ナダルの面白さ。

僕はナダルが好きである。今、一番腹を抱えて笑っているのは、ナダルなんじゃないかと思う。特に、さんまのお笑い向上委員会のナダルは、ほんとうに生き生きとしている。

ここまで、みんなが芸人を目指し、バラエティが進化をしていなければ、ナダルはここまで面白くはなっていなかっただろう。ナダルは、これまで作られてきた、笑いの歴史を破壊するのだ。だから、周りが面白ければ面白いほど、ナダルは活きる。

こればっかりは、もう、天性の才能なのだと思う。それもたまたま、この時代に生まれた。バカが流行り、ポンコツが流行り、もう、ないぞ、と言っているところに、ナダル。ついに、来た。来るところまで来てしまった。

ナダルの、場の空気を壊すことは、諸刃の剣である。下手したら、大スベりしてしまうのだ。そんな、数ミリの隙間を通すような神業を、天然でやってしまっている。天然がゆえに、彼はそれを意図的には使えない。だから、テレビのナダルを見て、学園祭に呼んではいけない。絶対に、素人が扱えるようなものではないから。

ナダルの魅力の一つに、プライドの高さがあるだろう。プライドが高い人間が、見栄を張り、それがバカにされていることが面白い。下手をすると、それはイジメに見えてしまう。ちょっとしたことがイジメに見えてしまうこの現代で、これだけイジられて笑いにできるということは、一体どいうことなのだろうか。なぜ、彼はいじっても大丈夫なのか。それは、彼の心が強いからなのかもしれない。強者を笑いにするのは、民衆の笑いの基本なのだ。

ナダルにテクニックが付いて来れば、今ほどは面白く無くなってしまうだろう。だから、今こそ、ナダルを堪能しておかなければならない。こんな天才、もう二度と現れないかもしれないのだから。

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芥
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