に残った本をご紹介します。


なめらかな世界と、その敵 / 伴名 練

伴名 練さんのSF小説。赤坂アカ先生の描いた表紙も印象的です。
いくつもの並行世界を行き来する少女たちを描いた表題作「なめらかな世界と、その敵」や、『低速化現象』という未曾有の災害に巻き込まれた新幹線の乗客たちをめぐる感動作「ひかりより速く、ゆるやかに」など、全6編の短編集です。
とにかく衝撃作ばかりで、個人的に今年一番おもしろかった本と言っていいくらい良かったです。特に表題作「なめらかな世界と、その敵」は、くるくると移り変わる世界の描写がとても美しくて、今までに出会ったことのない世界観でした。
大好きな伊藤計劃さんの『ハーモニー』のトリビュート作品「美亜羽へ贈る拳銃」も収録されていて、満足度が高すぎる小説でした。
SF小説に苦手意識がある方もぜひ読んでほしい作品です。

君のクイズ / 小川 哲

早押しクイズの大会「Q-1グランプリ」決勝戦に進出したクイズプレーヤー三島玲央。彼の対戦相手である本庄絆は、最終問題でまだ一文字も問題文が読まれていないクイズに正解し、優勝した。彼はなぜ正解できたのか?その
真相解明していく新感覚のクイズ小説です。
ミステリー要素もある物語で、少しずつ核心に迫っていく展開に引き込まれて一気に読み終えました。
物語の展開だけでなく、クイズプレーヤーがどのように思考しクイズの正解を導いているのかが垣間見えたところがとても面白かったです。
クイズというのは知識量が多くて博識な人が強いイメージだったけど、それだけではなく、戦略的に正解を導き出すスキルも必要で、正に競技スポーツのような、とても奥深いものだと感じました。
QuizKnockの動画を好きでよく見ているけど、この本を読了後は少し違う視点で見ることができました。

夜と霧 / ヴィクトール・E・フランクル

ユダヤ人の精神科医である著者の、ナチスの強制収容所での壮絶な経験が綴られた作品。強制収容所のあまりにも悲惨な出来事に、何度も目を逸らしたくなりました。絶望のふちに立たされてもなお、人間性や希望を失わず未来を信じた人たちの精神状態や人生観などが綴られていてとても興味深かったです。
「人は強制収容所に人間をぶちこんですべてを奪うことができるが、たったひとつ、あたえられた環境でいかにふるまうかという、人間としての最後の自由だけは奪えない。」という言葉がとても印象的でした。
多くの人に読んでほしい一冊です。

玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ / 木下龍也・岡野大嗣

木下龍也さんと岡野大嗣さんの共著歌集です。
男子高校生ふたりの7月1日からの1週間が短歌によって描かれています。
古本市でふと見つけて購入したので、何の予備知識もなかったのですが、予想外にミステリー要素があってとても面白かったです。
男子高校生二人の無邪気な青春が描かれつつ、途中から不穏な雰囲気になって、何かが起こっているんだけどはっきりとは詠まれないところが恐ろしくもあり、色んな想像をしながら読める歌集だと思いました。

「心電図の波の終わりにぼくが見る海がきれいでありますように」が特に好きでした。


環と周 / よしながふみ

「昨日何食べた?」で有名なよしながふみさんの新作マンガ「環と周(たまきとあまね)」。
環と周という名前の二人が、時代をこえて出会いを繰り返す物語です。
家族、恋、友情といった様々な関係性で描かれる二人の物語は、いつの時代も優しくて切なくて胸がいっぱいになりました。
特に、病気で余命わずかの環と、同じアパートに住む少年周の物語は涙が出てしまった。
年末年始にゆっくり読んでほしいオススメの一冊です。


以上、年末年始にぜひ読んでほしいおすすめの本5選でした。

今年はあまり本を読めなかったから、来年はもっと本を読めるくらい余裕のある生活をしたいです。

みなさま、良いお年を!