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脱属人化!書類選考のフレームワークを公開!

こんにちは!ポテンシャライトです!

採用パートナーとして採用支援をさせていただいているお客さまからよくこのようなお悩みをご質問いただくケースが多いです。

書類選考スカウト送付対象者などが現場社員に属人化してしまっています。スピーディーに結果連絡をしなければ優秀な候補者さまを採用するのに不利ではないかと思っているのですが、どのようにすればよろしいでしょうか?」

上記のようなご質問に対して、脱属人化できるノウハウ、書類選考結果の「リードタイムを短縮」するためのノウハウについて本ブログでお伝えできればと思います。


1. 書類選考とは

転職活動では、志望企業に対して履歴書・職務経歴書を提出することから選考が始まります。
「書類選考」では、履歴書・職務経歴書などの書類をもとに、経歴や必要条件などを確認し、応募者を絞り込みます。多数の応募者が予想される場合、有効な選考方法です。

1-1. 書類選考の目的

1) 応募者の絞り込み
応募者全員に面接をすると、非常に多くの時間・人員を割かなくてはならない。事前に書類選考を行うことにより、面接に進む候補者を絞り込み、採用選考を効率化することができる。

2) 面接の効率化
事前に応募者の情報や職歴などを確認することにより、面接で効果的な質問をすることができる。

1-2. 事前準備

1) 求める人材像の明確化
書類選考を円滑に行うために、自社が求める人材に必要となる要件(能力・スキル・経験など)を、事前に明確化しておく。

2) 評価基準の設定
書類選考の際、「何を評価するのか、評価しないのか」を明確に決めておく。

1-3. 書類選考の流れ

1) 応募書類のチェック

・学歴   :出身校・学部・学科・専攻分野・所属ゼミから、基礎学力が
       あるか、自社の業務に活かせる基礎知識を学んできたかどう
       かを確認
・職歴   :職務の専門性、一貫性
・免許・資格:求める職務の専門性、求める職務との関連性
・趣味・特技:人となりの理解、社風に合うかどうか
・自己PR  :人となりの理解、コミュニケーション能力、プレゼンテーシ
       ョン能力
・体裁   :ビジネスマナー、一般常識(誤字・脱字、年月表記、分かり
       やすい文章表現・論理性、定型文・コピペでないかどうか)

2) 合否判断のポイント

・満たすべき募集条件にあっているか
・求める人材像と合致しているか
・入社後、活躍する可能性を感じるか
(面接して、詳しく知りたい人物と感じるか)


2. 書類選考にかけるリソース

実際に「書類選考」にはどのくらいの工数や時間などのリソースを費やすことができるのか、について本項にてお伝えできればと思います。

・1名採用に当たって必要なカジュアル面談32件と仮定すると、
 「106件」の書類選考が必要になります。(書類選考通過率30%と仮定)
・年間100名採用を掲げている大手企業様では、
    106件×100の「10600名」の書類選考を実施することとなります。
「10600名」の候補者さまに対して3分の時間を費やすとしたら
     10600名×3分の「31800分(530時間)」もの時間を費やさなければ
     ならないこととなります。

上記より採用活動において人事の方々が多くの時間を「書類選考」に費やさなければならないことがわかります。

私がご支援をさせていただいているどの企業さまにも共通するのが、「もっと攻めの採用をしていきたい」という声が多いことです。

書類選考や日程調整などの「採用オペレーション」だけでなく、自社の魅力外部に発信するために必要な採用ブランディングや採用マーケティングなどなかなか着手できていない背景には上記の「採用オペレーション」に割かなければならない時間が多いためなのではないでしょうか?

本ブログでは上記業務における「時間を削減する」ためのノウハウを共有できればと思います。


3. 書類選考時に見ているポイント

書類選考時に見ているポイントはどのようなものがあるのでしょうか?求職者さまが提出する書類によって見ているポイントを抽出できればと思います。

3-1. 履歴書

そもそも履歴書とはどんなものでしょうか?

履歴書:学業や職業の経歴など人物の状況を記した書類のことで、就職転職時に選考用の資料として用いられる。

様式が「JIS規格」「厚労省様式」などありますが、求職者さまの好みによって分かれます。また、人材紹介会社限定の様式などもございますが、一般的には下記図をイメージしていただければと思います。

上記図を踏まえた上で「書類選考で判断できる項目」を以下に記載いたします。

1) 名前
主に「国籍」で判断することができます。したがって、ビザの申請サポートなど外国籍の求職者さまを受け入れる体制のない企業さまはこの箇所を見るだけで書類選考の合否を判断できます。
また、外国籍であったとしても「VISAの種類」や「日本語レベル」次第で判断可能な会社さまは以下 8)の資格を併せてご確認いただければと思います。

2) 顔写真
詳細は割愛

3) 性別
詳細は割愛

4) 年齢
同様に採用企業さまの求める人物像によります。また、組織構成を鑑みた上での年齢バランスなどを踏まえると、この箇所を見るだけで書類選考の合否を判断できます。

5) 住所
希望勤務地にもよりますが、採用企業さまのオフィスに出社することが可能か否か、リモート勤務希望か否かについて判断できます。

6) 学歴
採用企業さまの求める人物像によります。仮に学歴で「足切りライン」を定めているとすれば、この箇所を見るだけで書類選考の合否を判断できます。

7) 職歴
転職回数や経験社数など短期離職傾向があるか否か、在籍企業の規模感や業種など採用ターゲットとの親和性が高いか否かを判断することができます。仮に「ターゲット企業」を定めている企業さまがあれば、この箇所を見るだけで書類選考の合否を判断できます。

8) 資格
仕事内容を鑑みて車の運転が必要であれば、運転免許。医者、建築士、施工管理技士など国家資格が必要な職種を求めるのであればこの箇所を見るだけで書類選考の合否を判断できます。

上記より書類選考「通過」の判断は難しいかと思いますが、書類選考「不通過」の「足切りライン」の精査は出来るのではないでしょうか?


3-2. 職務経歴書

そもそも職務経歴書とはどんなものでしょうか?

職務経歴書:過去の仕事の内容や実績、そして仕事を通じて培ってきた知識・スキルを具体的に採用担当者に伝えるための書類です。

履歴書同様に各媒体や人材紹介会社によって様式は少し異なりますが、一般的には下記図をイメージしていただければと思います。

上記図を踏まえた上で「書類選考で判断できる項目」を以下に記載いたします。

1) 必須条件
履歴書では把握しきれない在籍企業での経験を閲覧することができます。したがって、在籍企業でどのような仕事をどのような形で従事しているのかがわかるため、採用企業さまの必須条件に満たしているかいないかを判断できます。

2) 尚可/歓迎条件
1) 同様に採用企業さまの尚可/歓迎条件に満たしているか、いないかを判断することができます。

3) 活かせる点
採用企業さまの求める人物像や任せたい仕事内容との親和性があるかないかを判断することができます。例えば営業職であれば、以下になります。

・誰に           :法人 / 個人
           ※ 法人:会社規模(大手/中小/ベンチャー)
           ※ 個人:富裕層/大衆向け
・何を         :商材(有形/無形)
・どのように(手法) :スタイル(新規/既存)

4) 活躍期待度合い
実績などの記載から「優秀な方か否か」を判断することができます。例えば営業職であれば、目標金額に対しての実績が記載してあるため、目標に対する達成度合い=活躍期待度合いを測ることができます。

上記のことからわかることは、以下です。

◆「必須条件」「尚可/歓迎条件」
履歴書同様に「足切りライン」として 設定可能

「活かせる点」「活躍期待度合い」
足切りラインではなく「加点方式」として設定可能

したがって、書類選考通過の判断は履歴書以上にできることは皆様も周知の事実でしょうか。


4. フレームワーク公開

3を踏まえた上で書類選考時に活用できるフレームワークを公開できればと思います。

4-1. 履歴書

大項目の数や中項目は採用企業さまによっても異なるかと思いますが、基本的には上記イメージになります。

今回は仮に1点が1つ以上あれば、その時点で「書類選考不通過」にできる「足切りライン」として設定しています。また、合計点数が「5点以下」であれば、その時点で「書類選考不通過」となります。

4-2. 職務経歴書

職務経歴書の中でも上記「必須条件」「尚可/歓迎条件」を満たしているか否かは、履歴書同様に「足切りライン」として設定できるかと思います。
どちらか一方を満たしていれば「書類選考通過見込み」と判断できるため、合計点数が「2点以下」であれば、その時点で「書類選考不通過」となります。

上記2項目は「加点方式」となります。したがって、前述した上2つの表と異なります。つまり、「足切りライン」としてではなく、「書類選考通過か否か」の判断をすることができます。

5. 本フレームワークが適用しやすい職種としにくい職種

4でフレームワークを公開しましたが、職種によっても適用しやすい職種としにくい職種があるのではないかと思います。職種を5カテゴリーに分けた上で振り分けていければと思います。

「しやすい」に分類した職種の共通点を以下に記載いたします。

・就業するにあたって国家資格などの資格が必要である職種
・就業するにあたってプログラミング言語など特定の言語が必要である職種
・マネジメント経験など人の上に立つ仕事の経験が必要である職種


6. フレームワークの活用事例

ひとつの採用企業さまを例に挙げて、フレームワークを活用できればと思います。

<設定は以下>

・募集職種   :営業職
・国籍     :日本国籍
・年齢     :25〜35歳
・住所     :東京23区内
・学歴     :大卒以上
・職歴     :転職回数1回まで
・必須条件   :営業経験3年以上
・尚可/歓迎条件:無形商材の営業経験/大手顧客向けの営業経験
・活かせる点  :toB/大手顧客/無形商材/新規営業
・活躍度合い  :目標に対しての実績

<フレームワークを以下にカスタマイズ>

筆者が仮に応募するとしたら、足切りライン8点以上かつ合計点数が11点以上であるため、「書類選考」は「通過」となります。


7. 履歴書だけで書類選考可否を判断するためには

上記4では、履歴書・職務経歴書で判断できる項目とフレームワークを公開しましたが、このような声もあるのではないでしょうか?

「それだけでは書類選考の時間を短縮することはできないじゃないか?」

したがって本項では、「履歴書だけで書類選考可否を判断するため」のノウハウを公開できればと思います。

7-1. 「異常値」のある項目とない項目

まず前提として履歴書に記載のある項目の中でも「異常値」がある項目とない項目とで分けることができます。

異常値とは:一つの項目だけでは判断できないことを指す。例えば、年齢35歳までの募集求人に対して36歳の候補者さまに応募いただいたとしても、職歴次第では書類選考の結果が覆ることもある。

それでは、3-1で用いた表を参考に「異常値」のある項目とない項目を分けていきます。

<「異常値」とは関係ない項目>
・名前
・顔写真
・性別
・住所
・資格
※ただし、「名前」と「住所」は採用企業さま側の受け入れ体制による(外国籍受け入れ可能、リモート勤務可能など)

<「異常値」と関係ある項目>
・年齢
・学歴
・職歴

7-2. 「異常値」のある項目のパターン

では上記3項目の中ではどのような「異常値」が発生するのでしょうか?
※ただし、採用企業さま側の重要度にもよる(例えば、年齢オーバーはいかなる場合でも選考不可など)

1) 年齢
採用ターゲットよりも「年齢が前後5歳差」であれば、書類選考段階ではNGとせずに職務経歴書を踏まえた上で総合的な判断をしましょう。
例えば、30歳までの求人に対して35歳の候補者さまが応募してきたとしても経験により書類選考通過になる可能性はあるので、履歴書だけで合否を判断せずに職務経歴書の中身を見て判断いたしましょう。

2) 学歴
採用ターゲットよりも「ひとつ下」であれば、書類選考段階ではNGとせずに職務経歴書を踏まえた上で総合的な判断をしましょう。
例えば、最終学歴が「大学卒業」が必須の求人に対して「専門学校卒業」もしくは「短期大学卒業」であれば、履歴書だけで合否を判断せずに職務経歴書の中身を見て判断いたしましょう。逆を説明すると、「高校卒業」、「高等専門学校卒業」はその時点で「書類選考不合格」にしましょう。

3) 職歴
採用ターゲットと「親和性のある業界・会社」の記載があれば、たとえ転職回数が多いとしても書類選考段階ではNGとせずに職務経歴書を踏まえた上で総合的な判断をしましょう。
例えば、転職回数が「1回」(経験社数が2社)が必須のポテンシャライトの求人に対して転職回数が「2回」(経験社数が3社)の求職者さまが応募してきたとしても「HR業界」の経験者であれば書類選考通過になる可能性はあるので、履歴書だけで合否を判断せずに職務経歴書の中身を見て判断いたしましょう。

上記を改めて整理すると、以下になります。

<履歴書だけで判断できる項目>
・名前 :日本国籍/外国籍
・顔写真 
・性別
・住所 :出社可能/不可能(リモート勤務)
・資格 :資格あり/なし

<職務経歴書を含めて判断いただきたい項目>
・年齢 :「年齢が前後5歳差」の場合
・学歴 :「学歴がひとつ下」の場合
・職歴 :「親和性のある業界・会社の在籍経験がある」の場合

8. おわりに

改めて本ブログでお伝えした内容をまとめると以下になります。

・書類選考によって採用担当者さまの工数は多くとられている
・求めているターゲット層を具体化することによって、「足切りライン」を設定できる
・「履歴書」だけで判断できる項目と「職務経歴書」だけで判断できる項目は分けられる
・「履歴書」の中でも「異常値」がある項目は、「年齢」「学歴」「職歴」の3つ
 それぞれ「年齢が前後5歳差」「学歴がひとつ下」「職歴の中に親和性のある業界・会社の在籍経験がある」場合は「職務経歴書」を含めて総合的に判断する

採用担当者さまの工数が多くとられている「書類選考」もターゲットの明確化や仕組み化することによって時間を短縮することができます。是非ご参考にしていただければと思います。

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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