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「ループ音源を堂々と使おう連盟」(ルプ連)を立ち上げた(脳内で)

前口上

先日、「ループ音源を堂々と使おう連盟」(ルプ連)を脳内で立ち上げました。
当然、会員数現在1名です。

ループ音源への熱い想いを綴った記事はこちら。

ルプ連におけるループ音源の定義とは

無駄に小難しい感を出していますね。
こういうノリ、大好きなのでご勘弁下さい。

さて。
ルプ連では、広義の意味でループ音源を捉えています。

Apple LoopsをはじめとするDAW付属のループ音源や、サードパーティ製のループパック、Splice Sounds、 Loopcloudなどのサブスクサービスはもちろんのこと。

LogicのDrummerや、チート級の攻撃力を持つEZシリーズなどのプラグインも含めます。

つまり、「楽器による録音、楽器&鉛筆ツールによる打ち込み以外の音作り」を総称して、ループ音源と捉えています。

ループ音源のポジション

ちょっと前の記事ですが、こちらをペコリ。

長くてやや小難しい記事なので、興味のある方は目を通してみてください。
カニエ・ウエストがSerumを不正DLして捕まったことがある、というくだりがツボです。

さてと。
この記事ですら約2年前。
今はもっと進んでいるんではないでしょうか?

あと、ループ音源のサブスクサービスを比較する際は、

こちらがとても役に立ちます。

さて、何が言いたいか。

 ちゃんと規約を守って対価を払いループ音源を使うのなら非難される理由はないし、世界の趨勢はどうやら「合法であれば、作ったもん勝ちだぜ」のようだ

…ということです。

以前も書きましたが、日本では

 オリジナルの旋律>ループ音源

という価値観が根強いようですが、世界規模で見ると「クリアランスをちゃんと処理していれば(してないことも多いので問題にはなっているのですが…)、オリジナリティを出したもん勝ち」という流れのようです。

そして僕も上記の考えに賛成です。

ただし、オリジナル要素も加えたほうが楽しい

とはいえ。

「ループ音源『だけ』で作った曲でオリジナルを名乗るのはさすがに無理筋ではないか」

と僕は思っています。

もちろん。
音楽制作を楽しむ、という意味では、ループ音源だけで作るのは全然ありだと思いますし、無限の素材がある中から組み合わせていくのもセンスだと思います。

でも、オリジナルを名乗るなら、オリジナル要素を入れてこそ、ではないか、と思います。

加えて。
主旋律は目立つので、逆にループ音源「だけ」でオリジナリティのある楽曲を作るほうが難しい気もします。

そもそも、みなさんがDTMを始めたきっかけ、ハマるきっかけって、「『ぼくのかんがえためいきょく』が形になる! すげえええ!」って衝撃だったんじゃないでしょうか。
とすれば、オリジナルのメロディやリズムを入れたほうが、俄然楽しくなると思います。

ルプ連の提唱するループ音源との付き合い方

あくまで、ネット等で「オリジナル曲です」と名乗る場合ですが。

 主旋律や歌メロなどを自分で考えればオリジナルと名乗っていい

…とルプ連(=僕)は考えています。

特に歌モノには歌詞が含まれるので、イントロの主旋律と歌メロ、歌詞が乗れば、立派なクリエイティブ作品と思います(注:作詞、作曲が分業の場合でも同様です)。
クオリティ云々はその先の問題ですし。

お、ここで反論が来ました。

「なんで主旋律、歌メロに限定するんや。お前さん、さっきオリジナル要素を入れてみい、といったやんけ。ベース、リズムでもよかっさな」(方言は適当です)

ええ、これに関しては単純明快に答えさせて頂きます。

 主旋律や歌メロが一番目立つから

です。

メロディのない曲などは置いといて、歌モノにせよインストにせよ、世の多くの曲には、主旋律というべきメロディラインがあると思うんですが、やっぱりそこが一番の聴かせどころ、かつ目立つところだと思うんですよね。

もちろん、かっこいいベースが入ると曲が引き締まるし、リズムに力が入ってるとグルーブ感がガン上がりです。
他にも作曲者それぞれで、こだわりポイントがあると思います。

それを自力で全部やれれば最高なのですが、それができるんだったらSpliceに毎月お金を払っていません。

なので。
まずは、一番目立つ主旋律(メロディライン)にこだわってみませんか?
という提案です。

ルプ連(=僕)の見解を簡単にまとめると、

1.ループ音源やプラグインはどんどん使おう
2.ただ、オリジナル要素を入れたほうが楽しいし、「オリジナル曲」としての魅力、強度が上がる
3.その場合、まずは主旋律をオリジナルで創ることに注力した方がいいと思う
4.さらに、ベース、リズム、ウワモノなどで少しずつオリジナル要素を足していけばいいのでは

といったところです。

サンプル

では、ルプ連会長として、「これはいいバランスだ」「これはやりすぎちまった」と思う基準を、自作曲を晒しながら示してみたいと思います。

① これはなかなか良くできた、と思う

「深夜の2時間DTM」にて「初詣をイメージした曲」というお題の際、投稿しました。

【構成要素】
 [オリジナル]
   歌(ボカロ)
   シンセリード
   ベース

 [ループ音源、プラグイン]
   リズム
   アコギ
   パーカッション(「からころーん」含む)
   後半うっすらとかぶせたシンセ音 

我ながらいい曲だと思います(おい)。

こうやって書き出すと、「ループ・プラグイン率」が高いですが、「主役」の部分は自分で作ったという満足感があります。
他の要素は控えめに配置したのも吉。

② ちょっとやりすぎたかも

同じく「深夜の2時間DTM」にて「モーニングコーヒーをイメージした曲」というお題の際、投稿しました。

[オリジナル]
  歌(ボカロ)
  ストリングス
  ベース
  冒頭のシンセ

[ループ音源、プラグイン]
  リズム
  ピアノ

我ながらいい曲だと思います(おいおい)。
単純に割合だけで言うと、「ループ・プラグイン率」は低め。

ただし、EZ KEYS(鍵盤弾けない人間にとっては魔法のようなプラグインです。コードを詳細にいじれる所が神)を愛用してる方なら、「うわあ、ピアノがそのまんまや」と気づかれるでしょうし、後半展開が変わる部分のピアノはApple LoopsのMIDI素材からドーンです。

これだけピアノを表に出しているので、分かる人には分かってしまいます。

でも、優劣はないと思う

さて2つ例を挙げ、①>②というニュアンスの書き方をしましたが、それはあくまで「ループ音源やプラグインがモロバレするかどうか」の基準において、という話です。

曲の善し悪しという意味では、「成功」と「もう少し頑張りま賞」というわけではなく、上記の①②どちらも、自分で作った愛すべき曲です(ただし、「そのコード進行、いいっすね!」とリプライが来た時は少々気まずいですが)。

あとは、慣れてきたら工夫を加えたり、オリジナル要素を少しずつ増やしていけばいいと思います。

ルプ連とループ音源のこれから

これは以前から思っていることなんですが。

自分がDTM業界で働く人間と仮定した場合、

 A:オリジナルこそ至高、という考えが根強く残って、ループ音源やプラグインの売上げが伸びない世界線

 B:使えるもんは使ってどんどん表現しようぜ、という風潮が高まりDTMerが増えて、ループ音源やプラグインの売上げが伸びる世界線

…という(極端ではありますが)2つの世界線があった場合、間違いなくBを望むと思います。

で、現状を見た場合。

海外ではSpliceの素材がプロミュージシャンの楽曲に使われてたりします。

日本でも空気は変わりつつあるのかもしれませんが、いまだ「オリジナル信仰」は根強いような気がします。

(商業的観点から見ても)「表現方法はもっと自由であるべきだ」とむしろ業界の人からどんどんアピールすべきだと思うし、なんなら「俺、ループ音源使いまくりやで」と公言するプロミュージシャンがいてもいいと思います(もし、すでにいらっしゃるのであれば僕の勉強不足です)。

というわけで、ループ音源やプラグインの使用も表現方法の一つ、という信念を胸に、ルプ連は今後も邁進していく所存(略)

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。








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