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2021年のデジタルボードゲーム

これは、ボードゲームに交わるエトセトラ Advent Calendar 2021の12月7日の記事です。

今年のボドゲアプリのレビュー総まとめ。「遊んだゲーム」だとこの数倍なんだけど、「今年買った」「前から買ってたけど今年初めてやった」「今年ひっさびさにやって印象に残った」ゲームを中心に。
簡易レビューなんでルール説明やシステム、デザイナー解説は少なめ。その辺はご注意を。がっつり書いちゃうと文庫本並になっちゃうからね。しょうがないね。



●アグリコラ(BGA)


BGA版のアグリコラ。アプリ版のアグリコラは俺がボドゲアプリの6強に挙げる位には良く出来たゲームなんだけど、残念ながら配信停止に。で、BGA版ならアプリ版には無かった日本語対応&拡張にも対応って事でお試しで(後にオーディンの祝祭がソロ対応で出るかもって事で年パスに入った)1ヶ月プレミアに加入して触ってみた。
ゲームの細かい説明は長くなるんで省略。ワーカープレイスメントの初期の代表作(≠最初の作品)。ワーカー(家族)をアクションスペースに置いて対応するアクションを行う。木や小麦などの資材や羊、猪、などの動物を得るスペースだったりそれらを使って家や柵を作ったり畑を耕したりする。家を拡張出来れば家族が増えて、1Tに行動可能なアクション数も増える。ただし家族は飯を食うので、家族分の飯を調達する事も忘れずに。そうやって農場を大きくしたプレイヤーの勝ち。
アプリと言うかゲームとしてのデキはアプリ版を100点とすると70点くらい。実際はアプリ版も90点くらいなのでBGA版は60点位かな。アプリ版と比べるとかなりもっさりしてる。常に1テンポ遅れる感じがする(これはBGAで遊ぶ際にはほぼ共通してる)ので、やはりボドゲアプリの最高峰のゲームと比べるとBGAのゲームは全て2~3段以上は落ちるな、って感じ。同じゲームを遊べるなら基本的にBGAで遊ぶ理由は(俺が全く興味が無い対人環境を除けば)無い。
ただ、日本語対応してて拡張が遊べるので、そこは評価点。現時点では(アプリ版は配信停止のままで再配信もされてないので)アプリ版を新規購入出来ないので、今から新しくデジタルでアグリコラを遊びたければBGA一択になる。


●アズール(風、スマホ)


アズールの様に見えなくも無い気がしなくも無い様な気もちょっとする。そんな感じのゲーム。
SdJの大賞受賞作で後はこれだけはやっときたかったな~って作品の一つ。コミュニケーション系のゲームや軽いゲーム(アズール自体も軽いけど)を除けば、後はケルト遊べればSdJの大賞受賞作はほぼほぼ満足(24/43)。
画面と言うか自分のボードはちょっと小さいけど、視認性が悪くないのでプレイアビリティはそこそこ。
日本語は選択可能なんだけどチュートリアルその他は英語のまま。メニュー系が日本語になる程度なんだけど、ゲームのルール自体は簡単なのでまぁ許容範囲内。後述の課金要素なんかの説明を日本語でチェック出来るので、そこは悪くない。
課金要素は感情(エモート)とタイルのスキンだけなので、基本的には無料で遊べる。
ゲームはアズール。2~4人までの対人、CPU戦が選べる。
盤面のボードにあるタイルから一色受け取って自分のボードに配置する。余ったタイルは盤面中央に置く。盤面中央にあるタイルを取る事も出来る(ペナルティー有)。
自分のボードへの配置は同色のタイルを同じ段に置かなければならない(余りは失点)。段が満杯になったら晴れて自分のボードに置く事が出来る。ボードに置く際は配置するタイルとボードの色(柄)が同じ場所にしか置けない。連続して配置出来ると得点が上がる。
細かいルールはあるが、基本はこれだけ。
タイル配置としてはかなり簡単なルールながら、それなりの計画性が求められ、尚且つ相手のカットも(ある程度は)出来るし、しかもプレイ感が非常に軽い。ダブルクラウンも納得、流石はキースリング、単品でもやるやん(共同作品が多いデザイナー。クラマーとのコンビでのエルグランデやティカルが有名)、って感じの作品だった。



●イスファハン(PC)


プログラム版のイスファハン。超久々にプレイ。
基本的にはダイスを使った陣取り。ダイスを振って出目でグループ分けをして、お金とラクダ、そしてアイコンの書いてある場所へ商品コマを置けるグループへと分類する。それを手番プレイヤーが1グループ取って該当のアクション(陣取りorお金/ラクダ取得)をそのグループに置かれてるダイスの数分だけ行う。6が4つ出てればお金を4つ貰える、みたいな感じ。お金やラクダは建物の建設に使ったり、後述する行政官の移動時に必要になったりする。
該当する建物を建てればお金やラクダを追加で貰えたり、商品コマを一個多く置けたりする。
行政官は取ったグループのダイス目の数だけボード内の十字路を移動。移動し終わったら、面してる商品コマをキャラバンに送る事が出来る。この時、ラクダを払えばボードに商品コマを置きつつキャラバンに商品コマを送れる。必勝戦術のお供。
基本的にはターンプレイヤーがダイスを振って(グループ分けして)それを取って、該当するアクションをするだけの比較的シンプルなゲーム。基本は陣取り。ただ、行政官(キャラバン)や建物など、それ以外の要素もある。
上にも書いたが必勝戦術がある。それやるとほぼ陣取りしなくなるんだけど、CPU戦ではほぼ確実に勝てるwひっさびさにやったけどやり方はちゃんと覚えてた。


●ウィングスパン(Steam、スマホ)


Steam版は春先にやったんだったかな。スマホ版はつい先日Android版が配信された。基本的に一緒なので同じ項目で。
プレイヤーは鳥類愛好家になって、森林、草原、湿地の3ヶ所に鳥を集める。それぞれが餌、卵、鳥(カード)に対応している。森林に鳥を配置すれば森林アクションの選択時に貰える餌の数が増える。鳥にも効果が色々あって、鳥によっては該当アクション時に追加効果が得られる物も。これによって「餌のアクションを選んだら餌+卵を貰ってカードを1枚引く」みたいなアクションエンジンを組み上げて行く(=エンジンビルド)。
初めてエンジンビルド型のゲームを遊んだんだけど、中々面白かった。ただ、カードの引き運がゲームに占める割合が超絶デカいのでゲーマーズゲームって言うよりは軽ゲー、雰囲気ゲーの方が近い。
実際、デジタル版はその「雰囲気」を出す事をとても頑張ってる印象を受けた。雰囲気のそれっぽさ、と言う意味では、デジタルなボードゲームの中ではROOTと双璧だと思う。
Steam版はコントローラーでも遊べるんだけど、嫌がらせかって言う位操作が直感的じゃない。マウスで操作した方が明らかにやりやすいし、タッチ操作が可能なスマホ版が操作性的には一番だとは思う。


●ガイアプロジェクト(Steam)


最初は翻訳関係が結構酷かったみたいなんだけど、有志の方がフォローしてくれて、俺が遊んだ頃には問題無く遊べるデキになってた。チュートリアルも完璧とは言えないけど、テラミスティカを遊んでればすんなり理解出来る。いきなりガイアだとちょっと厳しいかな。
ゲーム的にはテラミスティカのアッパー版と言って良い。プレイヤーは各種宇宙人になって自分の住みやすい様に星に入植(テラフォーミング)する。住みやすい星になったら開拓、鉱山を建築し、それを改良、発展させていく。鉱山や交易所に研究所、学院や首府を建てると、次のターン以降は該当する資材やリソースが貰える。それを使ってまた入植して~って言うゲーム。テラミスティカにあった教団は研究になったりしてるが、基本システムはテラミスティカと同じ。ただ、QICコマを使えば多少離れた場所にも入植出来るし、テラミスティカより同盟条件もかなり緩くなった。これにより他プレイヤーとの陣取り的な絡みは(テラミスティカより)薄くなったが、逆に自由度は大幅に増した。どちらが好きかは好み。俺はどっちも好きだけど、どちらかと言えばガイアの方が好き。アプリ的にもガイアの方がSteam版では1~2段、スマホ版では5段位上。
Steam版もデキとしては悪くない。DIGIDICEDのゲームとしては完成度はかなり高い方。ただ、一画面モードが見難い(マップが小さい)、通常モードでもマウスの動線も視線の動線も微妙にスマートでは無い、種族説明など細かい部分の文字が小さいなど、ちょっとした事ではあるんだけど積み重なるとそこそこ大きくなる様な不満点がある。


●ガイアプロジェクト(スマホ)


で、今年最高どころか歴代のボドゲアプリ(デジタルボードゲーム)の中でも屈指のクオリティのスマホ版ガイア。
Steam版から
・指の動線も目線の動線も→↑のラインに単純化。かなりすっきりした。
・画面が小さくなった事で相対的に細かい字が大きく。見易くなった。
・何より一画面モードがSteam版を叩き台にしてスマホ版で完成させたと言って良いレベルでクオリティアップ。完全に1画面では見られなくなったものの、マップが大きくなって必要なデータへのアクセスも簡単に、文字通り「1画面でガイアプロジェクトを遊べるモード」に進化した。
これによって、Steam版では「良いデキなんだけど所々穴や隙がある、そこそこな感じのゲーム」だったのが、「ほぼ完全に欠点が無い、完全無欠に限り無く近い最高クラスのゲーム」に進化した。Steamとスマホでここまで極端にゲームとしてのクオリティに差があるゲームを俺は他に知らない。いやほんとDIGIDICEDスゴいわ。
一応起動に若干時間がかかる点と収入の数字が暗くて見えにくいって問題はあるんだけど、後者は一画面モードなら無視出来るし、起動は最初だけ(ゲームスタート部分は一瞬)。ほぼ無視して良いダメポイントだと思う。
まだまだ遊べてないので、来年はずっとガイアプロジェクトだけ遊んでも良い位には気に入ってる。まさか僅か1年で世界最高のデジタルボードゲームであるスルージエイジズに伍するゲームが出て来るとは思わなかった(去年の時点ではもう10年はスルージエイジズに匹敵するゲームは出ないんじゃないかと思ってた)。DIGIDICED舐めてた。


●旧ブラス(再)


所謂黒ブラス。若干の差はあるけど、ほぼ同じゲーム。
前にやった時は「CPUが紡績戦術しかしてこない&最低でも3人戦=2人は絶対に紡績戦術」なせいでプレイヤーに戦術選択の自由が無い(事実上鉄道ー造船所戦術しか選べない)と感じて、評価としてはかなり低かった。
ただ、その後下には下があると言うか後述する白ブラスを遊んだので、ちょっとは冷静な視点で見れるだろうって事でもう一回やってみた。
結果的にはこれが割と正解。完全な評価(黒ブラスの全てを堪能出来る)とは言えないけど、ある程度限定的な状況下でのシミュレーションとしてはそれなりに楽しめる、とはなった。ざっくり言ってしまえば紡績戦術でも遠方市場に頼らない、(初回の売却以外)ほぼ港とセットでの運用であればギリギリ選択可能ではあるので、完全に全ての戦術を堪能出来るとは言えない(CPUが鉄道ー造船所戦術を取る事はほぼ無い(※こちらが港を押さえて行くと最終的に鉄道ー造船所に近い戦術を取る事はある)ので)が、それでも「一切の戦術的な自由度が無い」と言う程では無い(評価出来ると言うよりは我慢出来る、と言う表現の方が近い)。
何よりフリーズに強制終了、ゲームを始められないと言った致命的なバグがアプデの度に周期的に発生する白ブラスと比べたら、戦術的な自由度の低さくらいは可愛いものではあるw


●クラバヤス(スマホ)


「トリテ界の重ゲー」「最も優れた2人用ゲーム」みたいな煽り文を見て、「俺みたいなトリテ苦手/嫌い勢でもトリテの魅力に気付けるんじゃないか」って事でやってみた。
ゲームとしては得点にラミー系の要素が絡んだマストフォローのトリテ。切り札を決める部分を若干ややこしく感じたが、実際にやれば一発で分かった。
BGGの重さは2.75になってたけど、体感的には2よりはちょい重いかなくらい。2.5ならまぁ納得、って感じ。
やっぱりトリテへの苦手意識、嫌さは払拭出来なかったw
相手をコントロールする面白さ、それがハマらない時の悔しさ、みたいなのが勘所なのは分かるし、カウンティングが(カード配りきりじゃないので)比較的弱い分、トリテの面白さを「そこ」だとすれば、その面白さを十二分な量と濃さで体験出来るゲームだとは思う。トリテの中では(低い満足度ながらも)比較的楽しめた部類ではある。
ただ、相手が切り札のスートのカード5枚くらい持ってる、とかを見せられると(前述のラミー系の手役を持ってる場合、カードを配った後で手札を公開して訳が完成している事を示す。その際切り札でストレート的な役が出来てるのを公開されたりする。勝てるかそんなもん。)戦う前からもう萎えるwそう言う意味では(昔紙のMTGやってた頃からずっっっっっっっっっっっっっっとクソ運勢なので)ウィングスパンでもそうだけど「引き運」と感じる閾値はどこか、って言う話で、トリテやウィングスパンの場合はそう感じる、って事なんだろうな。
500点取れば勝ちのゲームで普段は5点とか10点の取り合いをしてるのに、終盤にいきなり切り札のストレート(シークエンス)とか見せられて150点とか取られたりするので、その場合そっとアプリを落とす。悲しみ。


●クリベッジ(スマホ)


ここ1~2年、最もお世話になってる(動画を見てる)ボードゲーム系のYoutuberの方がお勧めされていて、ずっと気になってた作品。ただ、アプリはDLしてたんだけどトランプゲーだしルール覚えるのしんどそうだしまぁその内その内、で先延ばしにしてた。
で、先月上述のクラバヤスなどトランプ系のカードゲームのアプリをいくつかDLしたので、この期に全部とは言わないまでもいくつかやっちゃうか、って事でクラバヤス、クリベッジ、ジンラミーを遊んだ。その3つの内、一番気になってて一番最初に遊んで、一番プレイ回数が多いのがクリベッジ。この2~3週間でもう50~100回くらい遊んでるw
2人ゲー。ルールは思ったよりも簡単。カードをお互い6枚配る。で、2枚ずつ捨てる。これで手札が4枚、相手の手札も4枚、捨て札も4枚になる。
最初に1枚カードをめくる。自分と相手の手札を場に出し合って、場札の合計(10~Kは10として計算)が31に近付く様にする。超える事(32以上)は出来ない。
ぴったり15&31にしたプレイヤーには2点、31にはならなかったけど近い数字にし(て、相手がそれ以上手札を場に出せない状態にし)たプレイヤーには1点。
それが終わったら手札を回収。最初にめくったカードはここまで何の関係も無いけど、こっから絡んでくる。最初にめくったカード+手札の5枚で役を作る(15になる組み合わせは2点、1ペアは2点、みたいな)また、どちらかプレイヤー(最初に順番を決める)は、捨て札4枚+めくったカードの5枚セットでも得点する事が出来る。これらの合計が121点になれば勝ち。
第1フェイズのブラックジャック的なゲーム
第2フェイズのラミー的なゲーム
のざっくり2つのゲームを融合させたゲーム。基本的には第2フェイズの得点の方がデカくなるんだけど、第1フェイズの得点も無視出来ない。
どんなに豪運でも1回のフェイズで20点を超える事は滅多に無い(一回CPUが22点ってのを出したけど)ので、クラバヤスと言うかトリテよりは精神的に楽w
基本的には地味な確率と期待値計算のゲーム。そう言う意味ではブラフやヘックメックに近いと言っても良い。ダイスと違って期待値計算はかなり面倒臭いんだけど、今使ってるアプリだとヒント機能があるので、何も考えずに使っても良いし、自分である程度概算で選んで、正解の確認としてヒント機能を使っても良い。最初は前者だったけど、最近は後者になった。
厳密には細かい計算が要る事もあるけど大体は概算で済む(基本15になる組み合わせが多いパターンを選べば大体正解)ので、ほぼほぼ脳内で処理出来るし、それでダメならヒント機能を使えば良い。このやり方だとかなり気軽に遊べる。縦画面なのも嬉しい。
頭を使う度合いで言うとかなり低め(確率&期待値計算「しか」しないから)なんだけど、ソリティア系のアッパー版とでも言うか、ほんと気軽&手軽に遊べる。縦画面で気軽に遊べるって言う意味では7Wonders Duelって言う偉大な先達がいるんだけど、そこに匹敵とまではいかないにせよ、脳のリソースを消費したくない時にはある意味7Wonders Duel以上の選択肢になる様なゲーム。
まぁこの辺はちょっとした計算に対する忌避感なんかにもよる(俺は記憶力皆無なので覚えるのは苦手だけど、算数/計算系には一切忌避感が無い)とは思う。俺は気に入った。クラバヤスと後述のジンラミーは多分本体内から早晩消えるけど、クリベッジは残り続けると思う。


●ケイラス(PC)


古いプログラム版。数年前にもっかいやってみるか、となってたんだけど、その時は動かなくて(AIが起動しなくて)放り投げてた。
改めてやってみたらファイル置いてる場所が2ビバイト文字(日本語)だったのが原因だって事に気付いて、無事動いて遊べた。
恐らく世界最初のワーカープレイスメント。アクリコラより2年早い。
この時点で
・公共建築物と私有建築物
・主に資材を得る建物の建築、主に勝利点を得るお城の建築(リソース取得と勝利点分離)
・ワーカーのコスト(と公共/私有によるコストの差)
・建物の稼働/非稼働(荘官)
など、後のワカプレで出て来る要素は大体揃ってる。
当然ケイラス以前には概念すら無かったモノも多いので、ブツでやってた頃はルール読み+プレイで半日近くかかったりしてた。今となっては基本的なルール理解は「細かい要素が多いワカプレ」で良いので大幅に敷居は下がってるし、何より当時のルールを(一回読み直せば)大体思い出す程度には覚えてたし、プログラム版なので各種処理が自動化されてかなり楽になってるのもあって、大体1プレイは30分~1時間程度。短くはなったが、デジタルボードゲームとしてはかなり重い方。まぁゲームがゲームなんでしょうがない。
なんだかんだで今やっても多少煩雑な程度で面白さは全く色褪せていない&その煩雑さもプログラムが大半吸収してくれてるので、デジタルで遊ぶのであればお勧め度はかなり高い。スマホで出て欲しいけど、まぁ無理だろうねぇ。


●コンコルディア(スマホ)


初ゲルツ作品。俺が遊ぶのも初だしスマホアプリとして出るのも初。そして初ロンデル(風)。
システムは超シンプル。毎ターンやる事はカードを1枚プレイするだけ。カードを購入する事でデッキを強化していくって言う意味ではデッキ構築なんだけど、ドミニオン的なデッキ構築との決定的な違いはデッキ内にランダム要素が皆無な事(デッキのカードを回収したら、全てのカードから選んでプレイ出来る様になる)ので、厳密には「デッキ構築」と言う言い方をするとちょっと混乱を招きそうではある。
このシステムだとカードを7種類覚えてさえしまえば、それだけでゲームを始める事が出来る。凄まじくシンプル。
ロンデルの進化系と言われるのは恐らくデッキ構築(同じアクションを2回選べない→購入したカードを使える様になるまでに1クッションかかる)の部分。純粋なロンデルを遊んだ事が無いんだけど、何となくこう言う事なんだろうな、と言うのは類推出来る。
そして、得点もデッキ(カード効果)で決まる。つまり、カードはアクションと得点両方の意味がある。これによってカード購入が自分のアクションを強化するか得点を強化するか他プレイヤーのカットの為か、3つのand/orが絡むジレンマを楽しめる。
盤面の陣取り、資源の管理、そしてカードに関する攻防。カードをプレイする、と言うシンプルなアクションで非常に濃厚なゲームプレイを楽しめる。
拡張も現在ブツで流通してるマップや拡張は最終的には全て遊べる様になる予定。これはかなり珍しい(複数のマップや拡張があるゲームで、それを全てフォローしてるボドゲアプリは皆無に近い。カタンやチケライ、カルカソンヌやSteamなんかは複数DLC、マップがあるけど、全体の一部)
現状では
・日本語化されてない
・マップの縮小を最低(最小表示)にしてもマップの全体図が1画面で見れない
って言う問題点があるので、日本語対応は望み薄だけど、マップを縮小すれば全体図が見れる様になればかなり高い評価をして良いゲームだと思う。今年の良作3本を選べ、と言われたら、俺はスマホ版ガイア、テラフォ(のアプデ)、コンコルディアの3つを選ぶ。


●サンクトペテルブルグ(PC)


これも古いプログラム版。当時プログラム版ではイスファハンと並んで遊び倒したゲーム。久々に起動したけど無事に動いて良かった。
ゲーム的にはシンプルな拡大再生産。今となってはよりシンプル/よりミニマムな拡大再生産はいくらでもある(最近やったのだとミントワークスとか)けど、当時としてはかなりシンプルで分かり易い拡大再生産だった。
農民を買う事で収入(お金)を得る。建物を買えば勝利点が得られるし、貴族を買っても収入や勝利点が得られる。貴族は最後にボーナス点にもなる。また、これらをアップグレードする事も出来る。
基本的には(初版は)天文台引いて貴族揃えた方が勝つんだけど建物戦術でも動き次第では勝ちの目はある。カードのドロー枚数が可変(場には8枚のカードしか置けない。「足りない枚数を補充する」ので、例えば最初に並んだ農民8枚を誰も買わなければ建物は並ばない)なので、ドロー枚数のコントロール合戦も熱い。ゲーム終了の条件が各種デッキ(農民、建物、貴族、アプグレ)を引き切ったらなので、そこの攻防も地味ながら楽しいゲーム。


●白ブラス(Steam)


ぶっちぎりで今年最低のゲームはこれ。それどころかこの世界に存在するあらゆるデジタルボードゲームの中で最低のゲームまである。
酷さ、と言う意味では公式を盾にAndrominionをGoogle Playから叩き出した挙げ句、英語のみ&ぼったくり価格&クソもっさりで誰からもそっぽ向かれて1年経たずに配信停止で結局Androidユーザーにドミニオンを遊べなくさせただけだった、って言う伝説のクソドミニオンことMaking Fun版ドミニオン(現行のTemple Gates Games版ドミニオンとは別物です。念の為)に匹敵するかもしれない。嫌さ、と言う意味では個人的にデジタルボードゲームで一番嫌いな東海道に匹敵する。
noteの白ブラスレビューを書いた7月が評価のピーク(フリーズバグの修正がなされて多少不便ながら普通に遊べる状態)だった。その後はアプデの度に「何かバグが入って遊べなくなる→その修正」って感じで、この半年の半分とまでは言わないけど、1/3くらいの期間、何かしらの致命的なバグ(フリーズ、鉄道が15枚あって14枚目を使うとフリーズ、鉄道の時代の中盤に開発をするとフリーズ、ニューゲーム押してもゲームが始まらない)でゲームがマトモに遊べない状態だった。なお今は現在進行形でニューゲーム押してもゲームが始まらない、つまりゲーム画面を見る事すら出来ない。ので、点数を付けるなら0点しか選択肢が無い。
これが「最初は酷かったんだけど修正されて良くなった(noteに白ブラスのレビュー書いた時)」のであれば救いはあるんだけど、その後も致命的なバグ→修正→致命的なバグ→修正のループで、ゲームのプレイアビリティを上げる様なアップデート(配信直後から何度も言ってるカードを捨てる時にそのカードがどこの都市なのかが分かり難い&右クリックでも左クリックでも同じ「捨てる」なので、どちらかのクリックでロケーション表示をして欲しいってのと、アプデで追加されたスキップ機能は優秀なんだけど、最後に出るスキップログを消す×ボタンが極端に小さい&そこを押さないとログウィンドウが消えないので、ログウィンドウの外をクリックするだけでウィンドウが消える様にして欲しい)は全く放置されたままなので、折角優秀なスキップ機能が追加されても微妙に不便なまんま。ここ最近のアプデはオンライン機能系しか修正されてないので、もうこのまま(ローカルゲームが遊べないまま)正式リリースするんじゃないかな、と思ってる。黒ブラスと同じ開発(Cublo)なんだけど、黒ブラスはAIの挙動がワンパターンでさえ無ければ、重ゲーで唯一縦画面対応な点と言いかなり高い評価をして良いゲームだった(AIの問題が致命的とは言え)。白ブラスに関してはゲーム制作が初めてのド素人が酒飲みながら目を瞑って作ってるんじゃないかってくらい全く安定してない。「ボードゲームの酷いバグ」って、大体は数十回に一回フリーズする「事がある」とか、挙動が遅くなる「事がある」程度ですら大騒ぎになる(アプリ版アグリコラなど)んだけど、白ブラスの場合は初期のフリーズは「80~90%の確率」で、その後復帰して再起動しても確定フリーズ=ゲームを新しく始める以外の選択肢が無いし、その後のフリーズも基本的には再現性100%の物が多く、再起動したらゲームが進むのはそれだけでも大分マシ、最新のゲームが始まらないバグに至ってはそもそもゲームが始められないと、これまでの「酷いバグ」なんかとは文字通り次元が違う酷さ。もうクソボードゲームアプリオブザイヤー殿堂入りで良いと思う。


●ジン・ラミー(スマホ)


その名の通りラミー系のトランプゲーム。
手札を各10枚配って場か捨て札から1枚引いて1枚捨てる。同じスートで3枚以上の連続した数字(ストレートフラッシュ)か3枚以上の同じ数字(スリーカード↑)になれば役になる。手札の「役以外」のカードの合計点が10点以下(10~Kは10点)になれば手札を公開「しても良い」公開して相手より点数が低ければ、その差分が得点。相手の方が低ければ相手の方に得点。合計得点が100点超えたらゲーム終了。いくつかの点数を加えた合計得点の勝者が勝ち。大体100点超えた側が勝つ。
これならラミーキューブで良いかな。10枚しか選択肢が無いせいで、運の要素が極端に強くなってる。さっきのクラバヤスじゃないけど、それこそ配牌~2,3Tでノック(公開)されて50点負け、とかがちょくちょくあって萎える。ラミーキューブほどパズル要素が強くない(ややこしくない)のは評価点ではあるんだけど、ラミー「風」で良いならクリベッジで十分。運の要素と言うか「クソ運でボロ負けした時の点数」がクラバヤスもジンラミーも極端に高い(言ってしまえばクソ運負けでライフの半分~1/3持って行かれる)ので、しんどい。


●Steamのボードゲーム色々


大鎌戦役やポーションエクスプロージョン、アイルオブスカイ、ブルゴーニュの城、スルージエイジズ、Steam(蒸気の時代のリメイク)、など。どれもスマホで持ってるんだけどスルージエイジズは取り敢えず買っとくか、大鎌戦役はひょっとしたらスマホではダメだったのがマシになるんじゃないか、ブルゴーニュの城(スマホ版)はソロモードが無い事による遅さがネックだったのでアプデに期待して先買い。他はセールだったので取り敢えずめぼしい奴を一通り買っとくか、って感じ。
どれも基本的には(当然だけど)スマホと一緒だった。ただ、動線と言うかマウス移動の距離なんかの関係で、基本的にはスマホ版の方がスムーズに動けた。これはスルージエイジズですらそうだった。ので、基本的にはスマホ版>Steam版で、極少数の例外だけがSteam版>スマホ版、と言う認識で良さそう。
ただ、スマホで画面を占有するソシャゲなんかをやっていた場合に「ゲームしたい」となった場合の選択肢としてSteamでボードゲーム、と言う選択肢であれば及第点ではあった。


●スピリットアイランド(再)


精霊になって島に入植してくる人間を追い出すゲーム。ルール的にはかなりややこしいんだけど、ざっくり言ってしまうとデッキ構築系のカードゲーム。
自分の陣地(精霊の棲み家)をボード上に展開。この棲み家が増えると毎ターンのパワーやドローも強化される。この収入を使ってカードをプレイする。
カードには色んな効果があって、自分の奉仕種族(ダハン)を動かしたり敵(人間や建物)を動かしたり消滅(撤退)させたりする。また、カードにはそれ自体にもパワーがあって、1Tに必要なパワーが貯まると精霊の特殊効果が使えたりする。
カードをプレイ出来るタイミングは2パターン。相手の「前(速攻パワーフェーズ)」と「後(遅攻パワーフェーズ)」。精霊やカードの効果でプレイタイミングを弄る事が可能な物もある。
敵(人間)のターンになったら人間や建物がいる土地はダメージを受ける(都市化されて自然にダメージがある、的な感じ)。前述のダハンとの殴り合いになる(精霊は殴り合いに参加出来ない)んだけど、「必ず人間側が先に殴る」のがミソ。ので、基本的に速攻系でダメージを減らしたり調整して、生き残りがいればダハンで打ち取る、みたいな形が理想になる。
この殴り合いで土地へのダメージが大きくなると土地が荒廃、この荒廃が広がると負けになる。荒廃が広がる前に人間や建物を追い出せれば勝ち。恐怖とか勝利条件の変化とか荒廃の連鎖とか色々あるんだけど、ざっくり端折ると大体こんな感じの説明になると思う。
初回でやった時は英語なのもあって、何がどうなってどう動いてるのかさっぱり分からないまま荒廃が広がって負け。その後数回やったけど、やっぱり同じ感じになったので放り投げてた。
で、その後Steam版を買ったので、カードの和訳チェックをスマホでやる事でプレイの煩雑さを大幅に削る事に成功。また、出て来るカードが固定化される初心者設定がある事もこの辺で知ったので、まず初心者設定で出て来るカードを覚える事を目標に数回やって、それで漸くどんなゲームかが理解出来た。いやもうほんと面倒臭かった。
ただ、ゲームがちゃんと遊べる様になってからはなるほど確かにBGGの投票でソロお勧めの1位取るわ、となる位には面白さが理解出来る様にはなった。
未だに初心者設定で雨燕(雷鳴を轟かす雨燕)でしかプレイ出来てない(カードと精霊の特殊効果が覚えられない)んだけど、それでも十二分に面白い。
ゲーム的には良くタワーディフェンスに喩えられる。敵側の動きは事前に全て分かる様になってる(どこに入植してどこで建築してどこで殴り合いが起きるか、が全て1T前には分かる)ので、それを睨んで対処をしていく事になる。デジタルなタワーディフェンスとはちょっと違うんだけど、この「敵の(直前の)動きが分かっててそれへの対応を積み重ねていく」ってのはなるほど確かにそれっぽさはある。
慣れるまではほんとボコボコにされる。初心者向け設定でやってるにも関わらず5回や10回は手も足も出ずにコテンパンにされる。ただ、そうやっていく内に精霊の固有パワーを利用する為のデッキ(手札)の構築、棲み家の取り方、負けない戦い方が分かってくる。
慣れると初心者向け設定の雨燕であればほぼ安定して勝てる様になった。それ位プレイングに明確に差が出る様になる。
ただ、カードを覚えられないので未だ初心者向け設定の雨燕でしか遊んでなかったりする。年末年始~来年以降には他の(初心者向けの)精霊のカードを覚えて、、通常モードのプレイまで出来る様になりたい。なお、ここまで出来る様になっても更に敵国やシナリオ、テーママップ、拡張(BRANCH AND CLAW はスマホ版のを購入済)まである。先は長い。


●スピリットオブザフォレスト(スマホ)


王と枢機卿のリメイクのリシュリューのリメイク。王と枢機卿→リシュリュー→スピリットオブザフォレストと、リメイクされるごとに簡単になっていってる。
スピリットオブザフォレストだと殆ど上海的なコマ取りパズルになってるんだけど、石の取り置き、相手の取り置きしてるカードを(こちらの石を消費する事で)取れる、などの要素によってシャハトの匂いは感じられるデキにはなってる。初心者向けのシャハト作品としては悪くない。ただ、そこのカテゴリーにはコロレットって言う超絶大傑作があるのが悩ましい所。将来王と枢機卿をやる第一歩として、とかかな。

●テラフォーミングマーズ(アプデ)


去年の時点でテラフォーミングマーズは(特にデッドタイムがほぼ無くなるソロは)かなり良いゲームだったんだけど、それでもターンとターンの間などのちょっとした時間のアニメーションで地味に時間がかかったりで、トータルでは結構な引っ掛かりがあった。
それがアップデートでアニメーションがほぼ全部スキップ可能に。これにより、ソロモードは約5~6分で遊べる様になってデッドタイムがほぼ皆無に。プレイアビリティが大幅に上昇、プレイに完全に没頭出来る様になった。
スマホ版ガイアとコンコルディア、特にスマホ版ガイアが配信されてなければ、「今年最高のゲームは去年のテラフォーミングマーズです^^」まであった。
ここまでの単位時間辺りの満足度とプレイ感の軽さを両立したゲームは他にない(スルージエイジズやスマホ版ガイアの方が満足度は高いけどプレイ感が重いので、夜通し連戦、なんかは脳が溶ける。テラフォだとかなり余裕。)ので、今年のプレイ回数はぶっちぎりでトップ。軽く1000回超えてる。
プレリュードも抜群に良かったんだけど、そろそろマップ系の拡張も出て欲しいんだけどねぇ。


●テラミスティカ(再)


今年の5月に初めてやったんだけど、その時の感想は「俺のプレイスタイル(CPU戦、最少人数。テラミスティカだと2人)だとマップがスッカスカで盤面が貧相。ショボい」って感じ(5人でも2人でも同じマップを使う&人数によってターン数などは基本的に変わらない(6T。パワーが増えやすくなる、ってのはあるけど)ので、2人だと単純計算で5人時の4割程度のマップ使用率になる)で、取り敢えずガイアプロジェクトの踏み台にはなったからまぁいっか、って評価だった。
で、10~11月の微妙評価のゲームを再プレイしよう月間で再プレイ。本末転倒気味だけどガイアプロジェクトでテラミスティカ的なゲームに慣れたのもあって、一気に評価が上がった。再評価枠ではスピリットアイランド並の上昇率w流石にガイアプロジェクト以上では無いけど、1~2歩劣るけど十二分に面白いゲーム、って評価になった。
ゲームとしては時系列は逆だけどガイアプロジェクトと大体一緒。スコップを使って土地を開拓(テラフォーミング)して住居を建てる。住居は交易所や砦、聖域、神殿にアップグレード出来て、それによって収入も変化する。スコップや川を隔てた先に開拓出来る船はアップデート可能。パワーは収入や他プレイヤーとの絡みで入手可能、教団ボードによってもパワーや得点を入手可能。神殿や聖域を建てれば恩恵タイルが貰える。
ガイアプロジェクトとの最大の差異は町、と言うか建物建築のルール。テラミスティカは完全に密着してないと(基本的に)建物が建てられない(ガイアプロジェクトの場合はQICコマがあれば多少離れていても建設可能)し、町の建設は「隣接した4軒(聖域があれば3軒)で、パワーの合計が7(ガイアはパワーが7になってさえいれば、ほぼ他の縛りは無い)」
この2つによって、テラミスティカは陣取り(相手の建設可能な土地を抑える事によるメリット/抑えられる事によるデメリット)の要素が非常に強く、町の建設をかなり初期から見据えた建設プランを建てておく必要がある。間の一ヶ所を他プレイヤーに抑えられたお陰で建築出来なくて町も作れない、とかが十二分に有り得る。
これによって、テラミスティカは陣取りの要素が強くてよりカツカツ、ガイアは自由度が高くて「自分の戦略プラン」の強さを開陳出来る楽しさを堪能出来る。どっちにも良さがあるけど、俺はガイアの方が好きではあるけどテラミスティカも悪くない、って感じ。
こう感じる様になったのはプレイする種族を変えたから。プレイする種族をジャイアントにする&初手で無理矢理にでも砦を建てる事で毎ターン1軒住居を建てられる様になって、盤面展開力が大幅に上昇。盤面を埋められる程では無いにせよ、少なくても感覚的には「スッカスカで貧相」では全く無くなった。
今後は別の(盤面展開力の強い)種族をいくつか試して練度を高めたい所。拡張も炎と氷は出てる&買ってるので、そっちもその内やってみたい。


●ドミニオン(Steam、スマホ)


言わずと知れた初期のデッキ構築ゲーム。
MTGの構成要素をボードゲームに翻訳する試みはドラフトが2000年にあやつり人形、妖精奇譚が2004年、完成版と言って良い世界の七不思議が2010年に出ているが、デッキ構築に目を向けたのは恐らくドミニオンが初めて。
ゲームとしては単純。最初はデッキにお金と勝利点しかない。ドローは5枚。手札からお金を払って場にあるカードを買う。買ったカードは墓地に行く。デッキが空になったら墓地のカードをシャッフルしてデッキに。この時に購入したカードがデッキに行く。購入可能なカードは10種類の毎ゲームランダムなアクションカード、お金(1/2/3金)、勝利点(1/3/6点)。6点の勝利点が場から無くなるかその他のカードの内3種類が場から無くなればゲーム終了。勝利点の高いプレイヤーの勝ち。
これだけ。自分のターンにやる事は基本的にカードを使ってお金を払ってカードを買う。この繰り返し。
ただ、実際にやるとかなりややこしい。(俺みたいに)MTGとまでは限定しないけどTCGのプレイ経験があればかなり楽(「ドミニオンは簡単」って言うのは基本的には経験者、特にTCG民の意見だと思った方が良い)なんだけど、その手の土台が無いと慣れない期待値計算と言うか「どう動いて良いかがさっぱり分からない/ゲーム的に「正しい」行動を取れない」って事が容易に起こり得る。
スライのマナカーブ理論なんかが有名だけど、「デッキにカードが何枚あればターン最初のドローでこのカードを引けるのか」みたいな確率の話を普段から(概算程度でも)日常的にやってないと、適切な判断をするのはかなり難しい。これって慣れてる人は恒常的どころか寧ろ四六時中どころか行住坐臥常にやってる様な話なんだけど、逆に慣れてないとそれこそ人生で一度やった事無いレベルなのよね。
とは言え概算レベルの計算ならそこまで大した物ではないので、慣れてしまえばサクサク遊べる。
ドミニオンはこれまで2回アプリ化されてきた。最初のAndrominionは非公式なんだけど、日本語化も有志の手によって行われてきて(現時点で異郷までは日本語化済)かなりクオリティが高かったんだけど、次のMaking Fun版ドミニオンが公式アプリとして出るって事でGoogle Playから排除された。その後もGithubで開発は続いてるんだけど、入手の敷居は凄まじく高くなった。
で、Making Fun版のデキが良ければ良かったんだけどこれが最悪。動きはもっさりで日本語には一切対応していない上、拡張の値段も非常に高くては全部で10000円以上。スルージエイジズが7本買えるwアプリの相場から言うと中量級のゲームが20本近く買える様な価格だったので当然の様に売上は伸びず。結果1年でサービス終了、配信停止になった。これが2016年の10月で、以後5年間Google Playにはドミニオンが無かった。
そこにRace for the Galaxyでかなり強いCPUに超サクサクな動き(1プレイ2分で終わる)、見易いインターフェースとボードゲームの上質なアプリを5本選べば必ず選ばれる様な高クオリティなアプリを作ったTemple Gatesがドミニオンの作成を発表。出来上がったんだけど、さて。
ゲームとしてのクオリティは非常に高い。動きはRftG程では無いけどかなりサクサク。Temple Gatesとしては初めて日本語に対応、プレイするのに一切の支障は無い。
問題点と言うかネックは2つ。
一つは値段。合計価格が10000円以上だったMaking Fun版と同じ。ただ、これはSteam版と同じ価格で、Steam版とのアカウントの共有が可能な事を考えたら「Steamユーザーがスマホ版でDLCを買う事で安くあげる(基本的にスマホ版の価格はSteam版の半分が相場)」を避ける為にはしょうがないとは言える。ただ、スマホ版のみのユーザーからしたら単純にぼったくり価格(チケライのDLC全部買うのの約2倍かかる)。
もう1つはTemple Gatesは全く悪くない、ドミニオン自体の欠陥の話なんだけど、アイコン化が一切されてない事。RftGやテラフォーミングマーズがサクサクプレイ出来る最大の理由はこのアイコン化で、これによってカード効果を「覚えていなくても」一瞬である程度判断出来る。ドミニオンはアイコン化がされていない&カード効果もそのままでは見れないので、カードを全て覚えるまでは一々カードを長押ししてカード効果をチェックしないといけない。これは1プレイ2分で遊べるRftGなんかを比較対象とするならこれだけでゲームセット、勝負アリと言える位には致命的なもっさり感になる。
ゲームとしては最高峰とは言えないまでもそれなりには楽しいし、もっさりではあるけど日本語化もしっかりされてるので、決して悪いゲームでは無い。ただ、1プレイは(数百種類のカードを全て暗記しない限り)10~15分はかかる。
これはRftGだと5回以上、テラフォーミングマーズを2~3回、何かでもたついたらガイアプロジェクトやスルージエイジズ(20分程度)すら遊べる様な時間。それらと比べる程の満足度があるのか?ってなると、まぁ相当厳しい。絶対値はそこそこだけど相対値はかなり低め。ただまぁ相手が悪過ぎる(比較対象が全ボードゲームアプリの中でも最高峰のゲームばかり)ってのはある。とは言え「あのRftGのTemple Gatesなのだから」ってのは常に枕詞になる(くらいにはRftGのデキが抜群に良い)ので、ドミニオンしかボドゲアプリを知らない様な素人相手なら兎も角、ボドゲアプリの知識がある相手だと厳しいだろうなぁとは思う。
細かい話で言うと基本セットを無料にした事でソシャゲ(基本無料ゲーム)に埋もれる様になったとか、カードゲームカテゴリに設定したせいでボードゲームのランキングで検索しても引っ掛からないとか、結構ヤバいポイントはある。そこまで思い入れがあるゲームでも無いし凄まじく面白いゲームとも思わないけど、Temple Gatesには期待してるので一応お布施代わりに拡張は1つ(海辺)買った(後1~2つは買っても良いかとは思ってる)し、次回作に続いて欲しいとも思う。これでコケてRftGやロールフォー拡張が追加されない、とかになると困るw


●Twilight Struggle(再)


米ソ冷戦を題材にしたカードドリブン型のゲーム。ウォーゲームと言われる事が多いけど、カードドリブン型の陣取りって表現が多分一番近い(所謂ウォーゲーム的な「ヘックスマップに大量の兵士、兵器チットが並ぶ」とは全く違う)。システム的にはエルグランデの進化系とも言えるw
基本はカードドリブン。カードをプレイして影響力を各国に配置、各国の影響力が一定値を超えれば支配出来て、決算時に支配国の多さで点数が決まる。相手との点差が一定を超えるかヨーロッパを支配した側の勢力の勝ち。
細かい要素は係争地に存在/優勢/支配、ヘッドラインフェイズにデフコンレベルに軍事作戦値に影響力排除にクーデターに宇宙開発競争と数限りなくあるけど、基本はこれだけ。
以前やった時はアメリカ側でやってたんだけど、序盤に瞬殺されるのでゲームの動きが全く分からないし全く面白くないので放り投げてた。
で、Steam版を買った&再プレイ月間って事でスピリットアイランドと同じくカードチェックはスマホで、ゲームプレイをSteam(PC)で、勢力をソ連側でやったら漸くどんなゲームか理解出来て、何とかクリア出来た。
ただ、Twilight Struggleはスピリットアイランドの様な初心者設定が無い(ソ連でやるのがある意味初心者救済ではある)のと、CPUの思考時間が毎回(ターンの最初だけでは無く、カードのプレイごとに)1分ほど入るので、テンポが激烈に悪い。これはSteam/スマホ共通だった。これによってダメとは言わないけどかなり微妙かな、って感じの評価に。日本語化されてCPUの思考時間が皆無であれば、かなり良いところまでいけるゲームだとは思う。勿体ない。
ゲーム的には影響力を使った綱引き型の陣取りで、それが国→地域→世界全体→総合得点と拡大していく。世界征服の第一歩はご近所から。影響力排除やクーデターも基本的にはこの陣取りのサブ(フォロー)要素。
序盤はソ連が強く、後々アメリカが押し返す形らしい。「らしい」のはゲームが序盤で終わる形しか未だ経験した事が無いから。
相手陣営のカードは基本的に自分がプレイしても(相手に有利な)アクション効果が発動する、って言うのがキモで、これによって序盤はソ連側のカードが多いのでソ連が有利になってる。アメリカ側がソ連側のカードを使用した場合は、言ってしまえばアクション数が変わる(序盤は各プレイヤー6回のアクションラウンドがあるんだけど、アメリカ側がソ連側のカードを1枚出せば実質アメリカ6:ソ連7になる)ので、そら大幅に有利になるわ、って言う。
実際俺がソ連側で勝った時は序盤でヨーロッパの係争地を抑えてヨーロッパ支配勝ちした。
ゲームシステム的に引っ掛かるのはダイス依存度が結構デカい事。順当に行けば勝てるのにダイス運でひっくり返って負け、はかなり多い。この辺はウォーゲーム的な要素なんだろうけど、好き嫌いは別れそう。
もう何度かはやって慣れないとな~とは思うんだけど、兎に角アイコン化がされてない事によるカード(和訳)チェックのコストが凄まじく重い&待ち時間が一々長い。これも比較対象の問題ではあるんだけど、実質0のゲームばっかやってると毎回1分近い待ち時間が入るのは相当キツい物がある。どっちもどうしようもない(開発元のPlaydekが日本語化した事は今まで一度も無い)ので、スマホ版ガイアやテラミスティカ、スピリットアイランドやコンコルディアと比べるのは流石に厳しいかな。


●モダンアート(PC)


古いPCのプログラム版。
クニツィアの3大競りゲーの一つ。例外(気心の知れた友人とやるメディチ家とストロッツィ家)を除けば、世界最高の競りゲー。
ゲームのルールは簡単。プレイヤーは画商。それぞれ手札(絵)を持っている。手番プレイヤーは手札から絵を1枚出す。絵にはアイコンが書かれていて、それによって競りの形式が違う。競りはフリーオークション、一巡、一斉入札、指値入札、2枚同時競売の6種類ある。これによって競りをして、絵は競り勝ったプレイヤーの物になる。払ったお金は手番プレイヤーの物になる(例外有)。これを繰り返すだけ。
ただ、全ての絵が価値があるとは限らない。カードがより多く出されてる画家の絵ほど価値が高く、5人いる画家の内、4番目以下の枚数しか場に出ていない画家の絵には価値がない。これによって買った絵がゴミになる事も有り得る。
これを4ラウンド繰り返す。2ラウンド目以降も基本的には同じだが、絵の価値は累計になる。ただしそのラウンドで4番目以下の枚数しか場に出ていなければ、累計価値がどれだけ高くてもそのラウンド中は無価値になる。
ルールはこれだけ。非常にシンプルながら、一般的な競りの方法は全て内蔵されてる。価値計算も比較的分かり易い(何せそのラウンドの1/2/3位になった事による増加分以外の価値は全てボードを見れば分かる)。
ただ、CPUがクッソ強いw競りゲーはブツのボードゲームやってた頃は一番得意なジャンルだったし、自信も自負もあったんだけど、それが木っ端微塵に打ち砕かれる位にはボロ負けしまくったw
昔っからの通算だと100回以上、今年再開してからも20~30回やったけど、未だ一度も勝ててないw一回くらいは勝ちたいんだけどねぇ。つらい。


●ラー(PC)


古いPCのプログラム版。
クニツィアの3大競りゲーの一つ。後一つはメディチだったりハイソサエティだったり、宗派によってバラバラ。俺は3大競りゲーラス1はメディチやろ派だけどハイソサエティも好き。
当時としてはかなり難解と言うかややこしかった(何せ競りの種類が5+1種類もある)モダンアートで純粋な競りのみのゲームとしては複雑さの極致と言えるゲームを作ったクニツィアが出した競りゲーの最高傑作とも言われる作品。俺はモダンアートの方が好きだけど。
ルールは基本的にはタイルをめくるだけ。手番プレイヤーはタイルをめくるか競り(ラー)を宣言するかだけ(一応もう一個ある。後述)。超シンプル。
ただ、基本的には(予算制約を除けば)自由に値付けが出来る一般的な競りゲーと違い、予算が1~16のお金(太陽)コマで成り立ってる。これによって例えば自分の初期手札が13/8/5/2であれば、そのラウンドはその4つの値付けしか出来ない。
で、最初は場に価値1の太陽コマが置いてある。最初の競りで勝ったプレイヤーは場のタイルを取る&お金を競りで出した太陽コマと1の太陽コマを交換する。以後も競りで勝ったプレイヤーは場にあるタイルを取るのと同時に場の太陽コマと払ったお金(太陽コマ)とを交換する。こうやって交換して手元に残った太陽コマが次のラウンドで使えるお金になる。
タイルは他のタイルと交換可能な神(これは1アクション使って場にタイルと交換する事が可能。自分のターンに選べる3つ目のアクションはこれ)や数の多寡で点数が決まるファラオ、種類で点数の決まる文明やモニュメント(モニュメントは同じ物を複数持っていても得点が増える)などがある。また、災害コマって言って対応するコマを破壊する(捨てる)コマもあったりする。
これによって、自分に必要なタイルが何かの見極めが必要なのと同時に、場の太陽コマとの交換によるコストの変化も視野に入れながら値付けをしなければならない。例えば場に1枚しかタイルが出てないけど場の太陽コマが13なのでラーを宣言、みたいな事も有り得る。
この様に考える事は複雑なんだけど、実際にゲームでやる事はほぼタイルをめくるか競りを宣言するかだけ値付けも人数次第だけど手元の3~4種類の太陽コマからしか選べないので、選択肢自体は非常に分かり易い。
プログラム版は当然日本語化されてないんだけど、タイルにマウスのカーソルを合わせると効果が(英語で)表示されるので多少マシ。ただ、やっぱりタイル効果が書かれたリファレンスシートは出来ればあった方が良い。
こっちはモダンアートと違って普通に勝てるw
慣れてしまえばそこまでタイルチェックの煩わしさも無いので、アプリほど気軽に立ち上げられる訳では無いんだけどちょくちょく遊んでる。


●ROOT(再)


最初にやったのは日本語対応前。当然英語。(PDFなどでDL可能な)和訳がある訳では無いので、色んなルール解説の継ぎ接ぎをつなぎ合わせて何となくルールっぽい物を想像しながらプレイする、みたいな感じだった。
その当時で20回位は遊んだんだけど、カード系の効果が良く分からなくて微妙な感じで、日本語化されてもその時の印象で放り投げてた。
今回再プレイ月間だしって事でクッソ重い腰をあげて漸くプレイ。
所謂非対称ゲーム。猫野侯国だと建物タイルを作った時、鷲津王朝だとマップ上の止まり木に応じてターン終了時に、森林連合は支持トークンをマップに置いた際に、放浪部族はクエストの実行で、と、各プレイヤーはアクションどころか勝利点の取り方すら全く違う種族を使って陣取りをしたりしなかったり、戦争をしたりしなかったりする。
前回も今回もにゃん侯国でのプレイ。にゃん侯国はストレートな陣取りなので、一番取っつきやすいとは思う。
ネックだったのは戦闘。これもTwilight Struggleと同じくダイス式の戦闘なので、3倍の戦力で叩いても長時間粘られたり同数の兵力で殴り合いしてあっさり全滅したりと理不尽な負け方が多かった。後、カードの使用タイミングが思ってたの(その土地を占領してればそこかた取れる資源的な物を使ってカードをプレイ出来ると解釈してたんだけど、該当のカードがプレイ出来なかったり)と違ったりで終始微妙感が拭えなかった。好きな人はいるんだろうけど、取り敢えずダイスをゲームから排除してから出直してこい、ってのが正直な感想。ダイスゲーはやっぱフェルドやクニツィア級のデザイナーでも無いと上手く調理出来ないのかね。
ウォーゲームと言うか叩き合いのゲーム自体は大好きなんだけど(何せプレイ時間的には人生の何分の一かは対人戦のゲームをやってきた訳で)、大鎌戦役と言いROOTと言い、どうにも詰まらないと言うかしっくり来ない。それぞれ理由は違うけど。
一応後何回は勢力を変えてプレイしてみようとは思ってるけど、「戦闘がダイス」って言う致命的な欠陥がある以上どの勢力でやっても大して差は無いんじゃないか~とは思う。テラミスティカみたいな大逆転が起きると良いんだけどねぇ。


●ロレンツォ・イル・マニーフィコ(Steam)


ダイスを使ったワーカープレイスメント。BGGだとそう言うジャンル表現では無いけど、ダイスプレースメントとも呼ばれる。ダイスを振って、そのダイスをワーカー(家族コマ)として使用する。
ワーカーが置ける場所は4ヶ所で、それぞれ塔/収穫・生産/市場/評議会。
塔は4×4に分かれていて、領地/建物/人物/冒険の4種類のカードをコストを払って購入する事が出来る。コストは資源やお金以外にも軍事力が必要になる場合もある。各アクションスペースには一個しか家族コマを置けないし、それぞれの価値(下から1/3/5/7)以上のダイス目を出している家族コマしか置けない。ので、最上階に家族コマを置く為にはダイス目を弄れる召使いや他のカードを使ってダイス目を強化する必要がある。また、3/4階層以上に家族コマを置けば、資源が貰える場合もある。また、同じ塔(同一種類のカード)に誰かが家族コマを置いていた場合、2番目以降のプレイヤーは3金銀行に支払ってからでないと置けないし、同じ塔に同じ色の家族コマを置くことは出来ない(基本的に1プレイヤー1個しか置けないんだけど、いくつか例外がある)
収穫と生産以降は簡単。収穫と生産はそれぞれ領地と建物からの収入を得る事が出来る。ここでもダイス目=家族コマの価値が重要になる(家族コマの価値以下の領地/建物カードの効果しか発動しない)
市場は家族コマを置く事でお金や召使いを獲得する事が出来、評議会に家族コマを置くと議会特権+次のプレイ順番が決まる。
2/4/6ターン目には一般的なゲームの決算の代わりにバチカン報告があって、教会への信仰が低いプレイヤーは破門、強烈なペナルティを食らう。信仰は議会特権や一部のカードで稼ぐ事が出来る。
こうやって見ると非常にややこしいし、実際かなりややこしいw
ただ、慣れてくればアイコン化もされてるし軽いエンジンビルド(塔で収穫/生産を強化するカードを取って収穫してその収入でまた収穫/生産を強化して~)的な要素もある。兎に角要素が大量にあるので、どこに傾注するかはある程度絞り込む必要がある。
最重要は信仰。破門食らうとその時点でゲーム終了級のペナルティを食らうので、基本的にはこれを第一に考える。
後は収穫か生産のどちらを軸にするかを決めて、そちらを強化するカードを塔に行って取る。塔→収穫/生産→塔・・・が基本的な流れ。そこに信仰や軍事力を上手く入れ込んでいく。
慣れればかなり面白い。(擬似的なダイスプレースメントで大体同じくらいの重さの)ブルゴーニュの城辺りよりもタイルのアイコン化がしっかりしてるので、カードチェックの手間はほぼ無い。日本語化はされてないんだけど、慣れればほぼカードチェック無しで遊べる。
ただ、Steam版のロレンツォには一ヶ所だけ致命的な欠陥があって、これが本当に致命的。
それが「カードのダイス表示が小さい」点。しかも一番重要で良くチェックする収穫や生産絡みのボードの部分の数字が米粒菩薩かってレベルの小ささ。実際俺は色で多分これやな、でやってるw
これが改善されるだけで一気に評価は上がると思うw
今のままの状態でよしんばスマホ版が出たとしたら、ダイス目は人間の視認可能な大きさを下回るかもしれないw

ボードゲームに交わるエトセトラ Advent Calendar 2021、明日は斎藤(BrainBrainGames)さんの「ウォーゲームについて」の予定です。

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