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待ち望んだ250号と日本一の3番4番

「いけ!!入れ!!!!!」


あの瞬間の球場の熱量は忘れられない。

私は山田哲人のホームランが大好きだ。彼は走攻守どれをとっても一流。もちろんどの山田哲人も好きだ。でもやっぱり私がファンになった気かっけでもあり思い入れも強い、ホームランが大好きだ。

昨年、自ら志願してキャプテンに就任しチームを日本一へと導いた。そんな彼に一つだけ達成を目前にして21年シーズンでは達成をできなかったことがある。それが「通算250本塁打」。

21年シーズンが終わった時点で「248 本」。22年が開幕した時点でまずファンが達成を心待ちにしていた記録だと思う。

私は2019年のシーズンオフ(プレミア12 )でファンになったファンだから、山田哲人が大きな記録を達成する瞬間に立ち会えたことがなかった。今年は立ち会えるかもしれない!!そう思いながら開幕戦を迎えた。

開幕カード阪神戦でさっそく22年シーズン第1号が放たれた。「249本目」、ついに記録まであと一本と迫った。正直この時点で私は相当浮かれていた。春に調子が中々上がらない山田哲人がさっそくホームランを打った!!これならすぐに250本目打っちゃうかもな〜でもどうせなら神宮で決めて欲しいな〜。

しかしビジターでの開幕カードを3タテでスタートし、浮かれていたちなヤクにすぐ現実が待っていた。


神宮開幕戦(対巨人)から3連敗


あれ???ヤクルトってどんなに打ってなくても神宮帰ると打ち始めるくらいホーム大好きじゃなかったっけ?寒いから??うん寒かったね。見てる方も凍えそうだったから打線も冷えちゃったね☆それにしても今年も巨人さん神宮大好きですね!!

こんなテンションになるくらいにはへこんだ。なんせ火ヤク庫なんて言葉があるくらいヤクルトスワローズは強力打線が魅力でありファンも大好きだ。打ち込まれ、貧打が続くことが何より辛い。

ひえひえの打線でも特に、3番4番が苦しんでいた。山田哲人、村上宗隆、記憶も新しい東京オリンピックでは侍ジャパンとして大活躍。あまりにも可愛いお姫様抱っこで世間を騒がせ、日本一となった21年は2人とも30本塁打、100打点を超えという大活躍であった2人。しかし開幕から中々調子は上がってきていなかった。

私としては、この状況は心配だけれど2人のことだから必ず調子を上げてきてくれるとわかっていたが、それでも試合中、試合後の2人の悔しそうな顔を見るのが辛かった。

巨人戦では痛い3連敗だったけど、次のカードからはきっと大丈夫。そう思っていたが初戦でメッタメタに打たれるし、打線は凍結状態のまま痛い敗戦をくらってしまった。

村上にやっと1本ホームランが出たものの山田は3打数ノーヒット。その日私は現地にいたのだが物凄く寒かった。きっと明日はいい天気だから大丈夫。もう深くは考えまいと切り替えた。


迎えた4月2日。昨日の天気が嘘かのような晴天。日差しもとても暖かかった。

2回表に1点を奪われるも、5回裏に1点を奪い返し同点。6回表、満塁のピンチを迎えるも途中交代の田口が見事ゲッツーを奪い無失点でおさえた。

そして6回裏、先頭打者は2番山田哲人。

初球から積極的に振り、ファール、ファール、ワンバウンドを見送ってボール、またファール。

このときに思った。これは私の勝手な主観なのだが、ファールで粘りボール球をしっかり見送れる、これは絶対打ってくれる。こんな場面を見る度にプレミア12や日本シリーズ第5戦のスリーランを思い出してしまう、調子のいいファンだから。


そして迎えた5球目、甘く入ったスプリットを見事捉え、レフト方向へ思いっきり打ち返した。

250本塁打を打つ山田哲人(22.4.2投稿者撮影)



スタンドにいたファンが総立ちとなりレフト方向を見つめた。


「いけ!!入れ!!!!」


綺麗に放たれた打球はそのままレフトスタンドへ吸い込まれていった。


やったーーーー!!!!!!!声にならない気持ちを拳に込め思いっきり両手を振り上げてしまった。そしてベースをまわる山田哲人へ彼のタオルを掲げた。


傘を振るのも忘れずっとタオルを掲げていた。少し冷静になったところで「あっパネル持ってるところ写真撮らなきゃ」とあわててカメラを持ったがその時には彼はボードを下げベンチに戻ってしまっていた。そんなところも彼らしいなと誇らしげな気持ちになった。


山田哲人通算250本塁打を打った試合。何がなんでも勝って欲しい。そう願っていた。しかし8回の男清水がまさかの失点。2-2の同点となってしまった。その後も両者は譲らず、今季ヤクルトスワローズにとって初の延長戦となった。


ピンチを招きながらもなんとか梅野が耐え、迎えた10回裏。サヨナラのチャンスが回ってきた。先頭の長岡がヒットででると続く山田が執念の内野安打を打ち、今日ノーヒットであった村上に打席がまわった。


なんとしてもここで打ってくれ。開幕からなかなか調子が上がらず苦しんできたからこそここで打って欲しい。私たちが大好きな「4番村上宗隆」の姿を見せて欲しい。22歳まだ若いが頼もしいその大きな背中を信じた。


初球は空振り、これを見た時、正直にいうと少し不安になっていた。調子のいい時の彼ならまだしも、今の彼にとって想像できない程のプレッシャーを感じながら打席に入っているはずだと。でも、もう願うしかない。祈るしかない今まで何度もスワローズを救ってきた村上宗隆を。絶対大丈夫だ。


しかし、彼はそんなプレッシャーや不安を吹き飛ばすかのようにライト方向へサヨナラの一打を放ったのだ。

サヨナラタイムリーを打つ村上宗隆(22.4.2 投稿者撮影)

その瞬間普段は感情をあまりださない山田が全力で駆け寄りとびきりの笑顔で村上に飛び込んで行った。そして何かから解放されたように吠える村上。



自分が250号を打った時は涼しい表情だった山田が嬉しさを爆発させるような笑顔を見せた瞬間だった。

この日のヒーローインタビューはもちろん山田村上の2人。

「(村上に)負けないように切磋琢磨して勝利に貢献したい。」


こう話した山田は自分のインタビューが終わったあと横で村上のインタビューを聞きながら嬉しそな顔で眺めていたのが忘れられない。

村上のヒーローインタビューを見守る山田哲人(22.4.2 投稿者撮影)


シーズンはまだ始まったばかり。こうやってまた勝敗で一喜一憂する季節がやってきた。楽しいこともしんどいこともたくさんあると思う。でもこの2人がいればきっとしんどいことも乗り越えてくれる。そんな2人、チームを今年も全力で追いかけて行きたい。そう思える試合だった。

12球団に様々なクリーンナップがいる。でもうちのクリーンナップが1番かっこよくて誇らしくて大好きだ。

これからも頼りにしてます。

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