見出し画像

『コンコルディア』プレイの指針

(以下は以前某所に書いたものを加筆修正したものです)

コンコルディアは戦略的なゲームでありながら、どのカードをどのように、そしてどの順番で使おうかといった戦術的な面白さにも事欠かない作品です。

直接攻撃のない平和的なゲームですが、プレイヤー間のインタラクションは豊潤で、また多数の拡張マップがあり、産物の配置やサルサ拡張にあるフォーラムタイルによってプレイする毎に状況が変わるため、オンラインオフライン合わせて800回以上遊びましたが未だ飽きることがありません。

そこでここではこれまでに学んできたことを以下にまとめたいと思います。

■得点について


ルール説明の時、自分はよく「長方形の面積を最大にするゲームです」といった話をします。

このゲームでの得点はカードから入ってきます。
そしてカード一枚あたりの得点は大雑把に言って建築した家の数によって変わりますので、カードを買わずに家だけ建ててもダメ、逆にカードをたくさん買っても家の数が少なくてはダメ、両方をバランス良く増やしていって、カードをたくさん買い、1枚当たりの得点も高いのが理想と、そういう意味です。

■一周目


最初の護民官をプレイするまでの理想は、家を四軒建て、カードを二枚買い、護民官プレイで新たな入植者を出すことです。

プレイの順番としてありがちなのは、外交官(建築家コピー)→長官→商人→建築家→長官→元老院議員ですが、そううまくいかないことも多々あります。
(そもそもスタートプレイヤーでは外交官での建築家コピーが出来ずにほぼ不可能)
また違うプレイングのほうがうまくいくこともあります。
よくあるのは、一回目の長官をプレイしたあと、あるいは商人をプレイしたあとに元老院議員でカードを買うケースです。
買ったカードで再び生産→建築のサイクルを始められれば先に挙げたプレイ順にこだわることもありません。
また、他プレイヤーの動向、盤面の産物配置、初期フォーラムの能力、カード販売列の並びによって状況が千変万化しますので、建築家から始めず、元老院議員や長官、商人からスタートする手筋も十分あり得ます。

いずれにせよ、最初の小目標は、家四軒、カード二枚に新たな入植者です。

状況によって外交官を建築家コピーではなく元老院議員コピーした結果、家二軒、カード四枚になることも稀にありますがそれでもいいでしょう。
要するにカードと家で合計六個+新たな入植者を目標とします。

それが達成出来そうにない場合は何を優先するか取捨選択しなければいけません。
その場合、最も重視すべきなのが入植者です。
入植者が二人と三人では建築スピードがかなり異なるため、入植者が出せない場合は、挽回することが困難になります。
カード購入で入植者カードを購入していて二周目の最中に入植者を出す見込みがある、マップがゲルマニアで元から3移動力ある、フォーラムとしてアッピウス・アルカディウスを持っていて入植者二人でも3移動力ある、こうした理由がなければ優先すべきは入植者です。

■拡大再生産


このゲームは拡大再生産です。

建築家で家を建て、長官で家から物品が生産され、商人でお金を得たり物品の種類を調整したりして、そのリソースでまた家を建てたりカードを買ったりしていきます。

家を建てれば建てるほどプレイヤーの生産力が上がっていくという仕組みです。

家の建て方にはいくつか考え方があります。

序盤は、他プレイヤーと相乗りするように建てる建て方やひとつの属州に集中して建てて一回の長官での生産力を上げる建て方が考えられます。

どちらが良いかは一概には言えませんが、少なくとも長官をプレイすることで自分が一番得をする、そんな属州を1~2個持っていたほうが良いようです。

理想的なのは都市が三つある属州の全ての都市に家を建て、一回の長官で物品が四つ手に入るようにすることです。
プレイ前にはまずはそれが出来るかどうかを考えてみます。

また拡大再生産を進める為に、まだ生産されていない(特産品タイルが裏返されていない)属州に建てるよう意識することも大事です。

既にその属州が生産済みの場合、一度長官で特産品タイルが表返るのを待たなくてはなりません。
これは序盤のタイムロスに繋がります。

ただ、実際は建築して長官を打つ前に誰かが再活性化していて再び生産可能になっているケースも多々あります。(特にプレイ人数が多い場合)
その辺のタイミングも考慮が必要です。

■カードの買い方


基本的に購入するカードは多ければ多いほどいいのですが、それでも効率よく得点を上げるために都合の良い組み合わせや、逆にアンチシナジーとなる組み合わせが存在します。

例えば石工によるレンガミネルバと建築家、執政官によるユピテルの組み合わせや、ヴィーナス拡張におけるサトゥルヌスとヴィーナスの組み合わせは互いに相反する性質を持つため、これらはどちらか一方に注力したほうがいいでしょう。

特殊なケースではありますが、建築をあまり行わず、レンガ、麦、道具、ワイン、布の各種の家を建てた他は入植者出しとカード購入に尽力し、メルクリウスとマルスを集めて勝つやり方も存在します。
しかしこれは最初から目指すというよりは建築で行き詰まった時の苦し紛れの逃げ道といったほうがいいでしょう。

また難しい判断に、建築すべきかカードを買うべきかという二択があります。
最終的には、前述した「長方形の面積を最大にする」ことを目標に考えますが、短期的な判断基準として

・今買えるカードを逃した時に代替出来るカードがあるか(特に各一枚ずつしかないミネルバカードは代替不可能で先に買われた場合戦略の練り直しを迫られることが多い)

・今ある資源をカード購入で消費した場合、再び建築用の資源を集めるのにどのくらいの手番が必要か

・建築しようとしていた都市に先に建築された場合、増加した費用の工面にどのくらいの手番が必要か

・カードを購入してゲーム終了が近付いても問題ないか

等があります。
要するに機会を逃したケースにどのくらいのリスクがあるかということですが、単純化して考えた場合、人口密度の高い環境(マップが狭くプレイ人数が多い)では建築を、人口密度の低い環境ではカード購入を優先するのがいいようです。
特にことさら人口密度の高い環境では、一周目にカードを購入せず、その分の資源を次の建築に回したほうが正着になる場合すらあります。


■終盤の動き


序盤は拡大再生産とアクションの強化を重視しますが、中盤から終盤にかけては、カード購入にせよ、家の建築にせよ、拡大再生産やアクションの強化よりも得点を意識して動くようにします。

より多くの属州に建築するようにしたり、購入したミネルバの家をコンプリートするよう心掛けたり、入植者を全員出すようにしたり、全種類の物品を生産できるように建築したりと、それまで買ったカードの得点が上がるように行動します。

逆にカードを買う場合も同様で、カードそれ自体の利便性も大事ですが、それ以外にも得点が高いか、ゲーム終了までに高くなりそうかといった観点のほうが重要となります。


■エンドフラグ

最後にコンコルディアカードについて。

このゲームのエンドフラグには、カードの買い切りと家の建て切りのふたつがあります。

エンドフラグを切ったプレイヤーには、コンコルディアカードの7点が与えられますが、これが意外に大きいです。

他にエンドフラグを切れる人が居なさそうな場合はその限りではありませんが、経験上、エンドフラグを切れる時は基本的に自分から切ったほうが良いようです。

逆に言えば終盤に入ったら自分がどちらのエンドフラグを切れるのか意識して、そこを目指して動くようにします。

同様に他プレイヤーの動向にも注意して、エンドフラグを切られてしまったときに最後の1アクションをムダにしないよう気を付けましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?