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役者は揃った。

2022年9月2日、対中日ドラゴンズ戦。
今思えば今日のスタメン、打順が運命的だったんだろう。

相手は球界を代表するエース大野雄大。サイスニードが好投を見せるも、初回から強力スワローズ打線でも苦戦をしいられた。

しかし、運命の瞬間は意外とはやくやってきた。

3回裏、先頭の塩見がセカンドゴロで1アウト。

2番はここ最近ベンチスタートも多い青木宣親。
3度の首位打者に輝き、メジャーでも活躍した「23」番が先制の狼煙となるレフト前ヒットを放った。

3番はコロナウイルスに感染後、不調が続いたものの復活の兆しを見せ始めている山田哲人。
3度のトリプルスリー、東京オリンピックMVP、そして何より昨年はキャプテンとしてチームを日本一へ導いた「ミスタースワローズ」。

フルカウントまで粘り見事にセンター前にヒットを打った。

1アウト1、2塁。ランナーは青木宣親と山田哲人。そしてバッターボックスには50本塁打まで王手の49本塁打を放っている村上宗隆。相手は球界を代表するエース大野雄大。まさに「役者」が揃ったとはこの場面のことを言うんだ。そう思ってじっと画面を見つめた。

2ボール1ストライク。4球目、この日唯一の失投といえる甘く入ったカットボールを捉え、美しい放物線を描きボールは神宮のライトスタンドへ飛び込んだ。

確信歩きからゆっくりとダイヤモンドをまわる村上、そしてホームへと帰ってきた村上を山田と青木が出迎えた。

スワローズのレジェンドであり、村上が大好きな先輩でもある山田と青木がハイタッチで村上を迎える場面をみて。この時代に生まれヤクルトスワローズのファンとしてこの場面を見ていることがとても贅沢で幸せだなと感動に浸った。

でも、青木だって山田だって「過去」の人ではない。これからもっともっと活躍してくれるだろうし、村上の50本塁打だって22歳の村上にとっては通過点でしかない。

シーズンも終盤。でもきっと今日この歴史的な瞬間よりも、もっともっと素晴らしい場面が必ずみれると信じてる。役者はすべての「チームスワローズ」。

「熱燕」はまだまだここから。最高のクライマックスまで熱く燕じきれ。


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