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秩父旅「令和の一休さん」


※前回の続きです。



秩父高原牧場をあとにしたぽてと一行は、秩父名物をがっつくべく

高原の麓にあるごはん屋さんへと向かった。

そこはどうやら地元の方々にも観光客にも人気のお店らしく

13時を回ったというのに大混雑。

この大繁盛ぶり、食べられなくなったらまずいぞ!

僕も急いで店先にある順番待ちの紙に名前と人数を書く。

ぽてと 2  

※もちろん「ぽてと」は(仮名)よ。本名書いたから。

僕らの前にまだ10組ぐらい待機してるし、一度車に戻ろうとその場を立ち去ろうとした時

ヤンチャな見た目の男2人組とすれ違った。

バイクのヘルメットを脇に抱えた2人組。

1人は金髪にジージャン、黒スキニーにブーツ。

もう1人は黒髪ツーブロック、革ジャンを羽織っていて首元には金色のネックレス。

よくわからないけど、なんとなく彼らからイヤな気配がした。

まあ、気のせいか。とりあえず車に戻る。


そんで友人と車内で談笑すること15分、さてどのぐらい進んだかなと思って紙を見に行くと

なんと

ぽてと 2
ぽてと 2

僕の下に、まったく同じ名前が書かれているではないか。

最初は「え、なにこれすごい偶然?」と思ったけど

チラリとヤンチャ男2人組を見て、ああこれはちがうと悟った。

彼らは困惑する僕に視線をやりながら、ニヤニヤ笑ってやがったのだ!

改めて紙を見る。

たしかに、僕の字にすごく似せているようにも思う。

そんで、もしどっちかが同じ名前だったとしたら、もう1人の方の名前を書けばいいだろう。

まあ兄弟という可能性もあるかもしれないけど。

でもあのニヤニヤした表情、あれはクロだ。

決して偶然同じ名前とかじゃないだろう。

イタズラかなんなのか、最大の目的はわからないけど

おそらく僕らと同じ名前にすることで、呼ばれた時に僕らより先に入ろうとしてるのだ。

たしかに当事者同士しか前後関係はわからないし

小さいことだけどかなり巧妙だ。くそう。

これは一体どうしたものか。

一瞬迷ったが、改めて彼らを見てすぐにあることを思いついた。

そうだ、よし!

僕は紙にひと工夫付け足して立ち去った。




そしてさらに待つこと15分、僕らの前の人達が呼ばれて、ついに次の番だ。

さすがに車から降りてお店の入り口前で待機。

入り口のすぐ横にあるベンチには「次は自分達です」みたいな顔をして、彼らがデカデカと座っている。


しばらくすると店員さんが出てきて、紙を見る。

「えー2名でお待ちのぽ...」

ここで2人組が立ちあがろうとしたが、それより先に

「ぽてと様、お待たせしました。」

と、僕の方をしっかりと見て店員さんが言ってくださった。

「はい、ありがとうございます。」

店員さんと僕にキョロキョロ視線をやりながら、立ち上がることもできずに困惑する2人組。

そんな彼らを横目に、僕は胸を張って堂々と入店した。



え?


「おいそこのデカ坊主、おまえさんは一体なにをしたんだい?」

だって?

ああそうさ、オイラはあんたが言ったとおりのことをしたまでよ。

ええ?

「言ったとおりのことってなんだ?」って?

言ったとおりってのは、まさにそのまんまさ。

おまえさん、オイラのことなんて言ったよ?

え、いやいやだから言ったとおりだっての。

おまえさんはオイラのこと、いつも髪型で呼ぶだろう?


そう、あの店先に坊主はオイラしかいなかったんだもの

それを使わない手はないだろう?


オイラは紙に書き足したのさ


ぽてと(坊主)  2


ってね!!

そりゃあ店のもんも(坊主)って文字を見りゃあ、名前呼ばなくったってオイラってわかるだろうよ。


そんなわけで、オイラは揉めることもなくヤツらより先に店に入れたってわけよ。


え?オイラは「令和の一休さん」だって??

やめとくれよ、オイラそんなに徳高くねえんだから。


はい、ということで無事入店することができ

秩父名物・わらじカツ丼を食べることが出来ました!

ガリッガリに揚げられた、脂の詰まった特大豚カツ、めちゃ旨!!

甘じょっぱいタレとの相性も抜群で、米が進む進むぅ!

ガツガツ!!


旅メシ、サイコー!!


さてさて腹も満たされたことだし、次はいよいよ関東最大のパワースポットへ!

まだまだ秩父の旅は続きますぞ♪


To Be Continued....

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