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面倒臭がりの食べ物 2022.09.05

朝、仕事へ向かう。日の出が遅くなったせいか、歩いていると日光が横から照りつける。もっと太陽が高い位置にあったときよりも心なしが暑く感じる。

仕事は最初のバタバタはクリア。明日からは平常運転になっていくが、何も起きないことを願う。健康診断の結果も踏まえて、朝昼は健康的に行こうと決める。かと言って無理はせず油っこい菓子パンは避けて、おにぎりと、サラダと、魚肉ソーセージなどで乗り切ろうと思う。

夕方になり退勤。歩いていると空き地に無花果の実がなっていた。茎からにゅっと生えており、こんなふうに実るのかと驚きながら眺める。
しかし僕は無花果の味を知らない。元々フルーツが好きではないので口にしたことがないのだ。さらに無花果はイチジク味のお菓子のようなものもないので味の想像ができない。甘いのか酸っぱいのかも分からない。だから僕にとっては知っている食べ物のなかで無花果が一番の未知の食べ物なのである。それも合間ってか、無花果の実のつけかたは余計に不思議である。不思議は不思議のままにしておくのがいいので、僕は一生無花果の味が分からないまま生きていくのだろう。

仕事で疲れていたが、無性にもんじゃ焼きを作りたくなったので帰りに千切りキャベツに、ベビースターとキムチ、チーズを買って帰る。
家に帰り、お好み焼き粉にたっぷり水を入れて溶き、そこに塩とソースを入れて混ぜる。液が茶色くなったら千切りキャベツを沈めて、そこにトッピングのベビースター、干しエビ、キムチを乗せる。冷蔵庫になめ茸があったのでそれも追加。

ホットプレートを熱している間に、タネをかき混ぜて具だけを先に乗せる。適当に火が通ったら土手を作るのも面倒なのでそのまま汁を流して、汁気が飛ぶまで放置。その間、残ったベビースターで酒を飲むのが良い。

適当なところで避けるチーズ(とうがらしのやつ)を散らし、食べ頃になったところでベビースターをあと乗せして完成。

ここまで一切の分量も時間も測っていない。適当に混ぜて適当に作ったらそれらしいものができてしまった。しかし、もんじゃ焼きは面倒な食べ物だと思っていたが、何度か作ってみるとこれは逆に面倒臭がりの人間の食べ物だなと思う。何も考えなくてもそれなりのものができあがる。おそらく原始的なもんじゃ焼きも分量など測っていなかっただろう。
だが、こうしたものは大抵、突き詰めるとなかなか奥が深かったりする。誰でも割と最低限のものはできるが、その先が果てしなく遠い。これはなんとなく東京という街に持っているイメージに近い。だけど僕はもんじゃ焼きに関しては突き詰める気持ちもなく、こうしてダラダラと作るのに向いている。今度は誰かを家に呼んでやりたい。もちろんダラダラと。


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