この人のこと好きなんだなと思う時
登場人物
S1:教室 放課後
亜紗「(質問内容を再度優に確認され)そうそう。」
優「えー?何だろ、うーん・・・つい目で追っちゃったり、ふとした時に顔とか仕草が浮かんだり・・・。」
亜紗「あーあるよね!」
優「スマホで写真とか動画何度も見ちゃったり。」
亜紗「(興味津々で少し前のめりに)うんうん。」
優「手を振ってもらっただけで幸せ感じたり。」
亜紗「おーーーー。」
優「最後の歌が終わると寂しくて帰りたくなくなったり。」
亜紗「え?」
優「熱愛の噂がないか検索したり・・・SNSチェックしたり・・・。」
亜紗「え、えちょっと待って。」
優「何?」
亜紗「それ優ちゃんの好きな歌い手さんの話じゃない?」
優「ん?」
亜紗「(うなだれて)もーーーーー違うよ優ちゃん。私は歌い手さんの話を聞いてるんじゃなくて。リアルな話。」
優「・・・リアルじゃん。」
亜紗「現実の、今の話でだよ?」
優「そうだよ、この前一緒にライブ行ったでしょ。」
亜紗「あー・・・・まぁ・・・そうだね?(小声で)質問の仕方が悪いのかなぁ。」
優「え?」
亜紗「(両手を大げさに振って)何でもない、何でもない。」
優「何、バカにしてる?っていうか亜紗は全部知ってるでしょ私のことなんて。」
亜紗「ちょっとこう、感覚的なことを聞いてみたくなったというか。」
優「で、そっちは?」
亜紗「(疑問な顔)?」
優「そっちが聞いてきたんだから答え教えてよ。」
亜紗「あぁ!答えってこういうのないと思うんだけどね、わたしが思うのは・・・うーん、えーと(考える)」
優「・・・。」
亜紗「その人が笑顔だと笑顔になれて、悲しそうだと悲しくて。」
優「うん。」
亜紗「わたし以外の誰かと話してるとちょっといや・・・っていうか不安な気持ちになっちゃったりとかして。」
優「うん、分かる。」
亜紗「わたしのなんだから取らないでー!って子供みたいなこと思ったり。」
優「・・・。」
亜紗「あとその人のちょっとした言葉で宇宙まで飛べるくらい嬉しくなったり、深海に沈めてくださいってくらい落ち込んじゃったり。」
優「すごい高低差。」
亜紗「っていういろんな気持ちが大きなお鍋でぐーつぐつぐーつぐつかき混ぜられてる時・・・。」
優「(笑いをこらえきれず少し笑いながら)お、大きなお鍋。ぐーつぐつ・・・っ。」
亜紗「あ、優ちゃんこそバカにしてー!まじめに話してるんだよ!」
優「宇宙とか深海とか言い出した辺りからなんかちょっとおかしくて我慢出来なくって(笑う)」
亜紗「もーーーーー(軽く口を突き出してすねる)」
優「(こらえきれず)ははっ。」
亜紗「うーーーーー(すねる)。」
優「ごめんごめん。(まだ少し笑いが残る。)」
クラスメイト1「亜紗ちゃーん部室行くよー!」
亜紗「あ、はーーーーい。」
優「毎日頑張るねー部活。偉い偉い。(頭ぽんぽん)行ってらっしゃい。(笑顔)」
亜紗「(笑顔で)うん!」
優「亜紗!今日私委員会当番だから一緒に帰ろ。」
亜紗「え、そうだったの!?遅れちゃうじゃん。ごめんわたしに付き合わせて。(焦る)」
優「大丈夫だよ、言ってあるし。」
亜紗「ごめんね。あとわたし今日遅いかも。多分待たせちゃう。」
優「いいよ、待ってる。」
亜紗「わかった、じゃあとでね!」
優「うん。」
優「(亜紗の姿が完全に見えなくなった後)ふーー。(息を眺めに吐く)」
優回想1
優回想1・終わり
優「全部・・・が全部じゃないんだけどね。」
優回想2
優回想2・終わり
優「(スマホをギュッと握る)私のなんだから取らないでよ・・・策練らないとなぁ・・・。」
S2:校庭
亜紗回想1
亜紗回想1・終わり
亜紗「(嬉しくてにやにやしつつ)あの感じじゃ作戦考えないときびしそうだなぁ。(気合を入れて)よーーし!がんばるか!」
クラスメイト1「え?試合の話?」
亜紗「ううんーーー(にやにやしつつ)好きな人の話♡」
クラスメイト1「え、何々亜紗好きな人いるの??(興味津々)」
亜紗「そ、歌い手さんがライバルかなーーー。」
S3:【S1教室】の前の会話
亜紗「ねぇ、優ちゃん?あのね・・・(ギュッと自分の手を握る。実はものすごく勇気を振り絞って聞いているが、そう感じさせないように質問を切り出す。)」
優「ん?」
亜紗「この人のこと好きなんだなーと思う時って・・・。」
S1へ戻る(終)
書き終わった後のつぶやき
亜紗はもうめちゃくちゃ可愛い人にやってほしいなって思ってる。全世界彼女を愛すくらいに。(どんなだろ・笑)
優は独占欲のかたまりを隠しつつ、でもにじみ出ちゃうよねーって感じに演じてほしい。(どんなだろ・笑)
トップの画像はミモザのドライフラワー。
元の色は黄色でした。
黄色のミモザの花言葉は秘密の恋。
だそうですよ。