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山下菊二展


徳島に到着した初日から行く予定だった、徳島県立近代美術館に、先日行った。お目当ては徳島県出身の山下菊二氏の作品。日中戦争と太平洋戦争で残虐な行為を目の当たりにし、戦争や差別などの人権問題をテーマにしているだけに、観終わった後は何とも言えない悲壮感で厭世的になった。


特に「戦争と人間」というタイトルで作られたコラージュ作品のシリーズは、くり抜かれた目玉、高所から紐でぶら下がった人間、強制収容所の骨と皮になった人々の白黒写真が使われていて、ヴィクトール・E・フランクルの著書「夜と霧」を思い出させた。強烈だった。


展示作品の一つであり、キューバ革命の指導者、チェ・ゲバラとフィデル・カストロを題材にしたコラージュ作品の紹介文によると、ゲバラが革命前に遺書として彼の子ども達に向けて書いた手紙の中に、こんな言葉があるらしい。


「世界のどこかで、誰かが被っている不正を、心の底から深く悲しむ事の出来る人間になりなさい。」


悲しむだけでなく、その悲しみを正の行動に変えて行きたいと思う一日だった。

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