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丁寧さは武器
5/17(金)
天気:晴れ
昨日は華金。
社会で溜めた一週間分のストレスを大声で歌って発散するべく、華金のカラオケ屋にはたくさんのお客さんが集う。
僕が働いてるお店は都心ではなく郊外にあるから、中にはもう都心で飲んできて、すでにアルコールが入った状態のお客さんも多い。
陽気になるタイプの酔っ払い方は、騒がしいだけだからまだ良い。
僕が一番厄介だと思ってるのは、飲むと短気になるタイプ。
まず入店の時点で機嫌が悪く、案内時の説明をまともに聞かないうえに、たとえば料金が思ってたより高いとか、混んでるから延長できないとか、ちょっとでも自分の思い通りでないことがあるとすぐキレてくる。
こういう客に対面すると、仏のぽてとといえどもさすがに腹ん中がグツグツ煮えたぎる。
まあ最近は
「きっとこの人はストレス社会の犠牲者なんだ...」
と憐れむことでアンガーマネジメントしているんだけど
僕だって人間だから、時にはやり返したいというか、ただじゃ通させねーぞ!という確固たる意志に駆られてしまうときもある。
じゃあそんなときはどうするか。
キレ返したり、手出したりなんてことは当然しない。
それはむしろナンセンスだよねえ。
そのままやり返した瞬間、悪態をつく理由を相手に与えてしまうもの。
「店員がキレてきたからキレ返しただけだ」
とね。
だから僕はね、そういうときは普段の5倍丁寧な接客をするの。
「チンタラしてんじゃねーよ!」
とお客さんに思われるぐらい、話すペースを落としてゆっくり、柔らかく、抜けがないようにしっかり説明するのだ。
こうすることで、短気なお客さんのペースを乱して会話の主導権を握ることができる。
ペースを乱されたことでキレたいけど、丁寧な接客である以上は悪態をつくこともできないってことで
彼らの多くはこれで概ねフォームを崩す。
正直もうこの時点で僕の中での仕返しは終わりだ。
もうこれで僕は満足。
キレてた人間がみっともないフォームになるところを見て、僕の心の中の小さい器が満たされる。
んでこのように対応することの利点は他にもある。
ゆっくり仔細に説明することで
「こんなの聞いてねーよ!」
と、あとから悪態をつく機会を徹底的に潰せるのだ。
僕だって決してお客さんと揉めたいわけではないからさあ
揉め事につながりそうな火種は、消しておくに越したことはないでしょ。
んでそもそも丁寧な接客ではあるんだから、冷静になればお客さんも気持ち良く感じるはずなのよ。
イライラしちゃってるから腹立つだけで。
そういう意味では、僕なりの「気づいてくれ」というメッセージでもある。
実際に案内の途中からだんだん落ち着いてきて穏やかになるお客さんだっているし。
まあまあとにかく、こうすることによって僕は晴れやかに働けるし、お客さんは黙ってカラオケを楽しむことができるってわけ。
現時点で、この丁寧な接客よりも優れた仕返しは見つかっていない。
丁寧さは強力な武器になりうる、そんなぽてとの戯言でした。
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