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電気代がえらいことになってる件について

電力会社の業績が好調

電力各社の2023年4〜6月期の決算が好調らしい。過去最高益の電力会社もあるそうな。一方そのニュースを受けて、電気代が高騰していることもあってか、ネガティブな反応も多いようだ。実際SNSを見てきたらかなりのものであった。

中にはこんな意見もでてるようである。

詳しく知りたかったので東京電力のIRを実際に確認してきた。
そうすると確かに第1四半期の業績は好調で、電気代が上昇したこと、燃料調達の期づれなどで増収、増益であったようだ。有報を見ると昨年度は連結で赤字、また昨年までの収益も減少傾向であった。

https://www.tepco.co.jp/about/ir/library/presentation/pdf/230802setsu-j.pdf

https://www.tepco.co.jp/about/ir/library/securities_report/pdf/202306-j.pdf

電気代が高すぎる

このニュースにネガティブに反応する気持ちはとてもよく分かる、というか自分も正直同じ気持ちになる。猛暑すぎてエアコンをつけずにいることが難しく、7月の電気代がえらいことになっていた。8月もすごい金額になるだろう。また、各社それなりに余剰金を抱えているにも関わらず、赤字で苦しいので値上げします、と言っておいて最高益でした、というのはぶっちゃけ煽っているようにしか見えない。

しかしながら、それでもなおそういった反応は時期尚早だと思う。なぜなら電気はそれの供給が絶えるとボクたちの生活に直撃するからだ。よく水道施設の老朽化が問題になっていて、その維持のためのコストが払えない、といったニュースを見る。こういったインフラは少しでも支障が出ると生活ができなくなるから慎重すぎるくらいにバッファをとっておいてもらった方がいい。

電気はインフラ

そのため、感情的には非常にもやもやするが、電力会社が第1四半期のみで増収増益(あるいは最高益)であることを見て批判するのは違うような気がするのだ。
むしろ社会のインフラであるにも関わらず、そして儲けているにも関わらず、供給に何かしらの支障が出たときに批判されるべきであろう。

ただそうは言ってもこれもバランスの問題でしかなく、度を越えて収益をあげているのでれば半分公的な組織である以上やはりそこにはなにかしらの統制が入るべきであろう。ただし、それは1年通してから判断しても遅くないと思う。なにしろこのまま好調な業績を維持できる保障はどこにもなく、環境の変化によって減収減益になる可能性はいくらでもあるからだ。(通期で最高益になると予想している会社もあるようだが。)

なので非常に業腹であるが、この夏の電気代の高騰については我慢しようと考えている。通年で非常に好調であれば、そのときに消費者への還元を強く求めればいいのではないだろうか。

余談になるが、個人的に経営が通常の私的企業と異なり強く国家の統制を受けている時点で株式会社化して上場する必要があるのか疑問である。売り上げを伸ばそうとしても経営努力でなんとかなる余地が少なすぎる。今回のように電気代上げないと赤字になります、では如何ともしがたい気がするのだ。いわゆる電力の自由化も実施されているが、結局のところ電気代は国の統制を強く受けているので、株主への還元が強く求められる上場が正しいのか正直分からない。(東京電力は大震災以降配当を行っていない。)
自由市場化して価格が高騰しすぎても困るし、逆に採算が取れなくて供給が途絶えました、でも困るのだ。
まあそうは言っても国有化のデメリットも大きすぎるのでどちらがいいかの判断はできないのであるが。

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