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【実例あり】アーリーフェーズ企業の"高難度ポジション"採用ストーリー

ポテンシャライトです。
8月も後半戦に突入し、2023年も3/4経過しようとしていますね。
(※2023/8の記事再掲です)

アーリーフェーズの企業における高難度ポジションの採用ストーリーを紹介したく、このブログを書いてます。


ーーー以前、寳田のブログで「はじめての採用」をスタートするアーリーフェーズの企業様向けの内容を発信しました。

企業様より、↑↑↑のブログが助けになったという声を聴く一方で、「実例もあるとアクションの参考にしやすい」という方もいたのではないかと思い、事例をお伝えするブログの必要性を感じました。

今回は、同様のフェーズの企業様が歩んだ軌跡を事例として紹介しつつ、寳田のブログからやるべきことを見て、さらに状況が近い企業様には本ブログの内容をセットで見て実践してもらえると嬉しいです。



1. 寳田のブログから振り返る、「はじめての採用」

ここから、事例共有まで少し前置きが長くなりますが、理解いただくために必要なステップなのでお付き合いください。

さて、再掲ですが、前提として「はじめての採用」においてやるべきことは下記でした。

◆採用活動を始める「前」に行うこと

◆採用活動を始めた「後」に行うこと

アーリーフェーズにおいて、リファラルから脱する際に何をすればいいか?という点では、これらを網羅すれば採用活動を行う準備やサイクル回せる土台はできているでしょう。

とはいえ

  • どのポジションから採用する?

  • "A"というポジションが採用できたら次はどこを採用すべき?

といった悩みもあるでしょう。

2. そもそも、何故リファラルは強いがすぐに動けなくなるのか

※リファラル採用に関する当社ブログ
【採用戦略】リファラル採用の導入〜運用までのTipsまとめ
リファラル採用の決定率を飛躍させる「Referral OPS」
“海外“のリファラル採用に迫る。日本と海外のリファラル採用の違い


アーリーフェーズではリファラルが強く比較的リードタイムも短く採用できるメリットがある反面、枯渇も早く、いつの間にか採用活動が長期化してしまうと感じている経営者様も多いでしょう。

「あの人が当てはまるな」と想起しやすいリファラル採用はアーリーフェーズではベストなものの、プールの枯渇は自分の交友関係に依存するため無限ではないと気づく、といったところでしょうか。

初期のPSF〜PMFまでのフェーズでは事業(会社)の中心人物を採用し、PDCAサイクルを高速で回しながら事業として早期成立させる必要があります。
故に、必然的に求めるスペックが高くなり、かつ事業共感やMV共感へのレベルが高い方を探す。

そんななか、ビジネスサイド、エンジニアサイドどちらにせよ当たることができる選択肢が少なく、見合う人材が見つからなかったり、タイミングが悪いとどのポジションも埋まらず長期化してしまう。

そして、もう一度プールが動くのも半年〜1年先になるため、「媒体やエージェントといった別の手法を使わざるを得ないなぁ…」と考え始めることでしょう。

そして、上記のようなストーリーを描きどんな手段で採用活動をすべきかも見えない、そんなときもスタートアップ・ベンチャーでは往々にしてあるかなと思います。

近い境遇の企業様にとって、採用成功した企業様の採用活動の変遷や軌跡などの実例を見ていくことで、"何をすべきか?"を知るための一助となったら幸いです。

3.採用においてやるべきことは、事業にとって必要なことから考える

じゃあ、リファラル以外の選択肢を前にしたとき、どうすればいいのか?

ここで考えるべきは、もちろん寳田のブログでご紹介した項目ですが、重視して欲しいのはこの言葉。

どんなに時間がないという企業さんでも抑えておいてほしいのが
・求人要件・ペルソナ設計
・採用手法戦略
です。

というのも、この2つが整理できていない場合でも採用活動を始めることは可能ですが、採用活動を進めた後で無駄な動きが増えてしまう可能性が高いです。

https://note.com/ayumiii7/n/n96f823bd1b65

ポテンシャライトから発信しているブログで、これまでしつこく伝えていることでもありますが、とにかく"何のために採用をするのか"という芯はブレさせないために、"何のために"を明確にしてほしいのです。

一例ですが、事業計画から逆算して、下記のようなフローを決められるといいでしょう。


◆PSFまで

◆PMFまで


これらの"何のために"を決めていないと、「そのポジションを採用する理由や優先度が曖昧になっている」事象が発生します。

さらには予算や時間だけいたずらに消費され、時間を置いて理由が明確になったとき「実はAよりもBを採用しなければいけない」という事実が発覚し、「Aがいると思って利用した媒体Xの契約期間があるが、ターゲットがいないから別の媒体Yも並行して契約しないと…」なんてことにもなりかねません。

4.リファラルの先を一緒に歩んだ企業

ではここから実例と解説も交えながら、アーリーフェーズのベンチャー企業様の事例をお伝えしていきます。

◆ポテンシャライトへ依頼する前の状況

・自社採用でリファラルにより正社員を一人すでに採用できていた
・経営陣の2名以外で正社員はひとりだけ
・それ以外は業務委託や外注で対応
・エンジニア採用を始めるにあたりご相談があった
・人事はまだいない
・toCの事業を本格ローンチしPSFを終えたフェーズ

当時、リファラルのプールが尽きてしまい、今後どうするか?ということで山根に相談があったことを覚えています。

◆ポテンシャライトが入ってからの採用活動

【ポテンシャライトが行った支援】
・採用ブランディング
・求人設計、要件定義
・媒体設計、運用
・エージェント開拓、運用
--------------------------------------------------------------
【先方様で作成、ポテンシャライトがアドバイスしたもの】
・採用ピッチ資料
・EntranceBook

かなり採用活動にも積極的で、「ポテンシャライトさんから言われたやつ、作ってみました!」とノウハウを伝えた翌日にはアクションを行っていた、かなりアグレッシブな企業様でした。

◆注力していた職種

・バックエンドエンジニア
・モバイルエンジニア
・デザイナー
・PdM

職種はこれらのポジションでしたが、10名以下の企業で採用をしようとしている中核メンバーなので、実質将来的にCxOクラスを担える方という位置づけで採用を行っておりました。

5.採用の軌跡

①〜媒体で葛藤した時期〜

まずは、PMFに向けバックエンドの採用を最重要目標としてスタート。

2媒体、エンジニアに特化した媒体を使用したものの、なかなか要件にあった方が見つからず半年後に別媒体へ。
要件を見直しながら、コンテンツも増やしたため、徐々にカジュアル面談や返信も増えていきました。
しかし、CxOクラスを将来的に考えられるようなポジションのため、本当に任せられるイメージができる方のほうがいいだろうと、貴重な採用枠で妥協はしない方がいいということも、改めて双方で認識を再確認した時期でした。

当社として提案したのが、並行して低い可能性でも広いアプローチを行う必要があると話し合い、エージェントも活用。
これが功を奏して、エージェント経由で1名採用ができました。

バックエンド5名(うちエージェント1名、リファラル4名)が採用でき、一旦エンジニア採用は収束。

このとき合計で、3媒体をエンジニア採用で活用しましたが、やはりリファラルが強い企業様でしたので、媒体やエージェントと並行して短期間でアクションを増やしたことで、複数名採用することができたと考えています。

また、当社としても必要以上にコストを払い続けることがないよう、今注力すべき職種に合った手法へフォーカスして提案し、ひとつの手段を試して得た反省を活かし新たな金脈を見つけに行くような状態だったことも、良かったかもしれません。

エージェント採用では、国籍を問わずグローバルに採用していたため、CAさんから紹介の幅も広がり良い方に巡り会えました。
要件を下げるのではなく、ベースは変えずに許容できる範囲を広げたというのが良いポイントでしたね。

②〜求めるスキル、任せたい職種で葛藤した時期〜

次にデザイナー・PdM採用。
PMFに向け必要なポジションに絞って採用しようということで、ここではバックエンド採用を通して経営陣の皆さまの解像度が上がったイメージをしっかり言語化しながら、どんな人を採用するか決定しました。

デザイナーの機能も欲しいが、PdMの機能も欲しいため、スキルで求人を分けてなるべく必要なものが網羅できるように設計。

また、それ以外でもジェネラルな媒体を選んだことで、エンジニアの時に比べ選考や媒体でのアプローチが増えるごとにさらに言語化が進み、本当に欲しい人材が明確になったのも良いポイントでした。

加えて、内定辞退が発生した際には、振り返りからポジションで求めることの解像度を上げて、「求人」「スカウト」「採用マーケの展開物」に記載している情報の整理・ブラッシュアップも行え、より採用に関する要点がクリアになっていきました。

解像度が上がったことで選考の事例も増えて、エージェント様へ選考に進んだ方の特徴を記載して伝えるマガジンも配信しはじめることができ、企業理解の促進にも繋がったタイミングでした。

最終的には媒体で1名採用ができ、さらにその方は2週間ほどの超スピード採用だったので、支援当初と比べ選考におけるCX(候補者体験)もすごく変化した事例でもあります。
(元々1ヶ月ほどで採用が完結するスピードだったため、特別遅い企業様というわけではないですが)

6.アーリーフェーズの採用から見る、すべての企業にとって採用で大事なスタンス

ここまでで、とある企業様の事例をお伝えしました。
結局のところ採用はうまくいきましたが、実際1年と半年ほどの月日がかかりました。

もちろん、アーリーフェーズだから事業を前に進めるためにとにかく早く採用したい、その気持ちもわかります。
しかし今回は、実例としてスピードではなく、しっかりと向き合って必要なポジションに最適な人物を採用できた、という点が肝なのです。

「企業が採用と向き合い続けたこと」が大事であり、要件を下げるべきか?という問いが立てられたとき、ここで妥協はせず時間をかけても自分たちにとって必要な人達を採用する選択を行ったことこそ、とても良い分岐点だったと思います。


要件を下げて入社した方と比較して、そのポジションに最適な方が入った場合の入社後の生産性や活躍度合いが2倍だと仮定すると、採用「できない」期間が長かったとしても、それをしっかりと取り返せる状態が作れたと言えるでしょう。
人的由来で事業が停滞したり、不要なコストが掛かることはアーリーなフェーズでは、予算などの面でも大打撃になりかねません。

もちろん我々がHRパートナーとして伴奏しながらPDCAを回しましたが、それはあくまでも過程のひとつに過ぎません。

  • 事業においてなんのポジションが必要なのか?

  • このポジションに求めていることは何なのか?

  • このポジションの業務はなんなのか?

  • 本当に採用の手段はこれで良いのだろうか?

といった、これらがしっかりと先方内でも思考され、言語化されたからこそ結果に結びついたのではないでしょうか。

もちろん、お金をいただいて支援に入っている以上、ポテンシャライトも任された依頼をしっかりとこなすよう努めますし、HRのプロとして企業理解の上で提案を行います。

しかし最終的に自社の未来・運命を左右する判断になるため、カウンターパートの人事の方・経営者問わず、本気で我々と向き合っていただいて採用活動を進めていくことが重要だなと、肌で感じた事例でした。

7.最後に

寳田のブログと併せて、ぜひこちらの事例をガイドにして採用を行ってみていただけると嬉しいなと思います。

また、本ブログでは、大変参考になる他社様のリファラル事例もご紹介させていただきます。
アーリーフェーズ以外の企業様もぜひ、様々なアクションから自社に合うリファラル体制を探してみてくださいませ。


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とはいえ、企業も人もナマモノで流動的なので、当然このブログが当てはまらない事例やトレンドも今後は数多く出てくるでしょう。

そんなときも、常にマーケットやベンチャー・スタートアップの状況を見つめ続けながら、本質を見失わないように言語化していけたら、少しでも誰かの力になれると信じています。


最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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