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HipHopとLo-fi HipHopは4親等くらい離れてるのではないだろうか

※この記事を読んで頂いてる方は、HipHop(ヒップホップ)およびLo-fi HipHop(ローファイ・ヒップホップ)が何か、についてはご存知かと思うので、説明は省かせていただきます。

前口上

先日、「深夜の2時間DTM」(これも説明を省かせて頂きます)にて、お題「Lo-fi HipHop」回がありました。

「おっしゃ、俺の出番だ!」
「聴いたことあるけど、作るのは…」
「え? ロ、ローフィー?」

などなど、悲喜こもごものつぶやきが交錯しつつ、投稿数は自分の知る限り過去最高の170超えを記録しました。
僕がカウントして以降も投稿が続いていたので、最終的に180を超えていたと思われます。

僕も参加させて頂きました。
じゃあ、お題「Lo-fi HipHop」と聞いた時、僕がどう思ったかというと。

「普段からHipHop好きをアピールしてるから、逆にやりづらいな」

というものでした。

HipHopは自分にとってのヘヴィメタル

多くの人の心の中には、「自分を武装する音楽」というものが在るんじゃないでしょうか?

「武装」という物々しい言葉を使ったのは、単に「テンションを上げる」以上の、「気を緩めると捕食される弱い自分を奮い立たせる」という意味合いがあります。

気が向かない学校に行く電車の中で聴いたり。
嫌な上司の顔が頭から離れない中、運転する車の中でカーステレオから流したり。

そんな音楽があると思います。

じゃあどんな曲を聴くか。

それはもちろん人それぞれで、ハードコアテクノだったりヘヴィメタルだったり、中にはストラヴィンスキーを聴いて就活の面接に挑む人もいるかもしれません。

で、僕はそれがHipHopです。
長々と説明するより、まずは聴いてもらいましょう(人様の楽曲だけど)。

「HipHopクラシック」と言ってもいい大好きな曲↓

このワチャワチャした怪しい感じがたまらない↓

奇異な言動が目立つけど間違いなく天才の蟹江さんから一曲↓

…と、キリがないので、ここらで自重しておきます。

何が言いたいかというと、僕にとって「HipHop = Rap」なんです。
リリック(歌詞)が聴き取れるかどうかは置いといて、言葉の機関銃で脳みそを揺さぶってくれるのがHipHopです。
それはメロウな曲でも変わりません。

端的に言うと、僕の好きなHipHopはラッパーがいてはじめて成立するものです。

加えて。
僕がここまで語ったことは、決して僕の独断ではなく、(少なくとも5年くらい前までの)ワールドスタンダードだったと思います。

そして黒船襲来

襲来は失礼か。

なんにしても、それくらいインパクトあったのが、ここ最近のLo-fi HipHopシーンの台頭です。

ここで身の上話。
僕がLo-fi HipHopの存在を知ったのは1年くらい前だったと思います。
きっかけは、ライムスターの宇多丸氏がパーソナリティを務めるラジオ番組です。

「Lo-fi HipHopなるものが、海の向こうで流行ってるらしい」

この時初めて知りました。

Lo-fi HipHopの概要を掴むのには、beipanaさんのこちらのブログが最適かと思われます。

https://www.beipana.com/entry/what-is-lofi-hip-hop


早速、YouTubeで人気曲(だと思う)をきいてみたのですが…


第一印象は、

「これって、HipHopか?」

でした。

で、他にも数曲聴いてみましたが、とても心地よいのは間違いないものの、僕が好きなHipHopとはだいぶ違うなあ、という印象は拭いきれませんでした。
そして、それは今も変わりません。

そもそも目指す方向が違うのでは

…と書いてみたものの。
ここまで読んで頂いた方の中から、「おい、ちょっと待てよ」と声が聴こえてきそうです。

・ビートはHipHopをちゃんと踏まえてる
・ループ構造が多い点も共通してる
・歌やRapを乗せているのもあるぞ
・RapにもLo-fiな感じの曲は昔からあったじゃないか

…などなど。

おっしゃることはごもっとも。
けれど、そもそもこの2つは、スタート地点(伴ってゴール地点)が違うと思うのです。

ここから先はあくまで僕の印象ですが。

HipHop

 →ラッパーが主役
 →トラックはラッパーが引き立つための屋台骨(だからこそ重要なんですが)
 →曲の方向性は多種多様

Lo-fi HipHop

 →基本インスト
 →従ってトラックが主役(当たり前か)
 →「チルい」(心地よい)ことが大前提

このように捉えてます。

ネーミングは大事だな、と

Lo-fi HipHopは、他にChillhop(チルホップ)という呼ばれ方もするそうですが、僕はこのChillhopが定着していれば混乱は少なかったのでは、と思います。

混乱とはどういうことか。

例えばですよ。

  →ネット上で意気投合した人と
  →「うお、あなたもHipHop好きなんですね」となり
  →いっせいのドン、で好きなプレイリストを交換したら…
  →「あれえ?」となって、気まずくなる

…という悲劇が世界各地で起こっているのでは、ということです。
ちょっと、誇大妄想か。

つまり、同じHipHopを名乗ってはいるものの、2つは4親等(本人といとこ)くらい離れているのではないか、と思うのです。

まとめ

Lo-fi HipHopは、HipHopのサブジャンルという扱いにはなっていますが、「インスト中心」「チルっぽさが無ければ、そもそもLo-fi HipHopを名乗れない」といった点で、今までのHipHopという括りでは捉えきれないものだと思っています。

だから、両方を楽しめる人もいれば、「うーん、そっちはちょっと違うんだよね」と思う人もいるはずです。

ただ、世界平和(?)のためにも歩み寄りの努力は必要か、と思います。

僕も「Lo-fi HipHopはHipHopとは違う」と論じる今の立ち位置を少しでも前進させるべく、Lo-fi HipHopを色々聴いてみますんで、逆にLo-fi HipHopをきっかけにHipHopに触れた方は、チルな音以外のHipHopにも興味を持って頂ければ嬉しい限りです。

お互いを尊重しませう、という「A◯ジャパン」のような結びで締めさせていただきました。

最後まで読んで頂き、本当にありがとうございました。







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