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2ヶ月かけてヒロアカ1期から6期まで完走した初心者なんですが、好きです


#ネタバレ


今更ながらと言うべきか、いやはや「僕のヒーローアカデミア」を大好きになりまして…どうしてくれるんですか本当にもう、心操ほんとに


作品自体はもちろん知ってた、連載中のジャンプ作品の中でも特に人気なんだなぁ程度には

あと映画館でしょっちゅう流れる予告も見てたし、なんなら原作の1巻だけは昔読んだこともあるはず
その時はたぶん、世界観設定から感じられるヒーローもの「っぽさ」にかえって違和感と気恥ずかしさを強く抱いてしまったんじゃなかったかな…

配信ドラマの「ザ・ボーイズ」も途中から観なくなってしまったし、おそらくヒーロー論それ自体が中心に据えられた物語があんまり好みではなかったということなんだと思う、現実には存在しない問題って感じというか
その割にMCUもDC映画も大好きではあるんだけど、それはまた別の話で


といった状況の中にあって、たまたま強くおすすめされるタイミングがあったので観てみたらそれはもう完全に心を掴まれてしまった、これまでとこれからが全てこの作品に詰まってるじゃないかという話を以下ダラダラと書き散らかします

原作は読んでおらず、この2ヶ月でアニメのみ駆け抜けて大号泣しまくった、温度だけ高めの浅瀬チャプチャプ記録と思っていただけると幸いです





💥第1期

ハマらなかったら残念だなぁという不安を覚えるよりも早く、常軌を逸する勢いでどんどんどんどん話が進んでいく…
しかし序盤から主人公の人間性が細かく描写される・作画の安定感がある等とにかく安心して観ていられたな~

充実した世界観設定、バラエティー豊かなキャラクター、異能ものとしての軽やかなフィクション性、ベタであるがゆえに共感度の高いストーリー、そのどれもが暑苦しくならないギリギリの濃度で組み合わさっていく様は目を見張るものがあった!デクのまっすぐなセリフが嘘っぽく聞こえないのは驚異的なことだと思う

「平和の象徴」が象徴としてちゃんと機能していて、ヴィランはいるけど市民みんながヒーローを信じている世界という設定、これなかなかのおとぎ話感で最初は少し入り込みづらかったけど

後半の展開を踏まえると、この秩序は壊すこと前提だったのかもな…平和の維持を生身の人間に丸ごと委ねる社会という明るいディストピアであり、ステインの登場まではそのことをあまり強くは感じさせない語りのバランスも見事

あとはアニメにおける説明セリフの多さ、少し前に鬼滅の刃とかで話題になって実際自分もかなり苦手な要素ではあった
しかしヒロアカはそこも上手いね~~!デクがとにかくオタクであるため独り言や分析グセが尋常ではない、という設定をひとつポンと放り込んでいるので、キャラクターの奥行きが増すのと同時に説明セリフも違和感なく織り交ぜることに成功してる

持たざる者としてのデクが個性を得てしまう展開は少し意外というか拍子抜けではあった、あとクラス全員が声を合わせる等の演出に若干の気恥ずかしさを覚えたりもしながら、とはいえUSJ襲撃のくだりでは各キャラクターの雄姿にしっかり泣いた…

単なる学園ものではないという気迫を後半でチラつかせつつ、入試・入学・ヴィラン登場と素晴らしい駆け抜け具合の1期でした


🏃‍♀️第2期

体育祭・職場体験・演習試験とこれまたどんどん展開していくストーリーで、引き続きとんでもないテンポの速さに圧倒されながらも!キャラクターの的確な掘り下げとともに広がっていく物語がひたすら面白い、それに尽きるなぁという感じでした

ライムスターで言えば「K.U.F.U.」がすぐに連想されるような、持っているものをどう活かすか頭をひねる各キャラクターの活躍が常に楽しい、しかも毎話きっちり見せ場を用意しながら次への引っ張りも忘れないという連続ドラマとしての構成力も圧倒的で…

あとはヒーロー殺し・ステインの登場で序盤から続いてきた秩序がいよいよしっかり崩壊し始める、物語のなかでの問題提起としても納得感ある主張で興味深かったな~!その後のヴィラン連合へとスムーズに繋がる流れでもあるし
またそういうヒーロー対ヴィランの構図の中に、A組を中心としたキャラクターたちの葛藤と成長が丁寧に描写されるのも!青春ストーリーとしてやっぱり熱い

成長という意味では心操人使!!!!!この男の登場には衝撃を受けたな…デクが持たざる者の苦悩を象徴するキャラクターとして始まったとすれば、心操もまた一種の持たざる者、望むものとは大きく違う才能しか持ち合わせないという絶妙な設定で
なりたい自分との絶望的な距離を自覚しつつ、それでも最後にはまっすぐ前を向くひたむきさに強く強く心を打たれました、髪型はちょっとあれだけど

生徒たちの活躍をメインに据えつつ、それでもやっぱり圧倒的なオールマイトの存在感を十二分に示して!次への期待もどんどん高まる2期でした

もうねヒーロー名を決めるくだりなんかはもう、あーこいつならこういう名前つけるよね~くらいの共感と解像度を得てニヤニヤしながら観てる状態、取り返しつかなくなってました既に


🖐️第3期

この状況で不用心な肝試しはさすがにダメじゃない???とは思いつつ、林間合宿・ラスボス登場・仮免試験と引き続きペースを落とさず駆け抜けていく3期、これもすみずみまで面白かったな~~
この頃にはもうキャラクター全員好きになっているので、A組の面々が何かわちゃわちゃしてるだけで満足感を得られている

発生するアクシデントのシリアスさが増すにつれて、真面目さがゆえの衝突であったり、その後の関係修復も含めてA組の連帯が違和感なく強化されていくのが良かった…部屋紹介からの蛙吹なんてもう、それはもう

マスキュラー戦で踏ん張るデクを見ながら、ウルトラマンガイアの主題歌で「ここから一歩も下がらない」というフレーズがあったことを思い出した、ヒーロー像として日本特撮からの影響もあったりするのかもな〜

爆豪救出もこれまでの積み重ねがあってこそ輝くシーンだったし、とにかく学園ものでありヒーローものという題目を完璧に乗りこなしていく展開の連続という感じだった!他校の生徒との交流に至っては明確に「他校だ」と感じられるほど、雄英生に強い親しみを持ちながら観てた

オールマイトの引退という大きな喪失を経て、徐々に物語のトーンにも影の割合が増えていくのがまた期待を高めてくれる、充実の3期でした

この頃の高く濃い青空も、今となっては遠い記憶…


🎶第4期

今のところ最も好きなシーズン!!!!!!!
インターンからの八斎會、仮免講習を経て文化祭およびジェントル…全くもって無駄のないシリーズ構成は、テーマ性も含めて他のシーズンとは一線を画す充実度だったと思う

あえて言えばオーバーホールはちょっと薄味ヴィランというか、引っ張る割に動機がよく見えない感じがしたのもあって、最終的にはキャラ成長の踏み台に終始したように思ってしまった
部下の方がよっぽど切実な理由で戦ってたりね、特に切島と戦う敵はどれも一定の納得度があって魅力的だったし

しかし切島も良いキャラよ…今どき「男らしさ」にこだわるキャラクターなんて最悪だなと初めは思ってたけど、切島の場合は「なりたい自分」へのまっすぐな憧れと努力、それを底なしのド根性と温かい心配りで積み上げていく男だもんな~
いわゆる「多様性」ということで言えば、良い意味で自己完結する情熱としての「男らしさ」追求をしてる、意外と現代的なキャラクターであるようにも思う

ビッグ3やヴィラン連合も良い具合に絡みながら、大きなうねりの末に爽快さも苦さもある着地を見せた前半、特に突入パートは劇中では数十分の出来事でもあったので、なるべく一気見してスピード感も楽しむことができた

どの展開においても、流れる音楽のこれまた過剰にならないギリギリの盛り上げが素晴らしく…1期あたりでよく流れてた「マイヒーロゥ…」のラップだけは受けつけがたいものがあったけど、全体を通して決して邪魔せず最適な厚みと疾走感で物語に色を足してくれる、見事な劇伴だと思いますほんとに

あとは中盤の仮免講習ね、これも爆豪の成長が垣間見える素敵なエピソードでとても好き、爆豪は本当に成長目覚ましい男
そして後半、文化祭とジェントルに関する一連のエピソードはもう最高潮のやつではないだろうか!!!すみずみまで充実、ほんとに好き

ジェントルとラブラバに関しては、やはり「道を踏み外す」ということに関する冷静かつ優しい目線がしっかりと向けられたストーリーになっていて、胸を絞めつけられる思いでした

何をもって「成功」とするかは色々あるにせよ、やはり明確な挫折というものはあり、その先でどういう選択をするのか…小さい規模の物語でありながら、デクもジェントルも互いに一歩先へ進む展開がとても良かった
それと並行して個性バトルの面白さ、なんならデクのレベルアップまで描くわけだからね!恐ろしい手腕であることよ

で、文化祭ですよこれはね…まぁ準備期間に対して最終的なステージの完成度がいくらなんでも高すぎるとかは置いとくとして、バンドものとしてもけっこう解像度の高いエピソードだなと感じました
耳郎が「コントとか?」と提案する時のほんのり居心地悪そうな仕草、あれをこういうアニメで丁寧に入れてくるあたりもね!ドラマを語ることへの本気を感じて嬉しくなった、上鳴とのコミュニケーションも見応えある

耳郎が大きく殻を破ることであったり、爆豪や常闇のさらなる魅力発掘、壊理の笑顔、それら縦軸に連なる掘り下げも楽しくて!!
それと同時に文化祭ならではの浮き足立つ感じ、他クラスの冷たい視線、絶妙にダサいダンス、決してプロのステージではないがゆえの魅力がオリジナル曲とともに大爆発してた

彼らが普通に高校生であり、ステージ上だとなんか無敵な感じがしちゃうその高揚感、そういったものをA組の面々で感じられるということがとにかく嬉しかったな~~!「Hero too」何度も聴き返した、常闇が粒立ちを意識して練習してた2番のブリッジミュートが好きです

あとラスト2話のプロヒーローおよびエンデヴァーのくだり、いろいろな思いを抱えつつも「俺を見ていてくれ」に込められた決意には圧倒された

エンデヴァーは決して許されてはいけないと思いながら観てるけど、タイトルでも繰り返される通りこれは轟家の問題、ではあるもんなぁ

ストーリーは大きく動きつつ、キャラクターの魅力もじっくり腰を据えて描き倒す!!!これでもかと魅力をぶちまけてくる驚異の4期でした


🙏第5期

A組・B組対抗戦、異能解放軍からの死柄木覚醒ということで、特に後半ぐんぐんシリアス色が濃ゆくなっていくシーズン
個人的には前半の対抗戦がとにかくね!!最も注目していた心操の大活躍という意味でも嬉々として展開を追いかけました

体育祭での敗北をバネに努力していた心操、どうしようもないかと思われた個性の活かし方がまず賢い…まさに工夫の塊、いやもちろんそういう設定なんだけど、考え抜かれた打開策という感じがして驚きと喜びで声をあげてしまうほどだった

今回も努力・謙虚・真面目な心操でありつつ、情熱的な一面も大事なとこで見せてくれて、いや~進級後が非常に楽しみという感じ
決して一軍ではないけど強い思いを持った心操というキャラクターにしっかり見せ場を用意してくれる、こういうとこが良いなヒロアカ!!と再確認できた前半でした、髪型はちょっとあれだけど

一方でどうしてもB組をヴィランっぽく描く雰囲気になりがちなのは少し気になったかな、仮想敵とはいえもうちょっと明快にヒロイックなキャラがいてもいい気はする、二連撃って何なんだ

後半はというと、急激なトーンダウン&ペースダウンでシリアスな犯罪ものへと急転直下の路線変更、これにはだいぶ戸惑った…冬だし修学旅行でもやるのかなくらいに思ってたところもあったので

テンポを大きく落としてのヴィラン話はなかなかにヘビー、死柄木のオリジンに至ってはもう救いがなさすぎて
この作品全体に通底する性善説はとても確かなものだけど、それがゆえにこういう展開が来ると痛みがすさまじいことになるんよね

6期の絶望を予感させつつ、だからこそA組の鍋パがひたすら眩しかったな~~~!常闇がポン酢を要求するシーンでいよいよ涙があふれてしまった、そもそも泣いてしまうくらい良い場面は2、3話に1回くらいのペースで訪れるんだけど
常闇はセリフ回しが極端に非現実的であるからこそ、こういう日常シーンでのちょっとしたポン酢とかツッコミが映える良いキャラだと思います

他には轟家の問題も少しずつ前進させつつ、いよいよ戦いの用意は整ったという感じで不安感強めな締めくくりを見せる5期でした


🗾第6期

とんでもなくシリアスな流れのまま開始した6期は、恒例のキャラ紹介エピソードも挟むことなく話がどんどん進んでいき…
前半は超常解放戦線との闘い、後半はデクの離脱と復帰、いやーーー重かった、けどこれはこれで歴史に残る素晴らしいシーズンだと確信している

特に前半は明らかに話を進めるスピードを落としていて、ただでさえシリアスでしんどいのにペースも鈍重という、これリアルタイムで観てたら毎週つらかっただろうなと思いながらなんとか追いかけた
なんならヒロアカで観たいのこれじゃないかもな~くらいには、ヒーローもヴィランも救われない苦しい展開の連続でした
これちょうどアベンジャーズで言うところのインフィニティウォー、あれを5回連続で観るくらいのダメージをくらった感じがある

トゥワイスをはじめとして、きっと違う生き方もあったであろうヴィランとの対話は本当に悲しかった…「ヒーロー」「ヴィラン」という肩書きが一般化している世界の話だからこそ、肩書きの向こうにある「人間」としての性質がよりくっきりと浮かび上がる瞬間がヒロアカは時々あるよね

悲しい悲しい戦いを終えて、最高の復帰もあって、ちょっともうこれだけのことやっちゃったら最終回らへんでやることなくない???ってレベルの大波乱が発生して
辞職してしまうヒーローの気持ちもよく分かるなぁと思いつつ、序盤からほんのり違和感のあった「平和の象徴」がいよいよ完全に機能しなくなった、なんならNo.1ヒーローも失墜した世界(厳密には日本だけ?)へと変貌してしまって

これはつまり、人々が信じるものを失って不安と分断の中で暮らしている、私たち視聴者が生きている現実世界に舞台を移したのか!!!という受け取り方を個人的にはしました

終盤に雄英で起きたデモも、例えば難民の受け入れだったり、あるいは自分の不利益を他人だけのせいにしてしまうことであったり…
大小ある様々な場面での不寛容と分断、それとどう向き合うかということに目を向けている、なんならそういう現実の問題を語るためにいったんオールマイトもエンデヴァーも不在としたんだなと、ストーリーとはまた別の大きな感嘆があった

デクが雄英を離れる決断それ自体はまぁベタと言えばベタ、裏返せばこの状況であればデクなら絶対そうするという納得感ある展開で
とはいえオタク的つぶやきとかカツ丼好きも健在だったので、あ~闇落ちというほどの感じでもないんだなとのんきに観てたんだけど

レディ・ナガン(これまた素晴らしいヴィランだった)との闘いを経てどんどん強く、またどんどん疲弊していく様は痛々しかった…
モノローグだらけで常に実況するようなキャラクターだからこそ、自分の疲弊に気づくことができていないことがモノローグから直接伝わってくるのがもう無理すぎ

で!!!そこからのA組合流、ひとりひとりがデクにかける言葉から優しさと悔しさが痛いほど伝わってくる最強の展開でこんなの無理ですよそれは、轟が一番大きい声出してるし爆豪に至ってはもう、爆豪、それはもうほんとに

活躍の場が限られがちな尾白や砂藤といった面々の熱い思いもきっちり描きつつ、どうやっても葉隠だけ掘り下げられてなさすぎ、デクにかける言葉も特にないというのはね!重箱つっつく感じで少しだけ気にはなったかな~あと青山もチーズとか頑張ってたのに

A組のあまりに強固な連帯は、その圧倒的な美しさゆえにちょっと実在感ないなと感じる場面もなくはないと思ってるんだけど、デクを連れ帰るこの戦いの中で語られるのはあくまで具体的なエピソードと個人的な思い入れ、そういったものの集積でデクへの思いが一つにまとまってるという描き方だったので!ここでもやはり、学園ものとしてもヒーローものとしても大最高と言う他ないわけですよね…

そこから安心したのも束の間、避難所としての雄英をめぐる市民とのあれこれ、これについてもねーーー本当に真面目な作りの作品だと思った、理想を語るうえで全く手を抜いていない

ちょうど思い出野郎Aチームの「楽しく暮らそう」で歌われる、『誰もがここに居ていいだろう』というシンプルで誠実な主張、それを及び腰ながらも迷わず強く訴えるお茶子にはさすがに感動したし、これを堂々と語るエンタメが今の日本にはっきりあるという希望にも喜びを覚えた

市民の顔を化け物っぽく見せたあれは、たぶん疲れ切ったデクが言葉のトゲに衝撃を受けたという描写であって、市民を悪として描くというわけではないよね?ちょっと焦ったなあれは

信じるものが明確にある理想郷としての初期とは違って、目の前の人間に思いやりを持つというささやかで小規模な信頼を少しずつ広げていく、地に足の着いた解決へ向けて少しずつ変化していく人々
こういう市民との対話や衝突は、それこそ海外のアメコミ映画が大規模になればなるほど放置してきたテーマでもあるように思う、だからこそアメイジングスパイダーマンが2作とも好きだったりするんだけど

おそらく原作者もそこには意識的なんだろう、そして多くの人に観られ/読まれうる作品になっているヒロアカだからこそ、なおかつ現代の実社会を思えばこそ!!!これは語るべきテーマだという確固たる意志を感じたし、それを実践できる製作陣および原作者の姿勢こそヒーローそのものじゃないか、とさえ思ったな…

単なるアクションSFにとどまらない、物語が鈍重になってテンポが削がれたとしても語りきる、その気概はひたすら素晴らしいものだと思う
ヒーロー論を突き詰めると結局は個人に対して、人としてどう接するか/どう振る舞うかというシンプルなモラルと思いやりの話になっていくんだよね

後半これだけ重要なテーマを描くためであれば、それであれば5期終盤からの超シリアス展開も必要な長さと重さだったなと思えるほどに、とてつもない大きさと優しさに満ちた方向へ舵を切った6期でした


🎬劇場版3作

1作目「2人の英雄」については、アニメに明るくない私ですら『劇場版っぽい!!!』と思うほどいかにもな劇場版という印象でした、それは良くも悪くも

黒幕っぽさを醸し出し続けるゲストキャラ、多少のひねりはあるにせよ全体的には深みに欠けるストーリー、といったあたりは期待を超えてこない完成度であるように感じた

ただ劇場版!というお祭り感、はしゃぎっぷりの愛らしさはA組の面々の楽しそうな様子もあって穏やかな気持ちで観れるものではあったし、デクとオールマイトの共闘を見れただけで十分という気持ちでもあったけどね


そして2作目「ヒーローズ : ライジング」、これは前作と比べて遥かに見応えのある、充実したドラマとアクションでどっしり楽しめる作品だと思った!A組の面々が主要キャラ以外も大活躍してくれて嬉しい

とにかく映画として面白いものを作ろうという気概に満ちている感じで、それはもう冒頭のカーチェイスから明らかに気合いが入ってた
その後の展開も本編と比べて遜色ない納得感がある、いやでも待ってあれだけセキュリティうんぬん言ってたのに生徒だけを離島へ放り出すのはちょっとあれか

とはいえ離島に住む姉弟ふたりとの交流とキャラクターみんなの成長、最後まで軸のしっかり通った物語で飽きずに楽しめた、「君はヒーローになれる」って本当にね〜〜〜!

一方でヴィランは今回もけっこう薄い、かなり強敵という設定なので戦い自体は盛り上がるんだけど性格や目的の深いとこが見えないのは非常にもったいなかった
しっかり人間性が見えなきゃ面白くないのか、と言えばそれはまた別の話なんだろうけどね…怖さにしろ共感にしろ、何か突出したキャラクター性があった方が面白さは増すと思う

ラスボスとの決着のつけ方、あれはパンフによれば本編の終盤で使うアイデア候補だったらしく、確かに本編くらいのボリュームでじっくり積み上げた戦いの果てにあれ、なら感動もあったとは思うけれども!!!
今回は応援も呼んでたからちょっと他にも解決策がありそうな感じがして、なんか焦りすぎに見えてしまったことと驚きとが相まって、素直に大興奮とはいかなかったな〜すごく熱かったけど
終わってからも「奇跡」とかふわっとさせるよりは、もう少し理屈っぽく説明してくれて全然よかったのに

しかし本編はどういう決着のつけ方するんだろう、これを超えるアイデアがあってのことなんだろうけど!




それから3作目「ワールドヒーローズミッション」、これもね〜〜どんどん面白くなるし垢抜けていく…
もはや学園ものとは明確に距離をとって、クライムサスペンス、バディもののロードムービー、からのラスボスvs主人公という大波乱の展開で充実度がすさまじかった

導入部分こそ少し強引で置いていかれる感があったけれども!堂々たるタイトルの出し方とか大好き、縦横無尽なアクションはミッションインポッシブルにも引けを取らない爽快さだったし、起きてることに対する緊迫感もしっかり維持されてた

一方で、見た目部分がハリウッド級の実写映画に近づけば近づくほど、画作りとかアングルの日本アニメっぽい野暮ったさがかえって際立つのは否めないかも…どうせならもっとビキビキに決まってる画をたくさん見せてよ!と思ってしまう
その意味で、大人っぽさと子ども向け感が少しむずがゆいバランスで混ぜ合わされてる感じはあった、ただ個人的には1作目とかよりだいぶ好きな塩梅ではあります

そういう無いものねだりはありつつ、前作までやや薄味だったラスボスの設定も今回はとことん描き切っていて!!ひとつの組織がしっかり存在してるので部下がモブでも納得感ある、その上でリーダーたるラスボスは動機も対比も見応え十分

置かれた状況、生まれ持ったものに対して「諦めない」という姿勢でいることが明暗を分けるというのはとても爽やかでまさにヒロアカそのもの、これまた最終回レベルの素晴らしい決着だった!そしてデクの諦めなさをクラスメイトやプロヒーローたちが全く疑わないのも嬉しかったな〜

それは同時に、ラスボスを極端に断罪して突き放すのではなく「諦めなければ他の道があったかもしれないのに…」と分岐点をあくまで判断ひとつに絞る、そのスタンスも好ましい限りでした

ただそれって観る人によっては単なる正義の押し売りになってしまうメッセージでもあると思うので、いつか「諦めるしか選択肢がなかった人」の話をしてほしいな〜とも思った、本編だとジェントルとかはそれに近いかな?なんなら死柄木も

なんにせよ1クール駆け抜けたくらいの緊迫感と満足感をしっかり得られる、充実の3作目でした!!


いやーヒロアカは劇場版も全部ちゃんとしててありがたい、4作目は本編でも大きく物語が動いたさらにその後の時系列ということなので、どんな作品になるのか今からとても楽しみだ…必ず劇場で観る、これは必ず


🌏これから

という感じで完走、いやーもう面白かった~~~~~!!!!!!!!!

全くもって後追いではあるけど、これから新作も控えてるギリのタイミングで本当によかった、このまま原作は追わずにアニメでの展開に全力で身を委ねていくつもりです
まだ観てない特別エピソードをちまちま拾いつつ、なんならスピンオフのコミックなら買っちゃってもいいかな〜などとニヤニヤ思いを巡らせながら

あとはキャラ名を毎回きっちり出すあれ、個人的にはそれ無しにしたバージョンもあるとさらに物語として楽しみやすいかな~とも思ったりね、6期のラスト4話はぜひそのバージョンでなんなら短編映画にしてほしいレベル

丁寧に描いてきた理想郷を完膚なきまでに破壊し、あらゆる点で私たちが暮らす現実社会との距離をぐっと縮めた6期までを経て、7期はどこに連れて行ってくれるのだろうか!
死柄木はきっと救われることだろう、とはいえそれだけで安直に幕を閉じるようなことはないだろうと安心してハードルを上げまくっている


いやはや本当に豊かな作品と出会えて幸せな気持ちです、、、どこまでも諦めの悪い登場人物たちに心を寄せながら、物語の力はきっと現実の分断や閉塞感すら超えて、私たちをさらに向こうへ連れて行ってくれるのではないかと

とにかくけっこう本気で、頑張れ!!って感じで思っています、早く5月になってほしいし4月の総集編も楽しみだ



#ヒロアカ #僕のヒーローアカデミア #感想

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