見出し画像

自分に酔うことが無い。なんて無いのかもしれない。

自分に酔うことってそんなに無い。

仕事において先輩や上司に自分の計画を伝えるとき、私は基本的には自信を持てていないので必死に虚勢を張る。
少なくともプレゼン中に、自分に酔っている、と感じることはない。

今この文章を書いている時だってそうだ。
未熟さを自覚し、多くの人に読まれている訳では無いことは理解しているので、書くことは好きではあるが、書いていて気持ち良いということは無い。

しかし、だ。
ちょっと立ち止まって考えてみると、そういう自分に酔ってはいないだろうか。
めちゃくちゃ必死に考えてプレゼンしているのに、それを感じさせないようとする自分。
誰の目にも止まらないだろうに、それでも表現したいことがあるから文章を書いている自分。
酔う人がいるであろう場面において自分は酔わない、という自分に酔う。
のであれば、自分に酔わないということはあり得ないのかもしれない。

第19回東京03単独公演「自己泥酔」が面白い。
決して自慢話をしない自分、そんな自分に酔っている、という会話メインでテンポの良い「自慢話の話」から始まるこの公演、飯塚さんがいつにも増して振り回される。
しかし、キレ返すのは抑え目に、冷静に突っ込んでいくコントも多い。

ややこしい客に絡まれる店長飯塚が見られる「ステーキハウスにて」。
この客に決してキレないのが新鮮だ。

同僚が上司と結婚する。
付き合う段階から相談を受けていたが、知らないふりをして欲しいと頼まれる飯塚が見られる「小芝居」。
こちらはいつものパターン。

豊本の浮気をネタにした「トヨモトのアレ」。
このとき豊本は、浮気をしてしまったことをネタにしてしまう自分、に酔っていただろう。

悲しい嘘」の飯塚の演技は必見。
角田の女役も豊本とは違った良さ。

この3人でないとできないコントの詰め合わせかつ今までとは少し違う路線のコントもあり、観終わった後はフレンチのフルコースを頂いたような贅沢しちゃった気分を味わえる。

舞台上でウケているとき、自分に酔わないというのも無理そうだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?