「撮りたいモデルってどんなモデル?」

「撮りたいモデル」は「撮りたい写真に合うモデル」

「撮りたいモデルってどんなモデルですか?」といった議論をよく見ます。この議論では「どんな写真を撮りたいか」ということを踏まえずに、全て一緒くたにして、いろいろな回答が混ざっているケースが多いようです。この質問に対する唯一の答えは「撮りたい写真に合うモデル」ということになります。

「撮りたい写真」は、撮影者にとって考え方が違うのだから、おそらく「誰もが」撮りたいモデルはいないだろうと想像します。したがって「撮りたいモデルになる」のではなく「撮りたいと思ってもらえるカメラマンを探す」方が容易ではないでしょうか。

私が撮りたいモデルの例

「撮りたい」の需要が個人差によるものであることは述べましたが、そんな中、私にとってどんなモデルを撮りたいか、を再確認してみたいと思います。私が普段撮っている写真は下記の3つに分類されます。

- モデルさんに魅力を感じて撮る写真
- 自分自身でモデルさんの魅力を引き出そうとする写真
- テーマやシチュエーションを先に決めて撮る写真

以下では、その具体的な内容と、その時に撮りたいと思うモデルはどんな人かを挙げてみます。

1. モデルさんに魅力を感じて撮る写真

私は普段SNSを回遊していて、気になったり魅力を感じた方はモデルであるかそうでないか、に限らずメモするようにしています(そこだけ聞くと怖いですが…)。撮影会モデルさんなどは、その代表格で、お写真などをたまたま拝見して、魅力的だな、と思うかどうかです。

私にとって写真を撮りたいと思う動機の一つが、魅力のある方を写真に写してみたいと思うことなので、チャンスがあれば、その方が一般の方であっても撮らせていただけないか、とお声がけしています。

このケースでは、私はその方の写真だけでなく、ツイート内容も拝見してなんとなく魅力を感じるかどうか、を大事にしています。よく「顔が可愛くないから撮ってもらえない」といった声を聞きますが、決してそういうことではないのではないかと思います。

2. 自分自身でモデルさんの魅力を引き出す写真

私には自分自身の写真撮影の技術を向上させたい気持ちも少しはあります。一般の方やプロでない方の良い部分をどれだけ引き出して撮るか、ということが自分にとってポートレートを撮る時の楽しみになっています。

この場合、モデルとしてこなれた人よりも、まだ撮られることに慣れていない一般の方を探します。「被写体募集」などといって募集をかける際は、このケースが多いです。ただ一般人、未経験であれば良いのではなく、モデル経験はほとんどないけれど、奥に何かが見える、光りそう、といったことを重視しています。

3. テーマやシチュエーションを先に決めて撮る写真

自分はこのケースは少ないのですが、たまにテーマやシチュエーションなどを決めて撮りたいと思うことがあります。完成イメージが自分の中に浮かんでいて(逆にいうと、1. 2.の場合、完成イメージがないまま撮っていたりします)、そのイメージに向かっていく場合です。

この場合、そのシチュエーションにハマる、ということが重要ですが、良いモデルさんというのはどんなシチュエーションでもハマる、ということが挙げられると思います。「プロ」は「オーダーに応えられる」ことだと思います。よって、いろんな顔を見せてくれるモデルさんだと「どのモデルさんをアサインしようかな」という時にすぐ頭に浮かんできます。

逆にそのシチュエーションで突出して似合うモデルさん、そのシチュエーションをすごく得意としているモデルさんがいれば、やはりお願いしたいと思います。

モデルとして稼いでいくなら

さて、「誰もが」撮りたいモデルはいないということを冒頭に述べましたが、もしフリーランスのモデルとしてお金を稼いでいくことを考えるのであれば、ある程度マスに受ける必要はあるかと思います。マス=トレンドです。今トレンドになっている写真はどんな写真か、ということを研究すれば、どんなモデルになるべきかも見えてくるのではないでしょうか。

トレンドになっている写真の作風は、撮りたいと思う人が多い写真の作風ということになります。つまり撮りたい人が最も多いモデルは「トレンドに合っているモデルである」「今流行の写真に合うモデルである」ということかな、と思います。

これは写真やモデル以外でも言えることですが、トレンドに合わせることはある程度必要です。その中で少し個性を出していく、ということが市場価値を高める一番の方法かな、と思います。個性的すぎず、かといってみんなと同じすぎず。そのバランス感覚は仕事をしていく上で重要だと、個人的には思います。

以上、「撮りたいモデル」を私なりに整理してみました。

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